農業・農村・食料・食品:ニュースと論調

2002年8月

農業情報研究所(HOME)

農業・農村 食品・食品安全 GMO 水産 食糧問題

農業・農村一般 世界 途上国 アジア・オセアニア 北米 中南米 欧州・旧ソ連圏 中東・アフリカ)  

一般

途上国

アジア・オセアニア(back)(農業・農村・食料:アジア

フィリピン:農業省、コーン部門のための新部局を希望
 
Agriculture department wants new office for corn sector,INQ7.net ,8.30
 農業省がコーンのための新部局設置の行政令への調印を大統領に要請。政府は財政赤字削減のために支出削減、徴税改善に取り組んでいるが、コーン農民は、生産者価格の非常な低下を防止するために、最低価格設定を農業省と国家食糧庁に求めている。フィリピン・メイズ連盟は、s当たり最低7ペソの最低価格が設定されれば、農民の外国からの安価なコーン代替品と高い生産コストへの対応が助けられると言う。

タイ:大規模な砂糖補助金に警告
 
Warning on big sugar subsidy,Bangkok Post ,8.15
 ブラジルの供給過剰で砂糖価格は記録的に低下、来期も増産が予想され、政府は砂糖産業支援のために少なくとも86億バーツの補助金支出を余儀なくされそうである。2002-03年作物季のシュガーケーンの価格はせいぜいトン当たり450バーツと予想されるが、平均生産費はトン当たり585バーツである。砂糖価格安定のための砂糖基金は既に7億バーツの赤字が累積している。一つの解決策は砂糖の副産物としての糖蜜をガソリンに混ぜるアルコールに加工、自動車の代替燃料と使うことである。昨日、八つの企業にアルコール生産許可を与えるセレモニーが行なわれた。一社は今年11月に一日に2万5千リットルの生産を開始する。他の7社も来年には順次生産を開始、2004年には年生産量は4億9千500万トンに達する。余剰分は中国とヨーロッパに輸出、年に20億バーツを稼ぐ。

韓国:農民、環境に優しい農業に転換
 
Farmers Turn to Eco-Friendly Farming,Korea Times Homepage,8.9
 高品質で安全な農産物に対する消費者の人気の高まりから、環境保全的農民の数が急増している。農林省によると、今年前半、国家農産物品質管理局とその他の関連団体から環境保全的と認証を受けた農家は7千80にのぼり、前年同期の1.8倍となった。有機農業と最小限の農薬使用農家がこの認証を受けることができる。この期間、この種の野菜・果実・その他の作物の出荷量は昨年同期の2倍、5万6千トンに増えた。

北米(back)

米国:工場農場の災禍
 
The Curse of Factory Farms,The New York Times,8.30
 シエラ・クラブ(環境保護団体)が、多くは若干の最大規模農企業により所有される工場農場により引き起こされる環境破壊を生々しく描き出す報告書を発表。連邦政府は、最低限、大農民と小農民の戦いの「中立アンパイヤ」として働くべきだと言う。クリーン・ウォーター・アクトはもっと厳格に適用されねばならないし、オープン・スペース、生物多様性、清浄な空気への国民の希望に反する農業方法の奨励に納税者のカネを使ってはならない。不幸にも、政府はビッグ・ビジネスに重点を置いている。

米国:地域農民を支えよ
 
Support local farmers  ,Christian Science Monitor,8.19
 化学農薬・肥料の使用の拒否だけを基準とする有機食品は、消費者の人気の高まりとともにビッグ・ビジネスの対象となり、ますます企業化し、グローバル化する市場のなかで有機農業を生き残りの手段と見てきた家族小農民を市場から締め出しつつある。このなかで小農民はどうやって生き残るのか。回答は国中で現れつつある。この動きには様々な名称がつけられているが、要は地域で育てられ、加工された食品は地球環境にとっても、地域の土地・農民・コミュニティにとっても、「持続可能」ということである。また、それはより新鮮で健康的でもある。これをキーワードに、ポートランドでは、農民とシェフが協力、地域的・季節的で持続可能な食品ネットワークの創出を助けている。次の段階は、地域の食料品店舗での販売スペースを確保し、大企業製品や輸入品と地域産品の選択の可能性を与えることである。企業農業にない小農民の利点は消費者との結びつきである。この結びつきの構築は表示よりも重要だ。農民はコストのために(表示を許す)認証が得られなくても、かれらの食品を購入する人々に、自分が使う生産方法を説明できる。有機食品の企業化は、コミュニティと世界における持続可能な食料生産を追求しようとするならば、一層複雑な関係が必要であることに目覚めさせた。

