農業情報研究所農業バイテクニュース:2014年4月16日

フランス国民議会 GMトウモロコシ禁止法案を採択 先行きは不透明

 フランス国民議会(下院)が4月15日、2月に元老院(上院)が否決した社会党議員提出の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ栽培禁止法案を採択した。

 上院で否決されると、下院社会党グループはGMトウモロコシ、特にMON810とデュポン・パイオニアのTC1507を播種期前に禁止する新たな法案の上程を決めた。採択された法案は、GMトウモロコシの栽培を禁止するとし、これが遵守されなかった場合には行政当局が作物の破壊を命じることができると定めている。反対したのは国民議会では少数派の国民運動連合(UMP)の議員だけだった。

 Assemblée Nationale:Liste des textes examinés:Proposition de loi relative à l'interdiction de la mise en culture des variétés de maïs génétiquement modifié, adoptée en 1re lecture, après engagement de la procédure accélérée, par l'Assemblée nationale le 15 avril 2014 Voir le dossier

 ただし、フランス行政最高裁(コンセーユ・デタ)は2011年と2013年の2度にわたり、EU法違反を理由に政府のMON810禁止令を取消を命じている。また、上院の社会党議席はわずかながらUMPの議席を下回り、左派・エコロジーグループと右派・中道グループの議席は拮抗している。採択された禁止法の将来は必ずしも保証されていない。

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