農業・農村・食料・食品:ニュースと論調

2003年5月

農業情報研究所(HOME)

農業・農村 食品・食品安全 GMO 狂牛病 水産 食糧問題

農業・農村一般 農業と環境 有機農業 途上国 アジア・オセアニア 北米 中南米 欧州・旧ソ連圏 中東・アフリカ)  

世界・一般

農業と環境

米国:提案は家畜農場汚染ルールを緩和する恐れ
Proposal Would Ease Rules of Livestock Farm Pollution,The New York Times,5.6
環境保護庁(EPA)は大気汚染防止法とスーパーファンド法を免除することを大規模家畜農場と密室交渉していると関係者が明かした。EPA担当官と産業に流れている計画では、EPAはこれら環境法を執行する代わりに、30または大規模な養豚・養鶏事業で汚染レベルを監視するという。環境団体とEPAの前執行官は、EPAが既に多くの農場に大気汚染の監視を命じる権限を持っていることを考えると、計画は寛大にすぎると批判している。州及び連邦の当局は、数千以上の家畜を囲う工業的農場からの水質汚染を長い間規制してきた。しかし、これら農場からの大気汚染は、国中の農村コミュニティーがこれら農場から出る悪臭と糞便の塵に不平を述べ、過去数年の論争の種となってきた。EPAと産業団体は交渉を確認したが、最終合意には至っていないと言う。
関連情報
米国:環境団体、農場排出ルールで環境保護庁(EPA)に挑戦(03.3)

有機農業

途上国

コーヒー危機をG8サミットのトップ議題に
Coffee crisis tops summit agenda,BBCNews,5.19
多くのコーヒー農民が30年来の価格低下で飢餓の淵にある。特にベトナムがアフリカとラテン・アメリカの伝統的コーヒー生産国に加わって以来の[ベトナムの増産の背後にはIMFや世銀の後押しがあるといわれるーWAPIC注]過剰生産と低品質のコーヒーの増加が価格下落の主因とされている。しかし、最善の解決法については意見が対立したままである。Oxfamの運動を率いるフィル・ブルーマーは、「コーヒーに依存する2千500万の人々を助ける機会を失ってはならない」、「Oxfam20029月にコーヒー農民を助けるキャンペーンを始めてから、世界中の多くの政府が支持とコミットメントのメッセ−ジを送り、多くの議論と善意が生まれたが、具体的行動は見られない」と言う。Oxfamは、コーヒーと商品のためのグローバル・アライアンス(GLACC)とともに、6月のフランスでのG8サミットに対し、コーヒーと商品に関する独立委員会を提案するための会合を要請している。ブルーマーは、「巨大コーヒー企業の利益が急増する一方で、コーヒー市場は、どうして貧者がコーヒー栽培の資金も失うほどに不正に操作できるのか」、「コーヒー貿易を公正にすることは、グローバリゼーションが富者とともに貧者のためにも働くことができるのかどうかを問う試金石である」と付言する。欧州委員会は、コーヒー栽培者が他の作物に多角化するの助ける特別基金の要請を繰り返すと予想される。世銀と共同で本日のロンドンでの特別会合を組織した国際コーヒー機関(ICO)は、価格を上昇させるために生産基準を引き上げることを望んでいる。そのスポークスマンは、ICOが低質コーヒーの5%から8%を輸出市場から除去することを望んでいると言う。ICO理事長は、政府・議会・産業・市民の代表が結集することで何が問題なのかだけでなく、どのように問題を解決できるか確認できると言う。世銀の農業・農村開発ディレクターは、短期的には低価格の影響に取り組むことが重要だが、同時に長期的なコーヒー価格の下落のトレンドとこのトレンドから生じる周期的ショックに取り組む代替方法を発見する必要があると言う。彼は、豊かな国の農業補助金と保護主義が多角化の選択と「高付加価値化」を制約しているとも言う。
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イギリス:フェアトレード商品販売、3年間で倍増,03.3.7
安価なコーヒー、農民と野生動物を脅かす,03.4.30
コーヒー価格下落で多角化を模索(国際コーヒー機関),02.5.21

