農業・農村・食料・食品:ニュースと論調

2002年7月

農業情報研究所(HOME)

農業・農村 食品・食品安全 GMO 水産 食糧問題

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一般

途上国

アジア・オセアニア(back)(農業・農村・食料:アジア

パキスタン、中央アジアに食糧ハブに向けての努力を要請
 
Pakistan urges Central Asia to strive for food-hub status,AFP,7.25
 ムシャラフ・パキスタン大統領が中央アジア10ヵ国の経済協力機関(ECO)の農相会合で、地域を食糧のハブ(中心地)とするための協力を要請。大統領は、地域には豊かな自然資源があり、投資と協力があれば食糧生産のハブとなり得ると言う。パキスタンは、既に「ビジネス・フレンドリー」な経済政策を採用、国に欠けている穀物貯蔵と冷蔵室のための外国投資を求めているという。パキスタン農相は、ECOのメンバーに、WTO交渉のための共同戦略に合意し、また地域における農業補助金に関して合意するように要請した。彼によれば、我々は先進世界が農民に与えるような補助金を出すことはできない。農業補助金について共同の立場が必要である。先進諸国に平等な土俵をもつように説得する共同の立場をもつ必要がある」。

韓国:コメ市場再編のために政策変更
 
South Korea changes policy to restructure rice markets,World-Grain.com,7.22
 ソウルの米国大使館農業官の最近の報告によると、韓国農林省が昨年発表された草案に基づく「コメ産業包括プラン」を採択した。プランは、供給過剰の構造問題の克服と、現在のウルグアイ・ラウンド協定が期限切れとなる際のコメ市場再編に向けての準備に焦点を当てている。コメ作付面積は、2001年の1083000haから2005年には953000haに減らす。他作物への転換を奨励、それにより生じる損失は直接支払で補償する。また窒素肥料使用の削減により、収量が少ない高品質米の生産に力を入れる。市場価格を通して米価を下げることも目標に含まれる。

インド:農民の権利
 
Farmers' rights,The Hindu ,7.20
 (意見:英国シェフィールド大学・マイク・アドコック)インド政府は、公・民の研究を通して開発された植物品種及び農民と伝統コミュニティにより開発され・保全された植物品種を保護する「2001年植物品種及び農民の権利保護法(PPVFR)」を導入した。これは知的財産権貿易関連側面(TRIPs)協定による植物品種保護を超えるもので、農民に自家採取の種子を蓄え・使用し・共有し・販売し・新たな・改良された品種を開発する育種化と研究者をシミュレート権利を与えている。それは、農民が商業的育種家と同様に扱われ、同種の保護を受られるように保証した。また、育種家や農民が開発した新品種を登録するだけでなく、公正で平等な利益の共有と財政的補償を確保する「植物品種保護庁」設置も定めた。ところが、今年5月、閣議は、1978年植物新品種保護条約(UPOV)に参加するという政府決定を承認した。1991UPOV条約は、条約参加を望むすべての国が1991年条約に参加せねばならないとしているが、アジア諸国の参加を促すために、インドには1978年条約への参加を認めている。政府は、UPOV参加で国際的に認められた基準で品種が保護されるようになり、育種家の権利の相互承認のための他国との多くの二国間協定に加わる国の必要性が満たされると言う。しかし、UPOVに参加すれば、制定したばかりのPPVFRは変更を迫られるであろう。1978UPOV条約では、自家採取種子の「商業的販売」は認めていない。さらに、1991年条約では農民の権利は一層制限され、種子の使用のためには育種家への補償が必要とされ、農民の権利は自分の農地で使う種子を蓄える権利だけに限定される。これにより、インドの農業コミュニティと農民の伝統は大きく損なわれるであろう。インドは、育種家の権利保護への道を取る一方で、その農業コミュニティの知恵と伝統的慣行を見捨てようとしている。