米国:農業労働者組合法案でカリフォルニア指導者に危難
 
Farm Union Bill Holds Peril for California Leader,The New York Times,8.9
 1975年以来、428の企業で労働者が農業労働者連合(UFW)加盟を決めたが、賃金等待遇改善のための185の契約が調印されたにすぎない。連合は州政府に助けを求め、今日、議会は、政府に、連合加盟労働者が契約を獲得するための強制仲裁を利用できるようにする法案を送った。しかし、企業側は、仲裁を通して強制された契約はビジネスを破綻させると法案に反対している。この法案は、再選をめざす民主党・デイヴィス知事にとって大問題をなす。法案に調印すれば、彼が支持を募ってきた生産者・ビジネスグループの支持を失うことになる。拒否すれば、組織労働者やヒスパニック・グループのなかの長期にわたる同盟者を怒らせることになる。今までのところ、知事は手の内を見せていない。

中南米

欧州・旧ソ連圏(back)(農業・農村・食料:欧州

フランス:国土経営契約(CTE)を中断、費用が高すぎる
 
Trop coûteux, les Contrats territoriaux d'exploitation sont suspendus,lesechos.fr,8.27
 1999年農業基本法で生産至上主義の影響を抑えるために作られた手段である国土経営契約(CTE)を賄う予算はないと、新農相が中断させた。86日以来、申請は一件も審査されていない。既契約分には支払うという。

アイルランド:農民、会合での威嚇で告発される
 
Farmers are accused of intimidation at meeting,ireland.com ,7.31
 アイルランド穀物協会の会合にアイルランド農民協会(IFA)のメンバー150人が乱入、穀物価格下落と下落を引き起こす輸入に抗議。農民は、安い穀物の輸入業者は自ら名乗り出よ、配合飼料業者と輸入業者は農民をビジネスから追い出そうとしている、現在の価格レベルが続けば10年以内に国内穀物農民は消えてしまう、配合飼料業者は飼料に感染肉骨粉を含ませてBSEをもたらしたなどと口々に抗議。

イギリス:有機農業のジレンマ
 
Organic dilemmas,Guardian Unlimited,7,30
 安全で環境にやさしいのと評判の有機農業に対する公衆の期待に応えることには、補助金なしでどのようにこれを奨励するのかというジレンマがある。政府はこのジレンマを解決する方法はないとカネを出すことに決めた((速報)イギリス:有機農業発展のためのアクション・プラン発表,02.7.30)。理由は、もっと大きな補助を受け、基準も緩やかな他のEU諸国と対抗できず、イギリス有機農民が損失を蒙っているということだ(イギリス:有機農業は危機にーNFU調査,02.7.30)。しかし、真の問題は有機農民が少なすぎることだ。有機農民の数がちょっと増えるだけで、価格は大きく下落する。最近、有機ミルクの洪水で価格が大幅に下がり、農民所得が減少した。イギリス産品を増やすというスーパーの約束は歓迎できるが、それで問題が解決するわけではない。農業補助金が機能することは滅多にない。環境プログラムへの直接援助が増える傾向にあるが、農民がこうしたプログラムに支払をうけるべきかどうかは疑問である。環境利益は汚染者負担によってより良く獲得できる。補助金は、需要や環境効果とは無関係に、農民の稼ぎを最大にするのに使われることになる。農業は重要だが、農民ではなく、消費者の利益を第一とすることが重要だ。

