農業・農村・食料・食品:ニュースと論調

2002年6月

農業情報研究所(HOME)

農業・農村 食品・食品安全 GMO 水産 食糧問題

農業・農村一般 世界 途上国 アジア・オセアニア 北米 中南米 欧州・旧ソ連圏 中東・アフリカ)  

一般

途上国

アジア・オセアニア(back)(農業・農村・食料:アジア

フィリピン:農民、ハイブリッド・ライスにかける
 
Farmers pin hopes on hybrid rice,INQ7.net ,6.19
 コメ農家の収益は低く、農民は機会さえあれば農業を止めて外に働き口をみつけようとしている。在来の技術では増産もできず、国のコメ自給は破綻している。さらに、フィリピンの人口予測からして、自給のためには、2,025年までには現在の40%から50%増しのコメを生産する必要があるが、転用による水田減少もあり、これはほとんど達成不能な目標にみえる。しかし、政府は、そのハイブリッド・ライス・プログラムに従えば、2004年までにはコメ自給が達成できるという。このプログラムの下では、ハイブリッド・ライスの作付け目標は、今年が135,000ha2003年には20ha2004年には30haとなっている。アロヨ大統領は、各州にハイブリッド・ライス・アクション・チームの編成を命じるとともに、フィリピン・コメ研究所(PhilRice)の管掌を農業省から大統領府に移し、これをハイッブリッド・ライス・プログラムとハイブリッド・ライス技術の促進と利用に責任をもつ政府の中軸機関に指定した。PhilRiceの理事長は、このプログラムが自給と食糧安全保障、農業収入増大、雇用機会拡大という国家目標の達成大きく寄与することを期待されていると言う。

韓国:肉輸出が減少
 Meat Exports Falling,Korea Times Homepage,6.18
 2001年の韓国の肉輸出は口蹄疫勃発に続く2000年からの日本の輸入停止のあおりで急減した。しかし、鶏肉輸出は過去数年の間にほぼ3倍に増加した。2001年の鶏肉輸出は465万ドルであったが、今年は日本の需要の増加のおかげで1,000万ドルを越えると予想される。

インドネシア:食糧安全保障政策が必要ー専門家
 
RI needs food security policy, experts say,The Jakarta Post,6.13
 インドネシアは1984年にコメの自給を達成したが、その後、収穫量の伸びは需要の増加に追いつけず、輸入が増え続けている。これは水田の住居・開発・工業用途への大規模な転用のためと分析されている。1983年には1,670haあった水田が、その後年率にして15,000haずつ減少、現在は1,400haに減っている。肥料・農薬への補助金とコメの輸入関税の切り下げも自給の維持の失敗に導いた。このために、1989年には僅か45万トンほどであったコメ輸入は98年には580万トンにまで増加、インドネシアは世界最大のコメ輸入国の一つになった。このために、専門家が食糧安全保障を確保するための包括的政策(水田・肥料・種子・農業機械・輸送にかかわる)の採択を考えるべきだと言っている。インドネシア農民同盟(INF)の専門家は、政府がリアウ諸島・南スマトラ・東カリマンタンのような産油州が石油・ガスの収益の一部を取り分けて開田に振り向けるように奨励し、毎年10haの開田という農業省の計画案(閣議未承認)をスピード・アップすべきだと言う。農業省は、農民の作付けを促すために政府が基本食糧の輸入関税を引き上げるように提案、農業大臣は、メガワティ大統領も合意したという。農相は、欧州諸国や米国のような先進国とともに、タイやインドのようなコメ生産国もインドネシアより高いコメ輸入関税を課しているからこの措置は必要だとしている。

中国:多数の中国農民が信用格付けシステムから便益
 
Millions of Chinese Farmers Benefit from Credit Ratings,People's Daily Online,6.5
 人民銀行総裁が、10の主要穀物生産州の40%の農民が新たな信用格付けシステムのお陰で政府補助の農民向け金融機関から低利な抵当なしの金を借りたと発表。従来、信用機関は信用格付けシステムがないために貧しい農民への貸し付けに慎重になり、多くの農民は借金が困難であった。また、大部分の農民が望むローンは小額で、コストが高いことも信用機関を消極的にしていた。そのために、種や家畜を購入するために僅かな借金を望む小規模農民は借金ができず、農業への投入を減らすーときには土地の一部を遊ばせるーか、不認可の高利貸しから借金するしかなかった。

北米(back)