タイ:植物遺伝資源アクセスで論争が再燃
 
Pact revives debate on plant access:Native varieties are given to gene banks,Bangkok Post ,7.18
 スコタイタマティラット公開大学法学部のJakkrit Kuanpoteは、土着品種の国際遺伝子バンクに提供し、他の国が移転協定(MTA)下でそれを利用できるようにする植物遺伝子資源食糧農業用植物遺伝資源国際条約は、植物遺伝子資源に関するドナー国の主権を失わせるもので、タイのような豊かな生物多様性をもつ国に有害だと言う。彼は、ジャスミン・ライス品種をタイの許可なしに米国遺伝学者に与えた国際イネ研究所の例をあげる。しかし、外務省の担当者は、ブラジル・インド・マレーシアなども既に条約を批准しており、タイは条約による損害よりも利益の方が大きいと言う。彼によれば、条約には、農民の権利の保護が「任意」のものであるといったいくつかの抜け穴があるし、途上国の農民の権利をひどく侵犯する知的財産権の貿易関連側面(TRIPs)の修正の拒否している。それでも、条約に加わることで、MTAや遺伝子バンクを監視する国際機関を律する規制の策定への参加のような利益がある。条約に調印するかどうかは、微妙な問題だから、閣議でなく、議会で議論されねばならない。しかし、決定は緊急を要する。

中国:中国人、有機食品消費を増やす
 
Chinese consume more organic food,xinhuanet,7.18
 中国の有機農業が大きな発展期を迎えている。有機食品産出高はこの10年で29倍に増え、年生産は1500万トン、全食品市場の3%を占めるまでなった。黒龍江省ではこのニュー・ビジネスがブームになり、この最大の換金穀物生産基地における有機穀物栽培面積は、前年より40%増えて100万ha、総耕地面積の1割を占めるに至った。隣りの吉 林 省や内モンゴル自治区でも、有機作物推進がこれら地域における農業再編の最優先事項となっている。「green and healthy」と表示されたこれら食品は、米国や日本に輸出され、世界市場にも参入するようになった。

韓国:政府、過剰米の半分を家畜飼料として処理する計画
 The government plans to dispose of half of its rice surplus as fodder for cattle,Korea Times Homepage,7.17
 16日、農林省が過剰な400万袋(1袋は80s、総計32万トン)のうちの200万袋を家畜飼料として処理することを考えていると明かす。残りの200万袋はアフガニスタン・エチオピア・南アフリカへの食糧援助に回すことを考え、世界食糧計画と交渉している。北朝鮮との軍事衝突で、計画していた北朝鮮への援助の道は断たれ、これらのドラスティックな方法を取るしかないという。このままでは、新たな収穫物を納める倉庫が足りなくなる。しかし、このような処理のための費用は、家畜飼料としての処理で5千億ウォン、食糧援助も含めると1兆ウォンにのぼると推定され、論議を掻き立てている。その上、今年はなんとかしのいでも、来年以降の見通しは立たない。

中国:農民、今春のコメ・小麦作付を減らす
 
Farmers plant less rice, wheat this spring ,chinadaily.com,7.4
 今年、早期稲、春小麦、棉の作付が減少、タバコ、ジュートとアンバリ麻、シュガー・ケーンの作付が増加。稲・小麦の作付減少は保護的価格統制の恩恵を受けられなくなったことが大きく影響している。4月と5月の大雨を伴なった低温、南部の深刻な旱魃も影響している。棉は大きく減少したが、昨年の生産増加による過剰があることと、国内・国際市場価格が一部地域の生産コストを下回るまでに低下しているからである。

インドネシア:政府、食糧不足の不安を沈静
 
Government plays down food shortage fears ,The JakartaPost,7.4
 いくつかのコメ生産地域が旱魃に襲われているという報告に続き、エル・ニーニョによりコメが120万トンの減収となった1997年と類似の厳しい旱魃の被害をこうむるのではないかという不安が生じている。しかし、農相は、3日、十分な在庫といくつかの生産地域での灌漑システムがあるからコメ不足にはならないと語った。しかし、メガワティ大統領は、これが国家的問題になるかもしれないと、旱魃の影響の監視を続けるように要請。