中東・アフリカ

食品・食品安全(back)(食品安全

中国:野菜の安全性チェックを強化
 
China beefing up checks on vegetable safety,chinadaily.com,8.7
 江蘇省と上海の地方政府のが野菜の栽培・加工・流通・販売の全過程で安全性を確保するための監視を行なっている。江蘇省鎮江は、毎年60万ドルを投じて、土壌・水・大気を検査し、化学肥料・農薬使用を制限し、有機肥料と汚染のない防除を促進することに重点をおく安全な野菜生産基地を建設し、拡大させている。農場と市場に残留検査装置を設置、生産から販売までの全過程でのチェックも強化、昨年は1億sの野菜のうち、90%以上が検査を受けた。上海でも、185の小売センターと卸売り市場でチェックを行なっており、今年は農産物の品質監視に24万ドルを投じる。菜園の環境全体の検査が進行しており、事故原因をトレースするために農薬と化学肥料の使用記録を保存を全農家に要求した。産地と市場での農薬検査装置の購入を増やし、野菜の検査網の構築も加速させた。今年5月から7月までに、検査をパスした野菜は、96年同期に比べて30%増え、95%になった。

オランダ:ホルモンへの危惧、豚5万頭の都殺へ
 
Hormone fear forces Dutch slaughter,BBCNews,8.6
 違法成長ホルモンによる汚染のリスクで(EU:ソフトドリンクと豚飼料に禁止ホルモン,02.7.16;EU:さらに数千のオランダ農場、汚染飼料騒動に巻き込まれる;欧州配合飼料メーカー団体(FEFAC)、フード・チェーン全体を貫く不正防止ルールを要請)、オランダ農民が5万頭の豚の屠殺を開始。オランダのすべての養豚農場は先月の汚染発見以来閉鎖されており、当局はリスクのある農場を37に絞って、これら農場の豚を屠殺することにした。屠殺には10日かかる。コストは800万ユーロ(1ユーロ120円として、9億6千万円)と見積もられているが、農業者団体は、田園地域閉鎖の損害を考えると数千万ユーロ、場合によっては1億ユーロに達するだろうと言う。関係企業に補償を求めることになるかもしれない。

GMO(back)(遺伝子組み換え

遺伝子組み換え作物(GMO)、南アフリカを制圧
 
Les OGM font la conquête de l'Afrique australe,Le Monde Interactif,8.29
 他のいかなる選択肢もない緊急事態に直面して、モザンビーク、マラウィ、ジンバブエ、レソト、スワジランドは米国からの遺伝子組み換えトウモロコシ援助を受け入れた。いまや拒否を貫くのザンビアだけとなった。米国人は、この食べ物はジョージ・ブッシュもコーリン・パウエルが食べているものと同じものだとザンビア当局説得を試みている。ヨーロッパの環境保護団体は米国の圧力を非難し、多数のNGOが持続可能な発展世界サミットに集まった役人に米国のGMOプロパガンダを止めさせるように訴えている。ノルウェー遺伝学研究所のTerlje Traavik教授は、「食糧援助は米国人がGMOを売りさばくための手段の一つである。これはアフリカ征服のための悪魔的計画だ」と推測、「私は遺伝子組み換え反対論者ではなく、それはわが研究所の科学的保証研究の対象である。私が言えるのは、、GMOが健康と環境に危険がないと証明できないかぎり、予防原則を適用しなければならないということだけだ」と言う。GMOを擁護する南アフリカの圧力団体、AfricaBioのメンバーは「予防原則は我々の文化とはまった無縁なものだ。・・・我々の文化は挑戦に応じることであり、予防措置を取ることではない」と応酬する。
 関連情報
 ⇒世銀:農業科学のリスクと機会を探る国際協議プロセスを始動
 
関連報道
 
Between Famine and Politics, Zambians Starve,The New York Times,8.30
 US presses Africa to take GM foods,Guardian Unlimited,8.30
 Zambian government sparks anger by refusing to feed GM grain to the starving,Independent,8.30