中南米

欧州・旧ソ連圏(back)(農業・農村・食料:欧州

フランス:Douxグループ、Briec(フィニステール県)の屠殺場閉鎖へ
 
Doux va fermer son abattoir de Briec (Finistère) ,Ouest-France,6.5
 家禽市場の危機的状況に直面したDouxグループが家禽専用の屠殺場の閉鎖を決定。290人の労働者は他工場に配置換え。

アイルランド:IFA(アイルランド農業者協会)、EU事務所で乳価低落に抗議
 
IFA to stage rally at EU offices to protest cuts in price paid for milk,ireland.com ,6.4
 非EU諸国からの競争と一般的需要減退による乳価下落に抗議、EUの介入価格引き上げを要請。

フランス:「ルーエ農民」の生産制御術ー赤ラベルで輸入品に対抗
 
L'art de la maîtrise des Fermiers de Loué,Ouest-France,6.1
 家禽産業の危機の中、サルト県・ルーエ保護地理的呼称地域の”Volailles de Loué”と刻印れた製品が生産の厳格な制御のお陰で高価格を維持し、売上を伸ばしている。「ルーエ農民(Fermiers de Loué)」は危機の原因は輸入や大規模流通業だけにあるのではなく、自然の陽光の下で育てられた野生種の鶏などといいつつ、輸入品を混ぜたりするやり方が食品安全に対する消費者の信頼を裏切っていると非難する。彼らは、輸入肉からの製品に対して、赤ラベル家禽から作られる製品で対抗している。

中東・アフリカ

食品・食品安全(back)(食品安全

イギリス:フルーツを食べる人の農薬の恐怖
 
Pesticide fear for fruit eaters ,Guardian Unlimited,6.20
 来週のウインブルドンのストロベリーやクリームには予想外の成分ー違法農薬が含まれることになるかもしれない。昨日、政府が発表した数字によると、イギリス産のストロベリーにはこれら作物への使用は禁じられているがアブラムシ退治には使用できるdicofulが含まれている。これは長いこと禁止されているDDT類似のもので、性異常や癌を引き起こすホルモン撹乱が疑われている。輸入されたグレープ・スターフルーツ・ネクタリン・ピーチからも、脳損傷を引き起こすことが分かっている有機燐農薬が法的に許された以上のレベルで発見された。発表の当事者は個々の農薬の量では人間を害することはないと言っているが、「地球の友」の活動家は、これほど多くのの化学物質の「カクテル効果」は試験されていない、「彼らは我々の健康のために一日に5食の果実または野菜を食べるべきだと言っている。そうすると、我々は5倍の農薬を摂取することになるかもしれない」と言っている。

米国:エビの抗生剤の監視
 
Monitoring Antibiotic in Shrimps,The New York Times,6.3
 ヨーロッパとカナダで中国・ベトナムからのエビにクロラムフェニコールが発見されたが、米国当局者は発見されたのは輸入エビのほんの僅かな部分であるから食べてもほとんどは安全と言っている。米国では、エビ製品加工業者は成分の原産地表示を義務づけられておらず、米国内で加工される場合には輸入エビと国産エビが混ぜられていても米国産と表示されるから、表示は頼りにならない。食品医薬局(FDA)の設備では、クロラムフェニコールの濃度が5ppb以下の場合には検出できなっかったが(EUとカナダでは0.3ppbでも検出可能)、今後は1ppbまで検出可能な設備で中国・ベトナム産のエビを監視する。

GMO(back)(遺伝子組み換え

米国・EU:米国、遺伝子組み換え作物でEUに警告
 
US warns EU on modified crops,Financial Times,6.21,p.7
 20日、米国は、新たなGM作物の承認を4年にわたり拒否しているEUが米国産業に巨大な損害をもたらしているとして、EUをWTOに提訴するという明確な警告を発した。米国の怒りは、欧州委員会がGM食品のトレースと表示に関する新たな規則案を発表して以来、とみに大きくなっている。