投稿:貿易業者はコーヒー危機解決で自身の役割を演じる必要
Traders need to play their part in solving cofee crisisIan Bretman,Deputy Director,The Fair Trade Foundation,Financial Times,5.19,p.12
14日の記事'Cofee's crisis stirs traders to take action'が与えるちょっとした喜びは、協定が農民への最低価格を保証するものでないことで、絶望に変わってしまう。生産者価格を改善するより良質のコーヒーの市場の建設を助けるというイニシアティブは歓迎するが、「フェアトレード」が過去10年にわたって実証してきたように、農民が品質改善と長期的な持続可能性の開発に必要な投資ができるのは、このようなプログラムに公正な価格を組み込むことによってのみである。我々は消費者がこれに支払う用意があることも立証してきたのであり、フェアトレードのコーヒーはイギリス市場の14%を占めるまでになっている。フェアトレードをキャンペーンするのはNGOではなく、消費者である。コーヒー農民の災厄を救済するための真の行動は、貿易業者も同様に振舞うことを要請する。
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不公正貿易の風
Unfair trade winds,Guardian Unlimited,5.17
ほぼ1年前、ウォル・マートは、いくつかの国の店舗にバナナを供給するための最大規模の流通業者との契約交渉をしていた。ラテンアメリカから調達するデルモンテが、その規模によってウォル・マートの値下げを可能にする協定を勝ち取った。バナナの価格は昨年8月のキロ当たり1.08£から3月末には81ペンスに下がった。バナナは小売業者の最大の販売品目であり、最も儲かる品目である。他の業者も値下げに追随するほかない。農薬もほとんどなく家族農場でバナナを生産するウインドワード(西インド)諸島は競争できない。そのバナナが店舗から消え始め、数千の小農家の生計を脅かしている。1990年代末までに、世界のバナナ貿易の四分の三は五つの会社ぼ手に落ちた。1990年から2000年の間に、ウインドワード諸島からのバナナ輸出は3億8千700万ドルから1億6千100万ドルにまで減った。100大多国籍企業の外国販売額が世界貿易額の四分の一を占める。しかも、全貿易の三分の二ほどが企業内で生じるものである。「これは必ずしも競争がないことを意味しない。しかし、小規模で、分散した生産者は一握りの企業バイヤーと競争できないことを意味する」。Oxfamの最近のリポート・’Rigged Rules and Double Standards”はそう指摘する。彼らは、カリブの熱帯果実生産者であれ、イギリスのリンゴ生産者であれ、常に敗者である。・・・
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コーヒー危機、貿易業者を行動に駆り立てる
Cofee's crisis stirs traders to take action,Financial Times,5.14,p.8
歴史的な価格下落で、メキシコのコーヒー生産者は施肥・作付・収穫を減らしている。コスタリカの農民は他の作物に転換している。収益のないコーヒー畑が焼かれ、グアテマラの空は黒になった。ベトナムやブラジルの生産者からのコーヒー豆の洪水が価格の歴史的下落を生み出し、農場労働者を貧困化させ、中米経済に大打撃を与えている。しかし、ヨーロッパや米国では、価格が生産コストをカバーできないときには、長期的には高品質のコーヒーの供給が損なわれるという懸念も広がっている。この問題に対処するために、世界のコーヒー輸出の25%を扱う世界最大のブローカーであるNeumannVolcafeが、ニューヨークに本拠を置く雨林アライアンスと、環境・基本的社会基準に合致する「持続可能なコーヒー」の生産を促進する協定に調印した。ブローカーは、交渉を通じて持続可能なコーヒー市場の建設を試みることを約束し、世界のコーヒーの半分を購入するネスレ、クラフト等の世界五大業者への販売の可能性を開く。「持続可能」の具体的基準の作成はこれからだし、「フェア・トレード」コーヒーのような最低価格保証もない。持続可能なコーヒーの市場の創出には何十年かかかろうし、消費者にはプレミアムを払うことが要求される。協定が出発点となるかどうか、それがどう実施されるかにかかっている。
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アジア・オセアニア(back)(農業・農村・食料:アジア

フィリピン:ボホールの干ばつで作物2億5千万ペソ分の損害
P250M in crops destroyed by drought in Bohol,INQ7.net ,5.21
天候の影響を最も受けないと予想されたボホール州で、エル・ニーニョが作物に少なくとも2億5千万ペソの損害を与えた。コメの損害が最大で2億3千300万ペソ、コーン、キャッサバにも被害。

韓国:農民負債、この30年で初の減少
Farmers' Debts Drop for 1st Time in Three Decades,The Korea Tmes,5.20
国家統計局(NSO)の発表によると、2002年の農家平均負債が1971年以来始めて前年を下回った(2.3%)。しかし、農業部門の条件が改善されたからではなく、設備投資が大きく減ったこと、また債務履行のための借入れと生計費支出も減ったことが原因である。農家平均所得は非農業活動と非経済活動からの収入の増加により、前年を上回った。専業農家は67.7%を占め、その平均所得は年に2080万ウォンで、農業を主とする兼業農家(10.9%)の3010万ウォン、農業を従とする兼業農家(21.8%)の2940万ウォンよりかなり少ない。労働力の高齢化も進んでおり、農家世帯主の37.4%が60歳以上、50歳代と70歳代がそれぞれ23.3%、19.4%で、40歳代は15.8%、30歳代は3.9%にすぎない。最も所得が多いのは50歳代の農民で(平均2950ウォン)、70歳代(1450ウォン)の倍である。40歳代2930ウォン、30歳代2220ウォン、60歳代2200ウォンと続く。

北米(back)