 世銀:遺伝子組み換え食品をめぐるデッドロック打開の試み
 
Bid to break deadlock over GM food,FT com,8.28
 ⇒世銀:農業科学のリスクと機会を探る国際協議プロセスを始動

米国、食品安全でザンビアを助けると提案
 
U.S. Offers to Help Zambia With Safe Food,The New York Times,8.29
 今日、米国は遺伝子組み換え(GM)穀物の安全性の評価でザンビアを助けると提案した。早急な援助が得られないと250万のザンビア人が飢餓に瀕するとされている。しかし、ザンビア政府はGM食品の健康リスクを心配しており、また農民がGM穀物を播種し、作物を汚染し、GM作物に関する規制をもつ国々への輸出を脅かすかもしれないと恐れている。米国政府は、科学者がGM食品を研究できるように、ザンビアが自身のバイオテクノロジー施設を設置することを助けると提案した。また、米国の科学者により収集されたデータも提供する。
 関連情報
 南部アフリカ:飢餓と遺伝子組み換え食糧援助の狭間で,02.8.29

タイ:CP(タイ最大の企業グループ)、GM花卉を日本に輸出か
 
CP may ship GM flowers to Japanese,Bangkok Post ,8.28
 CPグループの会長が、昨日、日本で、栽培に化学物質が不要なGM花卉を日本市場に販売する可能性を探ることを計画していると発表。日本ではバイオテクノロジーに敏感であるから、販売計画策定前に日本の当局と論議する。
 

カナダ:遺伝子組み換え食品は安全、連邦グループ
 
Modified foods are safe: federal group,CBC News,8.26
 栄養学者、科学者、ビジネス専門家で構成される連邦諮問委員会がGM食品は人間の健康へのリスクはないとし、強制表示を思いとどまり、任意表示を導入するように勧告。最終報告書によると、連邦政府は明確な表示ガイドラインを作り、5年間にわたり状況を監視すべきである。もし任意システムが機能しなければ、強制化も考えねばならない。消費者がGMなし製品購入を選択できるように情報を与えるのは好ましいことである。また、政府はGM製品の長期的影響について楽観的であってはならないとも警告している。

米国−EU:ブッシュ、GM作物でEUいじめ
 
Bush baits Brussels over GM crops,Independent,8.25
 米国政府はEUにGM作物に対する厳しい態度を止めさせるべく、貿易戦争を開始する。米国通商代表・ロバート・ゼーリックがEUのGM作物輸入モラトリアムと作物実験は貿易制限だと主張してWTO提訴を準備中。これはGM作物開発の中枢に位置するモンサント・グループに後押しされている。

マレーシア:GM食品試験所、産業の主張のチェックへ
 GM food lab to check claims by industry,New Straits Times,8.24
 6月に始動した試験所が保健省から送られた食品サンプル中のGM物質の検出とその量を調べる試験を開始。当面は保健省へのサービスであるが、将来は民間部門にもサービスする。試験所は現在策定中の二つの法律の執行を助けることになる。一つは、GM食品の使用の規制と監視のための科学・技術・環境省による「バイオセイフティ・アクト」であり、もう一つはすべてのGM食品に表示を義務づける「フード・アクト」の新規制である。バイオテクノロジーとGM食品に対する国民の関心は高まっており、表示は重要になる。

メキシコ:遺伝子組み換え体(GMO)に投資
 
Mexico invests in genetically modified organisms,Soyatech News,8.23
 メキシコ政府は農業バイオテクノロジー分野、特に食糧・医薬品分野での研究・開発に年3億ドルを投資する。国には800人のバイオテクノロジストがおり、うち100人がGMO専門家である。Savia社はGM種子の世界の主要生産者の一つであり、Cinvestav社は、特にコーン、小麦の品種を開発してきた。メキシコは、GMOを生産するだけでなく、輸入もしており、米国からの総輸入量は400万トンになる。