スコットランド:「お粗末な」緩衝帯で遺伝子組み換え論争が再燃
 
'Pathetic' buffer zones reopen GM debate,The Scotsman,6.20
 スコットランドにも実験サイトをもつアヴァンテス社は、他の非GM作物に近すぎ、交雑を引き起こすと、ベルギー政府により油料種子菜種の実験圃場の破壊を命じられた。非GM菜種から1km離すというベルギーの基準にもかかわらず、同社は880mしか離れていないところで実験していた。「スコットランド地球の友」は、この間違いはスコットランドの緩衝帯がいかに「お粗末」であるかを暴露したと言い、隔離距離の即時の増加を要請した。現在のスコットランドのルールでは、通常作物から50m(有機作物からは200m)離すことになっているが、ベルギーの規制はその20倍の距離を要求している。「地球の友」の研究は、GM花粉は4km離れたところまで達し得るとしており、土壌協会は9kmの緩衝帯を要求している。しかし、スコットランド当局者は、スコットランドの隔離距離は専門家のアドバイスに基づくもので、交雑の恐れはないと要求を拒否している。

オーストラリア:有機農民、全土がGMと思われて破滅と叫ぶ
 
Organic croppers cry ruin as all land is rated GM,smh.com.au - The Sydney Morning Herald,6.20
 ニュー・サウス・ウエールズ(NSW)州農業省が遺伝子組み換え(GM)作物栽培禁止区域の設置を「機能しない」と拒否。ヨーロッパやカナダの市場への販売で大きな利益を得ている有機農民、若干のカノーラ(ナタネ)農民が、遺伝子汚染を恐れ、この決定は有機農業の破滅につながると非難の声を上げている。

タイ:農民、消費者は「利益を逃している」
 
Farmers, consumers `miss benefit' ,Bangkok Post ,6.20
 米国農務省のバイテク専門家が米国大使館で遺伝子操作技術についてブリーフィング、消費者も、農民も、この技術がもたらす利益を取り逃していると語る。タイ政府は、昨年4月、遺伝子組み換え体(GMO)の漏出から生じ得る損害を防止するためのバイオセイフティ法が制定されるまで屋外圃場実験を禁止するという議会の要求に同意している。

フランス:上院、欧州議会環境委員会の表示提案に警告
 
OGM : le Sénat salerte du seuil détiquetage proposé par la commission environnement du parlement européen,Agrisalon.com ,6.18
 フランス上院の遺伝子組み換え体(GMO)に関するミッションのメンバーが、GMOを0.5%以上含む食品に表示を義務づけるという欧州委員会の提案を支持した欧州議会環境委員会の6月4日の決定を批判するコミュニケを発表。コミュニケは、表示が義務づけられる食品が含むGMOの下限を0.5に引き下げる(現在は1%)ことによる費用の増加、消費者にとって分かりやすい表示の必要性、MO成分の検出限界からくる監督の有効性、トレーサビリティと表示による競争歪曲から生じるフランス農業・食料産業の損害を問題としている。

イギリス:「政府はGM論争から身を引け」(議会委員会)
 
'Keep ministers away from GM debate',BBCNews,6.18
 議会の「環境・食料・農村問題委員会」が、GM食品に対する誤解を解くために、国民の信頼を失った政府は論争から身を引き、研究を見直すために科学者の独立パネルを設置するように要請。勧告は、現在の圃場試験がトウモロコシ・油料種子ナタネ・ビートといった国民に馴染みのない作物を対象としていることも問題にし、遺伝子組み換えの商業的価値を一層よく例示するために、もっと消費者に身近な作物を使うべきだとも言っている。

米国:遺伝子組み換え食品、産業に表示のジレンマ
 
GENETICALLY ALTERED FOOD CREATES LABELING DILEMMA FOR THE INDUSTRY,St. Louis Post-Dispatch,6.16
 企業はブッシュ政府がGMO製品表示を拒否したことを歓迎しているが、将来の政府が方針を変更すれば製品の販売コストが小売価格を急上昇させる可能性があると恐れている。

GMO問題で世界食糧サミットが混乱
 
Le sujet des OGM trouble le Sommet mondial de l'alimentation,Le Monde Interactif,6.11
 飢餓はGMO普及の口実になるのか?それが10日にローマで開かれた世界食糧サミットの中心問題である。南米のNGOを援助食糧の中に人間の食用とすることを許されていないスターリンクの痕跡を発見したと発表した。UsaidのAndrew Natsiosは「米国でもスターリンクの痕跡が発見され得る。アメリカ市民も我々がそれを必要とする人々に与えるのと同じトウモロオシを食べる」と言い放った。フランス農相・エルベ・ゲイマールは、食糧援助は国内の過剰処理のためになされてはならず、例外的な場合を除いて、本質的に望ましいものではないとEUの立場を主張したが、Andrew Natsiosは「ヨーロッパの立場は恐るべき間違い」であり、「我々の援助の唯一の基準は食糧を求める人々の必要だ」と拒絶した。米国は、このサミットにヨーロッパ人をはるかに越える代表団を送り込み、GMOを世界の食糧問題を解決するための不可欠な手段として提示した。ベナマン農務長官にとっては、「バイオテクノロジーは、乾燥あるいは塩分に抵抗する品種を創出し、今日では農業開発が可能でない地域での開発を可能にする」。彼女は、米国政府は、近く農業技術に関する閣僚会議を組織すると告げた。しかし、サミットと並行してフォーラムを組織した農業者団体やNGOを説得しなけければならないだろう。フランス農民同盟のジョゼ・ボベは、その場で、「食料主権のための闘いのひとつは多国籍企業が強制しようとしているGMOに関係する」と主張、「GMOに対するこの闘いを我々の戦略の中心に据える」ように訴えた。
 関連ニュース
 