中国:政府、穀物市場統制撤廃へ
 
China Said to Lift Control over Its Grain Market ,People's Daily Online,7.2
 北京のFinancial Dailyが消息筋の情報として伝えるところによると、中央政府は、多分来年までに、買入れ・流通・価格決定に関する国内穀物市場の統制を完全に撤廃する。当面、国務院は長い歴史のある非効率的な国内穀物流通システムをオーバーホールするためのプランを策定するために、農民に対する補助金、国有穀物企業の適切な処分のような特定の問題を研究する14の部(省)のスタッフで構成されるオフィスを設けた。昨年8月、政府は8つの沿岸の州と自治体で穀物市場の取引・流通・価格決定に関する統制を廃止し、4月までに、中部・東部・東北部のいくつかの州も穀物市場に対する政府の統制を撤廃した。これらの州は、低品質の穀物に対する保護的価格を止め、小麦やコメを購入し・販売するための私的穀物行商を許した。国有穀物企業には、財政資金への依存を止め、自活するように求めた。信頼できる穀物供給・農民所得の増加・国有穀物企業の比較的スムーズで安定した処分という「一石三鳥」の成功を収めた杭州の経験が、中央政府の統制撤廃への動きの根拠となっている。しかし、Financial Dailyは、今年中の穀物市場完全開放の可能性は否定している。ある専門家は、保護的価格の撤廃は農民所得の減少を招くと警告している。しかし、もともと穀物生産が少量の家族農民にとっては、保護的買い入れ価格の撤廃の影響は小さく、農民所得増加の基本的手段は都市化を加速し、彼らを非農業部門に移動させることだと反論する者もいる。ただ、WTO加盟は確かに脅威であり、それは既に現実の問題になっている。約束した穀物輸入割当は、今年、1830万トンであるが、中国の統計基準で計算し、コメを籾に、大豆と大豆油を穀物に換算すると、4000万トンという数字になる。これは、12の主要穀物生産州の農民一人当たり所得を100から130元(12から16米ドル)削ぎ取ることになる。農業経済学者・Chen Xiwenは、これは中央政府が楽観してはならない影響だと言う。彼によれば、WTO加盟は、沿岸諸州のような伝統的な穀物消費地域には好条件をもたらすが、穀物供給地域には大きな圧力を与える。穀物市場改革は地理的相違を考慮しなければならない。

北米(back)

中南米

欧州・旧ソ連圏(back)(農業・農村・食料:欧州

中東・アフリカ

食品・食品安全(back)(食品安全

イギリス:シリアルはビスケットと同様に「不健康」
 
Cereal 'as unhealthy' as biscuits,BBCNews,7.30
 Food Commission(?)の研究によると、人々が一日を健康にスタートするためにシリアルを選んでいるが、多くのブランドは心臓病に結びつく過剰な量の糖分と飽和脂肪を含み、繊維は十分に含んでいない。これらのシリアルを毎日食べるべきではないという。テスコやワエイトローズはこれを認め、消費者に選択が可能なように表示していると言う。また、クエーカーのように、「バランスの取れた食事の重要性」を強調している。

欧州配合飼料メーカー団体(FEFAC)、フード・チェーン全体を貫く不正防止ルールを要請
 FEFAC urges anti-fraud rules throughout food chain,World-Grain.com,7.29
 禁止ホルモンMPAに飼料が汚染されていた事件(EU:ソフトドリンクと豚飼料に禁止ホルモン,02.7.16;EU:さらに数千のオランダ農場、汚染飼料騒動に巻き込まれる)を受け、FEFACがフード・チェーン全体の通じての不正防止措置を決定するために、食品産業と政府当局者を含むすべての関係者のための包括的ワークショップを組織すると発表。MPAのケースでは、廃棄されるべき廃棄物の危険な処理が起点となり、バイオランドにより生産された汚染グルコース・シロップが飼料生産に使われ、その残りが食品産業と自身の飼料を調合する農家に引き渡された。FEFACは、このような不正の防止は、消費者保護・環境当局も含むフード・チェーンのすべてのメンバーの強力で十分に調整されたパートナーシップを通してのみ達成できると強調、すべての飼料原料供給者を新たな飼料衛生立法の下での公的承認に服させるように要求している。