モンサント、移行期に
 
Monsanto enter a time of transition,Financial Times,8.19,p.17
 
Financial Timesとの会見で、バイテク・グループのモンサントがGM作物関連事業の拡大路線からの後退の方針を明かにした。GM作物への反発が強く、前進が期待できないために、ヨーロッパやブラジルでのGM作物承認は2005年まで断念する。収益の45%を生み出すラウンドアップ除草剤についても、安価で販売する競争者の出現で売上も利益も低下していることから事業を見直す。
 (注)モンサントは、最近、安い中国製品との競争により、ラウンドアップ・レディ除草剤のオーストラリア工場を閉鎖している。

イギリス:ミーチャー(環境担当相)、GMをめぐる米国の圧力を攻撃
 
Meacher attacks US 'pressure' over GM,Independent,8.19
 ミーチャー環境担当相、イギリスがGM作物の商用栽培を承認するように圧力を受けていると認めた。しかし、彼自身はGM作物の利益に「懐疑的」であり、アメリカ人によって行動は縛られないと強調。GM作物栽培への地ならしが進んでいるが、国民は、商用栽培に進む前にGM作物の影響に関するすべての証拠を見ることができると言う。
 (注)GM作物については、ブレア首相などが積極的推進を主張する一方、ミーチャー等が慎重姿勢を崩さないなど、イギリス閣僚内に深刻な対立がある。

イギリス:GM作物実験、またも指針に違反ー刈り株から発芽した菜種が開花
 
More GM crop trials break test guidelines,Independent,8.18
 実験菜種に抗生物質耐性遺伝子が含まれていたという違反が発覚したばかりなのに、またも危険な実験が見逃されていたことが発覚した。収穫したGM菜種の刈り株が昨秋に発芽、11月に開花して花粉を撒き散らしていたのに監視官も開発企業も、近くの農民が「地球の友」に知らせるまで気付かなかった。菜種を再開花させないというのは実験の条件であるが、これは収穫作物の種からの新植物の開花の危険を対象とするもので、菜種の再発芽は想定外のものであった。しかし、この事件は企業と監視官への信頼をさらに失わせ、実験自体に疑問を投げかける。「地球の友」は、実験も適切に運営できないのに、商用作物の適切な栽培がどうして確保できるのかと言っている。

ザンビア:GM食糧援助を拒否
 
Zambia declines GM food aid for its starving,FT com,8.18
 昨年の大洪水と20%のエイズウィルス感染率で食糧生産能力を削がれ、175万人が飢餓に直面しているザンビアが、遺伝子組み換え(GM)食品の長期的影響に関する科学的アドバイスを考慮した結果、食糧援助として送られたGMトウモロコシの受け入れを拒否すると発表。これで、ジンバブエ、モザンビークに続き、飢餓に瀕する三カ国がGMトウモロコシの受け入れを拒んだことになる。スワジランド、レソト、マラウィは受け入れた。これらの国は、GM製品の受け入れにより、地域やEUのような国際市場への農産物・家畜の輸出能力が落ちるのを恐れている。また、米国がGMトウモロコシを国際的に受け入れさせるために放出していると疑っている。国連世界食糧計画(WFP)は、これらのトウモロコシは多くの人が食べて悪影響が出ていないのだから、安全性を疑う科学的根拠はないが、輸入品が種として播かれるかもしれないという心配は、ある程度正当なものだと言う。

南アフリカ:地球サミットを前に最初の人間消費用GMトウモロコシ収穫
 
S.Africa harvests first GM maize for humans in run-up to Earth Summit,AFP,8.19
 1998年以来、主として家畜飼料用に遺伝子組み換え(GM)イエロー・メイズが栽培されてきたが、10万haの人間消費用GMホワイト・メイズを初めて収穫。イエロー・メイズも一部はコーン・フレークとして既に人間消費に回されていたが、生産者は地球サミットの影響でGM食品の地域消費者のリスクへの関心が高まるのを恐れている。日本、EU向けのものは分離栽培されているが、通常は非GM品との分別はまったく実行されておらず、非GM作物から1km離すという規制も現場では守られていないために、市場を失う恐れがある。ナミビアのような近隣諸国も肉をEUに輸出しているから南アのトウモロコシを買わなくなるであろう。現地反GM組織はGMメイズ栽培の5年間のモラトリアムを要求している。