Bitech sector urged to focus on probulems of poor countries,Financial Times,6.12,p.8

米国:米国コーン栽培者協会(ACGA)、有機食品需要はGMOに問題を生む
 
Group says organic demand creates problems for GMOs,World-Grain.com,6.11
 ACGAによれば、General Millsによる有機穀物の新ラインを導入する計画はGM穀物の将来の販売の大きな後退を意味する。有機の表示はGMOが存在しないことが条件であり、有機穀物がGM作物に汚染されてはならない。ACGAは「農民の選択−消費者第一教育プログラム」を導入して以来、米国農民は市場が求める作物を栽培することを真剣に考えるべきだと警告してきた。有機・自然食品の需要の伸びは、将来は非GMO食品市場が成長することを示唆する。有機食品に参入する食品企業はGeneral Millsだけではなく、クラフト、ケロッグ、ハインツ、コカ・コーラなども有機市場で大きな役割を演じるようになる。トウモロコシその他の米国商品の市場価格は歴史的と言ってよいほど低落したままであり、その一方で米国の輸出市場はGMOの導入以来、深刻な打撃を受けている。最近の有機食品需要の増加の恩恵を受けるためには、農民が市場と消費者の需要に適応しなければならない。ACGA責任者によれば、バイテク産業はGMO品種の花粉の飛散による汚染の問題には無関心のようだし、米国の輸出販売の損失や今後起き得る様々な責任(liability)の問題への関心も欠いているようだ。

米国:農民、GM作物の報償を刈り取る
 
U.S. study shows bioengineering brings greater yield, lower costs,The Globe and Mail,6.11
 米国の全国食料農業政策センター(NCFAP)が、トロントで開かれたBIO2002会合で、40のケースの検討に基づき、米国農民が遺伝子操作(GE)作物で巨大な利益を得ていると報告。既に米国農民が採用している8種の組み換え作物で、2001年には生産は18億s増え、生産コストは12億ドル節約された。農薬使用量は2,100万キログラム減った。この結果を拡張し、現在開発中の他の作物も採用されると、米国全体の収量は63億s増え、生産コストは25億ドル、農薬使用量は7,400万s節約されると推定。
 
NCFAP,"Plant Biotechnology: Current and Potential Impact for Improving Pest Management in US Agriculture, An Analysis of 40 Case Studies,2002.6
 関連情報
 米国:遺伝子操作作物の採用状況と生産への影響,02.4.19

米国:政府はバイテク表示に反対
 
White House Opposes Biotech Labels,AP,6.10
 10日、世界初のバイテク産業の集会・BIO2002の朝食会スピーチで、米国保健省 (HHS)長官のトミー・トンプソンが遺伝子操作(GE)食品への「義務的表示は消費者を脅かすだけ」で、「表示はバイテク製品が安全でないことを意味する」と、米国政府の義務的表示反対の立場を表明。食品医薬局(FDA)は(GE食品の)成分は通常の方法で生産された製品と同じように安全と言い、当局者は表示は米国企業に年40億ドルのコストを課す可能性があると言ってきた。

ローマ:ボベ、GMOは飢餓を解消しない
 
Rome: Bové redit que les OGM ne sont pas une réponse à la famine,Reuters,6.8
 世界食糧サミットが開かれるローマでのデモに際し、フランス農民同盟のジョゼ・ボベはGMOでは飢餓問題は解決できないと言い、飢餓の原因はEUと米国によるダンピング輸出により各国の農村コミュニティの生産能力が破壊されていることにあると思われると語る。

イギリス:反GM作物の抗議者を逮捕
 
Anti-GM crops protesters arrested ,Ananova,6.8
 屋外圃場実験中のGM作物をおよそ70人の活動家が破壊したのち、警察が4人を逮捕。

