EUのGMO新規承認モラトリアム解除とGMOをめぐる欧州の状況(上)

 農業情報研究所 Report

04.5.28

EUのGMO新規承認モラトリアム解除とGMOをめぐる欧州の状況(中)
EUのGMO新規承認モラトリアム解除とGMOをめぐる欧州の状況(下の1)
EUのGMO新規承認モラトリアム解除とGMOをめぐる欧州の状況(下の2・完)

 欧州委員会は5月19日、シンジェンタ社が申請していたBt11系統の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシ由来のスウィートコーンの販売許可を決定した。これにより、EUの遺伝子組み換え体(GMO)販売新規承認の「事実上のモラトリアム」が解除されることになる。

 このモラトリアムは、1999年6月24日、EU環境相理事会がGMOに関する法律を強化(特にリスク評価と公衆への情報提供の手続の強化、表示の導入)する立法に関して共通の立場を採択したことで決定的となった。それは法的拘束力をもつモラトリアムの決定ではないが、事実上、これらの新たな立法が採択され・発効するまで、新規GMO販売の許可を停止することを含意し、「事実上の」モラトリアムにつながった。このとき、デンマーク、フランス、ギリシャ、イタリア、ルクセンブルグの5ヵ国が、欧州委員会がGMOとそれに由来する製品のトレーサビリティーと表示に関する規則を提案するまで、新たなGMO承認は拒否するという宣言を出した。だが、この法律強化のプロセスは、今年4月18日のトレーサビリティーと表示に関する新規則の発効により完了した。従って、今回のモラトリアム解除は時間の問題だったといえる。

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 EUのモラトリアムは、途上国を中心とする世界の他の国々にもGMO導入を躊躇わせる最大の要因をなしてきた。今後のEUの動きは、世界の農業バイオテクノロジーの動向にも大きな影響を与えるだろう。ここで、今後のEUの動きを左右するであろう様々の問題を考えておきたい。これらの問題は、・・・・・・

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