米国:環境保護庁(EPA)、遺伝子組み換え作物実験で2社を罰金処分へ
 
E.P.A. May Fine 2 Companies Over Tests of Engineered Corn,The New York Times,8.14
 環境保護庁(EPA)は、先週、遺伝子組み換え(GM)作物開発2社に対し、栽培実験が他の作物との交雑を防止するための適切な措置を欠いているという書簡を送った。EPAスポークスマンによれば、改善措置が取られないかぎり、5,500ドルまでの罰金を科すことになるという。実験はハワイで行なわれているもので、パイオニア・ハイブレッド・インタナショナル社はGMコーン栽培地が他の作物に近すぎ、実験地は承認されていない。もう一社、ダウ・アグロサイエンスは、実験圃場周辺に花粉拡散を防ぐための植樹をしておらず、緩衝帯として間違った種類の非GMコーンを植えている。書簡の内容は、ワシントンの「公益科学センター」が情報公開法に基づく請求によって入手した。この団体はバイオテクノロジー作物に反対はしていないが、もっと強力な規制を望んでいる。

ザンビア:世界食糧計画(WFP)、遺伝子組み換え食品を受け入れるかどうか決定を迫る
 
WFP Urges Government to Decide Whether to Accept GM Food,allAfrica.com,8.13
 WFPがザンビア政府に食糧援助の遺伝子組み換えトウモロコシを受け入れるのかどうか早期に決定するように要求。ザンビア政府は遺伝子組み換え食品が有害であるかもしれないと心配している。

EUと米国の製粉業者、遺伝子組み換え小麦に警告
 
E.U., U.S. millers warn against GM wheat at meeting,World-Grain.com,8.12
 今月初めサマー・ミーティング会合で、ヨーロッパと米国の中心的製粉業者が米国小麦協会理事会に対して遺伝子組み換え小麦は買わないと明確なメッセージを送った。豊かで安価な代替供給源があり、遺伝子組み換えに反対する強力な世論がある以上、ほかに選択肢はない、と。

ジンバブエ:遺伝子操作コーン紛争終結
 
Zimbabwe Ends Altered-Corn Dispute,The Washington Post,8.10
 ジンバブエ政府が遺伝子組み換え(GM)コーンが含まれる恐れから援助コーンの受け入れを拒んでいた問題が落着。国連世界食糧計画(WFP)がジンバブエ政府に米国援助コーンを引き渡し(粉にして国民に配布)、その代わりにジンバブエ政府が同量の国内備蓄コーンを国連機関に引渡す。WFPは、これを食糧援助計画の下で配分するという。米国国際開発庁、WFP、ジンバブエ穀物ボードの間で合意された。南部アフリカ外交筋は、ジンバブエがそのような備蓄をもっているかどうか知らないが、最も援助を必要としている市民にコーンを与えるという最低限の目標は達成されようと言う。

モザンビーク:首相、援助トウモロコシ、配分前に粉に
 
Mozambique to mill donated maize before delivery: PM,xinhuanet,8.7
 首相が食糧援助として国に送られたすべての遺伝子組み換え(GM)トーモロコシは、国民に配分される前に製粉されねばならないと語る。農民が誤って種子として使う恐れがあるためという。首相は、GMトウモロコシを使う習慣を作りたくない、一旦使えば使いつづけねばならなくなるが、それは農民の権利を奪い、貧困化の手段になると言う。