タイ:ネスレの事務所、グリーンピース活動家が襲撃
 
Nestle office raided by Greenpeace campaigners ,Bangkok Post ,6.7
 グリーンピース東南アジアのがネスレの事務所を急襲、床に遺伝子組み換え(GM)成分を含む製品を投棄した。欧州ではGM成分を廃しながら、アジアでは使用する「二重基準」廃止の要求を退けられたグリーンピースがGM成分が見つけ出された製品を返還するように消費者に要請するキャンペーンを始動させるための行動である。

EU:欧州議会、遺伝子組み換え食品に表示を
 
LABEL GM FOODS, SAY EURO-MPs,AP,6.5
 遺伝子組み換え体(GMO)に関する欧州委員会の新規則案を審議している欧州議会の環境・消費者問題委員会が、遺伝子組み換え(GM)物質を0.5%以上含むすべての食品は、他の成分表示と同じ大きさのラベルを付さねばならないという提案に賛成投票。しかし、「GMフリー」(GM物質を含まない)という表示は認めなかった。伝統的作物を使用する食品の区別する理由はなく、「ノーマル」な食品にそのような表示をすることは、「GMフリー」製品の値段を上げることになるだけだという。

中国:遺伝子組み換え棉の生産を継続
 
La Chine continue a produire du coton transgenetique,Yahoo!France/Actualites,6.5
 環境保護庁(SEPA)生物多様性局の責任者が、南京環境研究所との共同研究で遺伝子組み換え棉の環境への悪影響が結論されたにもかかわらず(→中国:国の研究所レポート、遺伝子組み換え棉(Bt棉)は環境に悪影響,02.6.6)、組み換え棉には多くの品種があり、環境への影響もそれぞれ異なるから、措置を取る前に研究を続けると語る。中国の公式の数字では、遺伝子組み換え棉は既に150haで栽培され、総収穫量の35%を占めるに至っている。

イギリス:閣僚、遺伝子組み換えを国民に売り込む準備
 
Ministers prepare to sell GM to the public,Independent,6.9
 9日、環境食料農村問題省(DEFRA)が「インデペンデント」紙に対し、遺伝子組み換え(GM)作物に対して疑問を投ずる「神話を追い払う」ためのキャンペーンに着手すると語る。公式には「議論」の提起の形を取るが、目的は首相のGM推進の立場を国民に納得させることであるとDEFRAは明言した。首相は依然としてGMテクノロジーを完全な信頼しており、それが安全だという政府の保証を国民が受け入れないことに苛立っている。先月のロイヤル・ソサイエティでの反GM抗議者を非難した演説は、このキャンペーンの口火となることを意図したものである。GM作物は、来年までに終わる予定の圃場実験のために国中で栽培されている。省は、最初、これらの実験が終われば、2004年から商業的栽培を許可する予定であったが、実験はGM作物の環境影響を試験することを計画さえしておらず、ただこれら作物に使われる農薬のインパクトに焦点を当てている。このために、GM産業の代表者も含む政府自身の「農業・環境バイオテクノロジー委員会」は、これらの実験では決定を下すための十分な情報が得られないと警告、国民的論議を要請している。欧州委員会(農業情報研究所・注1)や「ネイチャー」(農業情報研究所・注2)はGM作物が他の作物を汚染するのは免れそうもないと結論している。
 
注1:農業情報研究所:EU:欧州環境庁(EEA)、GM作物花粉による遺伝子移転に関する報告を発表,02.3.28
  注
2Dale,Philip J. et al,Potential for the environmental impact of transgenetic crops,Nature biotechnology,Jun 2002,20-6,pp.567-

ロシア:米国・ロシア、遺伝子組み換えポテトを開発
 
U.S., Russia Develop GM Potato(From AP),TheMoscowTimes.com ,6.6
 バイオエンジニアリング・センターの研究者がロシアで普通に栽培されているジャガイモ3品種に米国・セントルイスに本拠を置くモンサントが開発した技術を適用、ロシアのジャガイモの最大の害虫であるコロラドハムシに抵抗性をもつ遺伝子組み換えジャガイモを開発した。この害虫は、50年前、第二次大戦後の米国の援助食糧を通じて侵入したものとみられる。販売の承認には多くの試験が必要で、3年はかかる。ロシアではGM製品の健康・環境影響への影響に関する国民的論議はまったくない。ロシア科学技術副大臣は、「人間の健康に便益をもたらし、農業を改善し、環境にやさしく、経済的に利益がある新しいバイオテクノロジーは支持されねばならない」と言っている。