インドネシア:魚の消費者は「良く調理したコイを食べるべき」
 
Fish consumers 'should eat their carp well-done',The JakartaPost,7.27
 ジャカルタとその他のジャワ地域の魚の消費者は、ジャワ全体の養殖池のコイ(carp)と鯉(koi)にヘルペス・ビールスが広がっていることが発見されたために、ikan mas(carp)を食べる前に予防措置を取るように勧告された。このビールスは60℃以上で死ぬので、揚げるか、焼くか、ボイルすれば大丈夫という。このビールスに感染した魚は2日から4日で死ぬ。人間の免疫システムも攻撃し、感染すると、肌に痒みまたは腫れ、黒い斑点、疱疹などの症候が出、吐き気・頭痛が起きることもある。しかし、専門家は魚に発見されたビールスは人間に発見されるビールスと異なっており、動物から人間に移るかどうかは研究がないと言う。

米国:肥満米国人、ファスト・フード企業を訴え
 
Fat Americans sue fast food firms,BBCNews,7.25
 オーバーウエイトの米国人グループが、マクドナルド、バーガー・キング、ウエンディ、ケンタッキー・フライド・チキンは、肥満と病気を引き起こ食事をそうと知りながら供給したとブロンクスのニューヨーク州最高裁に提訴。最近の調査では、米国人成人の半分以上、5400万人が肥満とされ、年々の夥しい数の死が肥満関連病に起因するとされている。保健団体は、この増大する病気の最大の犯人はジャンク・フードだと言う。ファスト・フード企業は、現在、若い米国人により健全な食事を取るように要請するキャンペーンに参加しており、レストラン産業のスポークスマンは訴訟は馬鹿げている言う。

EU:さらに数千のオランダ農場、汚染飼料騒動に巻き込まれる
 
THOUSANDS MORE DUTCH FARMS IN TAINTED FEED SCARE,Independent,7.25
 さらに2000以上のオランダ養豚農場がホルモン汚染飼料を使っていた可能性があると分かり、最新の食品騒動が一層拡大する様相を見せている(⇒EU:ソフトドリンクと豚飼料に禁止ホルモン,02.7.16)。最初3つのオランダ養豚農場で発見された汚染は、世界三番目の豚輸出国の大多数の生産者に影響を及ぼすことになった。この危機はEU単一市場におけるコントロールの困難も例示している。15ヵ国中の11ヵ国が打撃を受け、中でもオランダ・ドイツ・ベルギーが受けた打撃は大きく、イタリアは輸入を禁止した。先週初め、ドイツは、74の飼料生産者から供給を受けた7千の農場に屠殺または輸出を禁じた。また、およそ2100のドイツ農場が、先週、生産物の販売を止めさせる緊急閉鎖命令を受けている。ベルギーでは、先週、およそ800の農場が監視下に置かれ、二つの農場で汚染の証拠が見つかった。・・・

中国:国際的な食品安全への恐れ、中国の輸出に脅威
 
International food-safety fears a threat to Chinese exports,scmp.com,7.22
 中国の貿易専門家によると、先進国が保健への懸念を中国製品の輸入を制限する貿易障壁として利用しているから、中国は国際的要求に合致するように環境管理と食品安全基準をアップ・グレイドしなければならない。将来は、このような貿易障壁が中国と他のWTO加盟国との貿易紛争の主要な源になるであろう。今年初め、EUは禁止抗生物質が含まれるという理由で、中国の蜂蜜・エビ・その他の食料品の輸入を禁止した。厳格な検査が必要とされる中国茶の種類も、昨年11月以来、6品目から62品目に増えている。一部エコノミストは、これは非関税障壁だというが、この専門家は、中国製品が食品安全基準を満たしていないというのは根拠のないことではないと言う。彼は、政府に対して、環境保護と食品安全の重要性に関する農民の啓蒙を強化するように要請した。農産物の品質と安全性に関する法律をできるだけ早く策定すべきだとも言う。大陸中国の企業は、競争力強化のために食品安全に関する国際品質認証を取得すべきだが、昨年までにISO14000の認証を取得したのは500社にすぎない。国際レベルに達するにはあと5年から10年を要する。