フランス:輸入トウモロコシ種子の分析で遺伝子組み換え体検出
 
Traces d'OGM dans des analyses de semences de maïs importées,AFP,8.7
 フランス農水省・食料総局(DGAL)による検査で、遺伝子組み換え(GM)の表示のない輸入トウモロコシ種子のサンプルの4分の1から遺伝子組み換え体(GMO)が検出された。DGALは2月から4月までの間に447のサンプルを検査、5ヵ国(米国、ハンガリー、チリ、南アフリカ、トルコ)の109のサンプルからGMOを検出、うち二つのサンプルでは0.5%を超えた。20017月、競争・消費・不正防止総局(DGCCRF)が「古典的」種子の多数のサンプルにOGMを検出、フランス食品安全機関(AFSSA)は保健上のリスクはないが、これらGMOがどこから来たかを研究し、これが一般化しているとすれば、あり得るリスクを評価し、この新たな状況のもとでGMOが含まれるべき上限の決定のためにそのデータを考慮に入れねばならないと勧告していた。現在、欧州委員会は0.5%を提案しており、DGALはこれを超えたチリの二つの荷を除く種子の販売を許したが、グリーンピース・フランスは現在の検出限界の0.1%までこの基準を引き下げるように要求している。この基準でも、有機農業は成り立たなくなる。しかし、DGALは、世界の種子生産の現状では、GMOがまったく含まれない種子の確保は難しいと言う。

ジンバブエ:遺伝子改変阻止を継続
 
Zimbabwe Continues to Block Gene-Altered ,The Washington Post,8.3
 ムガベ大統領が製粉されていないかぎり、遺伝子組み換えコーンの受け入れはしたくないと語る。そうでなければ農民が種として播き、国の作物が汚染され、将来、欧州への輸出ができなくなるという。製粉の費用を誰が負担するのか、問題は解決していない。

ジンバブエ・米国緊急食糧援助紛争が決着
 
U.S. Zimbabwe Emergency Food Dispute Settled,allAfrica.com,7.31
 ジンバブエが米国からの緊急食糧援助のコーンが遺伝子組み換え品であることを理由に受け入れを拒否していた問題が決着した。ジンバブエ政府が恐れていたのは、援助コーンが農民によって種として撒かれ、遺伝子汚染が生じること、特許権により自家採取の種の貯蔵が禁止されることであった。ジンバブエ政府は、コーンが粉として入って来るか、国内に入ったあとに製粉されることを条件に受け入れることになった。

水産(back)(水産

ヨハネスブルグ:代表者、過剰漁獲防止協定で最初の大成功
 
Delegates kand their first big success with deal to prevent over-fishing,Financial Times,8.28,p.6
 昨日、持続可能な発展に関する世界サミット(WSSD)で国際水域での過剰漁獲を防止し、存続を脅かされている種を回復させるための合意に達した。協定は、各国が漁獲を持続可能なレベルに制限し、2015年までに減少した資源を回復させることを約束するものである。協定はサミットの最終的行動計画文書に含まれることになる。EUは、資源回復が「可能な場所で」という文言を入れることで、反対する米国の合意を勝ち取った。このカテゴリーには世界漁業資源の60%ほどが含まれる。米国はカナダ東岸のタラなどは回復不能としている。米国との妥協を余儀なくされたとはいえ、EUは目標期限が設定されたこともあり、過剰漁獲防止に向けての大きな前進と言っている。ただし、EU自身、漁業と共通漁業政策の改革に向けての困難の緊急の克服を迫られている。

中国:30万漁民を他職業に転換
 
China to transfer 300,000 fishermen to other jobs,china daily,8.19
 農業部が、日本・韓国・ベトナムとの間で過去2年間に調印された漁業協定実施のために、少なくとも30万の漁業者を他職業に転換させると発表。減船のために2億7千万元(3千250万ドル)を払う。協定により中国漁業水域は狭まり、多数の漁業者が伝統的魚場から引き揚げねばならなくなっている。漁業局担当官によれば、中国は漁獲過剰と汚染による資源減少により、協定調印前から漁船規模を縮小させてきた。20年前の漁船数は2000年の4倍であった。しかし、今後5年間で毎年6千隻を操業から引き揚げ、毎年6万の沖合漁業者を他の職業に転換させる。
 