イギリス:国民、遺伝子組み換え(GM)食品の表示を望む(サーベイ)
 
Public want GM food labelled - survey,Ananova,6.4
 消費者協会の調査で、調査対象者の94%がGM品を含むすべての製品がそのように表示されることを望んでおり、87%は最終製品にGM成分が検出されない場合でもGMとして表示されるように望んでいることが分かった。欧州議会は、4日、GM成分の食品使用に関する一層の消費者情報を与える提案を審議しており、この提案ではGM大豆油のような品目にも表示ルールを拡大することになっている。現行ルールでは、最終製品に検出される場合だけしか表示の義務はない。消費者協会は、環境委員会の議員に国民の意見を代表するように求める書簡を送った。協会は、GM派生品がどこで使用されたを確認するための「トレーサビリティ」に支えられた完全表示を支持するように議員に求めている。

中国:科学者、大豆ゲノム研究プロジェクトを提案
 Chinese scientists propose soy genome research project,Soyatech News,6.3
 農業専門家が品質と生産の改善のために大規模な大豆ゲノム研究を開始するように提案。18年前に始まったプログラムは脂肪と蛋白質の改善に焦点を当てていた。388の新品種を開発したが、先進国に比べると大きく遅れを取っている。中国の基本作物の一つである大豆は1,000万ヘクタール栽培されている。過去50年、他の主要作物の生産は5倍に増えたが、大豆の生産は62%しか伸びなかった。この研究者は、外国から輸入するのではなく、大豆生産増加の方法を見つけ出すべきだと言っている。

ジンバブエ:政府、米国食料援助を拒否(遺伝子組み換え品を理由に)
 
Harare refuses US food relief,FT com,6.1
 食糧危機の最中にあるジンバブエの政府が遺伝子組み換え品であることを理由に米国からの1万トンのトウモロコシ援助を拒否。米国はこれらトウモロコシをマラウィ、モザンビーク、ザンビアに再配分、ジンバブエには改めて非組み換え品を輸送。

水産(back)(水産

フランス:「我々は漁業者を援助するつもりで研究している
 
«Nous travaillons avec la volonté d'aider les pêcheurs»,Libelasion,6.4
 Ifremer(フランス海洋利用研究所)が漁業資源の危機的状況にかかわるその研究を擁護。

フランス:魚の数の計算の曖昧さ
 
Les vagues du comptage de poissons ,Libelasion,6.4
 EUの漁業政策改革構想で科学者と漁民が分裂。

米国:ルイジアナのエビ漁民、漁獲減少・低価格・輸入に苦しむ
 
Small Catches, Low Prices and Imports Bedevil Louisiana Shrimpers,The New York Times,6.3
 エビの漁獲量が急減するなか、エビ漁民は国全体の経済低迷と9月11日以後の旅行・エンターテイメント支出の急落による需要減少で数十年来なかった低価格に直面している。その上、アジアやラテン・アメリカからの輸入品が国内市場に洪水のように押し寄せている。アジアからの輸入品に禁止抗生剤・クロラムフェニコールが発見され、輸入攻勢が終わりを告げるかと思われたが、州当局が検査を拡充すると、「ルイジアナ製品」の表示のものにまで同じ薬剤が検出された。加工ラインで外国産のものが混入しているらしい。抗生剤の問題は需要全体を減らす結果にしかならない。どう転ぼうと、多くのルイジアナ・エビ漁民が大事に育ててきた生活様式は、近いうちに終わりを告げそうである。漁民たち農民・精糖業者・鉄鋼工場が受けるような貿易からの保護がないことを嘆く。いまや、増え続ける輸入と戦う関税あるいは価格を勝ち取ることができる政治勢力の結集を夢見る者が現れている。消滅していたルイジアナ・エビ漁民協会が復活しつつある。

食糧問題(back)(食糧問題

ジンバブエ:政府、米国食料援助を拒否(遺伝子組み換え品を理由に)
 
Harare refuses US food relief,FT com,6.1
 食糧危機の最中にあるジンバブエの政府が遺伝子組み換え品であることを理由に米国からの1万トンのトウモロコシ援助を拒否。米国はこれらトウモロコシをマラウィ、モザンビーク、ザンビアに再配分、ジンバブエには改めて非組み換え品を輸送。

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