中国-タイ協力:食品輸出業者、厳格化する衛生ルールに直面
 
CHINA-THAILAND CO-OPERATION:Food exporters face stricter hygiene rules,Bangkok Post ,7.22
 貿易担当官によると、タイの食品輸出業者は、中国がWTO基準に合うように導入する一層厳格な規制に合致するように備えねばならない。中国は、基準の西側のレベルへの引き上げを推進する措置の一環として、2005年までに450の試験所に勤める600人の食品安全研究者を確保することを目指している。WTO加盟以前、生産物は港でえ検査されていたが、現在の検疫システムは集権化され、生鮮品輸入のためには北京での検査をパスしなければならない。

米国:農務省の食肉・鶏肉検査に欠陥、連邦検査院
 
Federal Audit Faults Department's Meat and Poultry Inspection System,The New York Times,7.10
 ニューヨーク・タイムズが入手した未公表の会計検査院(GAO)レポートによると、米国農務省(USDA)による食肉・鶏肉検査プログラムは、細菌事故から国民を守る機能を果たしていない。USDA自身の数字が、2000年から2001年にかけての大腸菌事故や鶏肉中のサルモネラのレベルの増加を示している。それは、検査プログラムの不適切な設計、バクテリア検査の欠陥、訓練されていない検査員による不適切な監視、記録保存の欠陥、執行の全体的欠如など、いくつかの分野における懸念を指摘している。1996年にHACCPプログラムが発効したとき、それは食品安全に関する責任の一部を政府検査員から取り上げ、代わりに工場が責任を取ることを要求していた。しかし、レポートによると、検査員も工場も役目を果たしていないようにみえる。

日本:経営陣へ厳しい目 「食の安全」本社消費者調査
 日本経済新聞、7.2(朝刊)
 食品をめぐる事件や問題が続出する原因を、消費者の4人に3人が「経営幹部の姿勢」と「企業の隠蔽体質」にあると考えている。「行政の監督不備」がこれに続く。消費者は独立組織「食品安全委員会」の設置やJAS法改正への期待もにじませており、「安全、信頼性の確保に大いに効果がある」(10%)と「多少はある」(56%)のあわせて3分の2が「肯定派」となっている。
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農業情報研究所コメント:食品安全委員会への期待が大きいようだが、この期待に応えるためには、委員会の任務である「リスク評価」の基盤の整備が不可欠である。食品に関連する健康被害の要因は多種多様であり、適正なリスク評価のためには、例えば、農薬・化学物質、食品添加物、遺伝子組み換え食品、抗生物質等のリスクに関する研究・調査が拡充され、組織化されねばならないし、日本国中だけでなく、世界中の研究成果を収集し・データベース化する体制も不可欠である。現在の日本にこのような条件があるとは思えない不完全なデータに基づく主観的リスク評価が安全のお墨付を与えることになれば、却って危険でさえある。

GMO(back)(遺伝子組み換え

モンサント:遺伝子組み換え小麦導入、延期の見通し
 
Delay Is Seen for Genetically Modified Wheat,The New York Times,7.31
 モンサント社は遺伝子組み換え(GM)小麦を2005年までに商品化するとしてきたが、この期限を延期すると発表。スポークスマンによれば、同社は、今年、ラウンドアップ・レディ小麦の承認を申請するが、関連産業が広く受け入れるようになるまで、導入を延期する。アメリカ小麦の最大の需要者である日本やEUの製粉業者はGM製品を望んでいないし、一部のアメリカ農民もGM小麦が他の小麦と混じり、輸出全般を損うことを恐れている。29日の米国小麦協会の会合で、大規模なイタリア小麦製粉業者のトップも、GM小麦が導入されれば、米国またはカナダの小麦の購入を停止すると演説している。