カナダ:ブリティッシュ・コロンビアの養殖漁業、デモを誘発
 
B.C. fish-farm policy sparks demonstration,The Globe and Mail,7.20
 環境保護グループと先住民が、環境上・科学的理由のために州の前政府が1995年に課した新たな鮭養殖場のモラトリアムを解こうとするリベラル政府の方針に抗議、議事堂の床に腐りかかった鮭をぶちまけた。環境保護グループは、養殖漁業者は多量のわけの分からない飼料・農薬・抗生物質を沿岸水域にばら撒いていると言い、先住民リーダーは、かれらのコミュニティ近くの養殖場で鮭が腐る光景や悪臭に曝されていると言う。しかし、州農業・食料・漁業副大臣は、養殖漁業は少なくとも年に10%の成長の余地があると言う。また、鮭養殖協会は、養殖漁業の利益は環境リスクを凌ぐと言う。協会によれば、ブリティッシュ・コロンビアの鮭養殖は年に20億ドルから40億ドルを稼ぎ出す。

食糧問題(back)(食糧問題

ASEAN:コメ共同市場を追求
 
ASEAN seeks collective rice market,xinhuanet,8.6
 6日、バリで開催された第23ASEAN食糧安全保障備蓄ボードの会合で、東南アジアのコメ共同市場に関する問題が取り上げられた。フィリピン食糧機関のAnthony Abadは、共同市場はASEAN諸国間の有害な競争を防ぐと言う。ASEANにとって、コメは欧州共同体における小麦やチーズのような基本商品であり、コメ共同市場は非常に重要である。インドネシア国家ロジスティック・エイジェンシーのMulyo Sidikは、共同市場はASEAN諸国の協力と連帯を強化し、加えて食料・農産物における先進諸国の競争への対抗力を強めると言う。彼によれば、昨年、3億8千万の人口をもつASEAN全体のコメ生産は9,370万トンに達したが、コメ消費は8,760万トンで、地域全体の在庫は87万トンにすぎない。会合は、毎年の在庫を150万トンまで増やすことに合意した。

エチオピア:新たな干ばつ、さらに200万人の食糧が不足
 
WFP News Release:ETHIOPIA FACES A NEW DROUGHT, AN ADDITIONAL TWO MILLION PEOPLE AFFECTED BY SERIOUS FOOD SHORTAGES,8.2
 2日、世界食糧計画(WFP)は、エチオピア東部・北部・南部で、例外的な干ばつ気象のために、数百万の農民と放牧者が食糧不足に陥っていると警告。既に月平均200万人が今年後半に食糧援助を必要とすると確認されているが、今後も降雨は期待できす、さらに200万人に対する援助が必要になろう。

マラウィ:農業改革が食糧安全保障を損ねる
 
Agriculture Reforms Hurt Food SecurityUN Integrated Regional Information Networks,allAfrica.com,8.1
 国際食糧政策研究所(IFPRI)の新たなレポートによると、マラウィの現在の食糧危機は干ばつだけでなく、世銀やIMFを含む援助機関が政府に強要した市場指向的農業改革の結果でもある。これら機関は、結果として生じるギャップを埋めるのに十分な民間セクターの出現を保証することなく、政府が食糧の生産と流通において演じる役割を減らすように要請した。その結果、政府も民間セクターも必要なものを提供できなくなっている。2年間にわたって1400人の農民やトレーダーを調査したGebre-Madhinは、危機のルーツはIMFと世銀に命じられてマラウィが採用した改革に帰せられると言う。利用できる種子と肥料は増えたが、それを購入するための信用へのアクセスは小規模農民にはほとんど不可能であり、農村道路事情の悪化により輸送コストは非常に高い。コマラウィ国内の一方の端から他方の端まで輸送するよりも、カンサスから船で運ぶほうが安上がりになっている。国家商品ボードの閉鎖の結果現れた民間企業とトレーダーは余りに小さく、弱体で現在の干ばつのような衝撃に対処するために必要なサービスもインフラストラクチャーも提供できない。さらに、援助供与者は、1990年代を通じて、農村開発、特に道路・輸送ネットワーク・農業研究・普及のために資金を減らしてきた。例えば、世銀の農業向け貸付けは、過去20年で、40%から7%に減った。FAOの同国代表者は、現在の危機を繰り返さないためには、土地・水管理慣行のオーバーホールと耐乾性作物の利用が必要だと言っている。

 

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