米国:オレゴンの有権者、遺伝子組み換え食品の表示要求で決定へ
 
Oregon voters to decide on required GM food labeling,World-Grain.com,7.30
 オレゴン州有権者は、11月5日、州が遺伝子を組み換えられたすべての食品及び食品添加物の表示を求めるべきかどうか決定することになろう。州担当官によれば、Oregon Concerned Citizens for Safe Foodsが州民投票を求める67,544の有効署名を集めた。表示要求はオレゴンの店舗とレストランで販売されるすべての食品だけでなく、州から運び出される食品にも適用される。オレゴン・ファーム・ビューローのスポークスマンは、「これは消費者の知る権利イニシアティブではない。反農業イニシアティブだ」と言っている。

ザンビア:遺伝子組み換え穀物を拒否
 
Zambia Rejects GM Grain,Sky news,7.30
 米国からの500万ドル相当の遺伝子組み換え(GM)トウモロコシが食べても安全と証明されるまでと保管されたままになっている。旱魃で国民は飢餓に瀕しており、南部では食料も水もなく死者が出始めている。しかし、大統領は「トウモロコシは国民に供する前に検査する必要がある。安全だと分かれば国民に配るが、もしそうでなければ、我々は毒物を食べるより飢える方がいい」と言う。

イギリス:GM作物、「一層の研究が必要」
 
GM crops 'need more research',BBCNews,7.26
 環境・食糧・農村問題省(DEFRA)の主席科学アドバイザー、GM作物のイギリスでの商業栽培の前に、なお研究が必要と語る。彼の主要な懸念は、GM作物が自然の種と交雑したときにあり得る影響が十分に分かっていないことにある。彼はイギリスでのGM作物商業栽培の一層の延期の必要性も示唆している。  
 BBCとの一問一答は、Q&A: GM and politics,BBCNews,7.26

世界食糧計画(WFP)、南部アフリカ食糧危機でGMOのジレンマ
 
WFP grapples with GMO dilemma in southern African food crisis,AFP,7.24
 WFPが、主として米国からの南部アフリカに対するGM食品援助が途上国の長期的影響への懸念からジレンマに陥りつつあると警告。WFPは、深刻な危機にある6ヵ国向けの100万トンを購入するために5億700万ドルが必要と訴えてきたが、今までにその5分の1を受け取ったにすぎない。途上国は、WFPが緊急援助で必要とするものの半分を供給してきた米国からのGMイエロー・メイズの受け入れをためらっている。これら諸国は、GM種子の播くことで、種子の遺伝系統が影響を受けるのを恐れている。WFP担当者は、米国はGMと非GMの分離をしなかったし、GMをどれほど含むかの検査も難しい、問題は供与国と受入国の間で解決されねばならないと言う。この担当者によれば、「我々には利用可能な食糧はある、彼らはそれを受け入れないと決定する、人々は死ぬ、これは道徳的ジレンマだ」。

ジンバブエに遺伝子組み換え穀物受け入れの要請
 
Zimbabwe urged to take GM grain,BBCNews,7.24
 米国国際開発庁(USAid)によれば、ジンバブエ政府が遺伝子組み換え作物(GMO)を含む食糧援助を拒み続ければ(⇒ジンバブエ:政府、米国食料援助を拒否(遺伝子組み換え品を理由に))、ジンバブエは飢餓に陥る可能性がある。BBCのレポーターによると、ジンバブエ国民は、GMOについてはほとんど何も知らずに、ただ食糧を求めている。しかし、政府が警告すれば、影響されるであろう。多くのくのジンバブエ周辺諸国の政府も、自国の作物が米国の食糧援助によりGMOに汚染されるのを恐れている。USAidは、GM食品をめぐる政府のスタンスが米国の供給できる食糧の量に制約を課しており、GMOを含まない大量の食糧はないと言う。また、GM食品は安全であり、「それは米国人が毎日食べているのと同じ食品だ」と強調している。

ブラジル:モンサントにGMコーン実験許可
 
Monsanto allowed to test GM corn in Brazil,Soyatech News,7.18
 ブラジル農業省がモンサント・グループのブラジルでの遺伝子組み換え(GM)コーンの実験を許可。グループは除草剤・グリホサート耐性品種の実験を望んでいる。実験が許可された総面積は15000u。

オーストラリア:モンサント、農民にGM作物のためのロビーを要請
 
Monsanto urges farms to lobby for GM crops,smh.com.au - The Sydney Morning Herald,7.15
 19日に迫ったパブリック・コメントの期限を前に、モンサント社が1000を越えるオーストラリア農民に書簡を送り、同社が申請しているGMカノーラのフィールド実験を許可するように連邦政府に働きかけるように要請。署名するだけでGMカノーラ支持を表明できる書式をが付されている。モンサントがこのような戦術を取るのは初めて。しかし、カノーラ農民の中には非GM作物汚染を恐れて、一層の研究がなされるまで、GMカノーラの導入のモラトリアムを要請する声がある。
 関連情報
 オーストラリア研究者、菜種の花粉は遠くまで飛散するが、受精率は微小と発表,02.7.4
 
オーストラリア:GMカノーラの商用栽培、初の許可、有機農業者が反発,02.6.24

フランス:政府、新たな8つのGMO屋外実験を許可
 
Le gouvernement autorise huit nouveaux essais OGM en plein champ,Le Monde Interactif,7.12
 711日、農水省が新たな8つの遺伝子組み換え作物(GMO)の屋外実験栽培の実施の許可を確認。ただし、今年は三つの実験だけが行なわれる。農民同盟を含む多くの組織が「根扱ぎ」キャンペーンによってGMOの屋外栽培に反対しているが、今年は、過去に承認された他の40の実験も行なわれる。
 関連情報
 
フランス:12団体、全市町村にGMO屋外実験・栽培禁止を要請,02.7.8

米国:ノース・ダコタ議員、小麦問題に取り組む
 
Legislators grapple with wheat issue,The Bismarck Tribune,7.11
 米国小麦産業のリーダーであるノースダコタのバイテク小麦栽培の一時的禁止提案を拒否した2001年議会によりバイテク作物の研究を託された農業委員会会合が待たれるなか、小麦を栽培するLinda Rauserは神経質になっている。彼女は、遺伝子組み換え(GM)小麦は海外の顧客とのビジネスを害すると考えている。モンサントは、2005年までにはラウンドアップ・レディGM小麦を商品化しようとしており、コストを減らし・雑草を抑制するラウンドアップ小麦をノースダコタが拒否する理由はないとする共和党議員もいる。アイオワ大学の農業経済学教授・Robert Wisnerは中心的リスクは国際市場がどう受け入れるかだと言うが、ノースダコタ州立大学のアグリビジネス・応用経済学教授・William Wilsonは、GM小麦に懸念を示すのは米国小麦のバイヤーの28%にすぎないと言う。ある者はGM小麦が栽培されれば、近隣の有機作物が汚染されると心配している。マニトバ大学の植物科学教授・Martin Entzは、ラウンドアップ・レディ小麦の花粉は20m遠くまで移動し、隣りの有機圃場を汚染する可能性があると言っている。

ロシア:米国コーンと大豆を送還か
 Russia may turn its back to US corn and soy exporters,RosBusinessConsulting Database,7.3
 ロシアは、今年101日から、米国のコーンと大豆の購入を停止するかもしれない。この日から、遺伝子組み換え(GM)製品の登録に関する法律が発効し、ロシア当局は公式に登録された製品だけに輸入を許すことになる。米国ではすべての穀物を同一のエレベーターに集めるから、どの穀物タイプが登録されるのか決定できない。

水産(back)(水産

食糧問題(back)(食糧問題

 

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