農場減少のなか、女性の農場が増加の趨勢
Down on the Farm, An Up Trend for Women,The Washington Post,5.20
農場、特に男性農場が劇的に減少するなか、女性が運営する農場が数少ない農業成長の趨勢の一つとなっている。女性は小農場の最大で、最も急速に増加する購入者となっており、一部の連邦農業専門家は、今後20年の間に米国農地の過半が女性により所有され、その農場の多くが女性によって運営されることになると予想している。妻が夫に代わって農場の仕事を取り仕切るようになった、女性が両親から農場を受け継いだ、農村での独立の夢を追ってキャリア・ウーマンが土地を購入したなど、理由は様々だ。統計によれば、大部分は50歳代後半以上の女性である。

中南米

欧州・旧ソ連圏(back)(農業・農村・食料:欧州

中東・アフリカ

干ばつ-飢餓サイクルを終わらせるには「能力建設」が不可欠、専門家
'Capacity building' Key To End of Drought-Famine Cycle, says Expert, allAfrica.com,5.19
世界食糧農業機関(FAO)は南部アフリカの穀物収穫が一般的には改善が見込まれると予想し、短期的には食糧の必要が満たされるかもしれないが、地域、そしてアフリカ大陸の他の部分も、極度の異常気象に翻弄されつづけ、援助への依存が続くのではないか?マラウィで農業開発専門家として働き、現在は国際食糧政策研究所の上級研究員であるSuresh Balu博士は、記者とのインタビューで、サイクルの打破には能力建設に挑戦しなければならないと力説した。彼がマラウィで働いた90年代前半と今の決定的違いは、1991−92の大干ばつに際して建設した問題診断能力、飢餓防止政策を立案を可能にする情報を生み出す能力が、エイズを主因として失われていることだという。彼は400人のマスター・ドクターを養成したが、150人が既に死んだと言う。この能力の欠如のために、政府は、せいぜい4、5日間の日程でブリーフ・ケースを下げてやってくる国際機関や外国の専門家の助言に頼らざるを得ない。彼らは在庫を売り払え、そうすればローンの用意があると言うだけだ。何がおきるのか、飢餓の際にもつべき最適な在庫はどれほどか、じっくり分析する能力も欠く政府は言いなりになるしかない。これは、食糧問題だけでなく、すべての問題で同様だ。援助国は、マスターやドクターを養成しても、どうせすぐに死んでしまうのだから意味がない、彼らは余りに多事にかかわらねばならないから、問題解決には役立たないと、能力建設への投資を渋る。世銀やIMFのチームが4、5日の滞在で得た情報をもとに作り上げるプラン、リオやヨハネスブルグのサミットで宣言された行動計画は、国の行動に翻案されねばならないが、これを行なう能力がない。世銀やIMFは、技術支援と呼ぶものの半分はこうした能力建設に当てるべきだ。政府が金を出してイギリスで養成したドクターは、マンチェスターの街に群をなし、国には帰らない。政府は、国の金でドクターを取ったからには、5年は国で働けと言うべきだ。こうしたことが変わらなければ、10年後に何故また飢餓がやってきたときかと問われても、私は同じことを繰り返すだけと彼は言う。

イラクの農業生産悪化 かんがい地帯に影響/FAOの予備調査結果
日本農業新聞 5.3
FAO日本事務所が戦争後のイラクの農業生産について予備調査の結果を発表。今年度見込まれる穀物の総生産量170万トンのうち3分の1程度は大きな戦禍を逃れた北部地域で収穫が期待できるが、中央、南部地域の状況が不明。FAOは、戦争でかんがい用水のくみ上げが止まるなどで「相当影響が出ている」と食料事情の悪化を危惧。

食品・食品安全(back)(食品安全

イギリス:養鶏農民、国民の不安にもかかわらず成長促進抗生剤を再導入
Chiken farmers reintroduce growth drugs despite public fear,Guardian Unlimited,5.27
成長促進のための抗生剤の使用を止めた養鶏企業に五つに一つが再び使用している。最大のスーパー・チェーンであるテスコは抗生剤添加飼料で育てられた鶏肉を販売していることを認めた。欧州委員会はこのような抗生剤の使用が完全に禁止される2006年までは使用を許すが、イギリス企業は1999年に強力なマーケッティングの武器として使用停止を約束した。しかし、土壌協会の専門家は、1998年から2001年まで、成長促進抗生剤の販売は6%減っただけで、増えているものもあり、特に人間のも使われる可能性のあるアビラマイシンの継続使用を心配している。使用者は、アビラマイシンの使用は人間には有害ではなく、その使用停止によって増える鶏の病気の治療薬の方が問題が大きいと言っている。しかし、最大の鶏肉生産グループは、1999年に成長促進抗生剤の使用をやめたが、鶏の飼育は可能だしと言っている。

インドネシア:政府、オーストラリアの栄養補助食品回収を命じる
Govt orders withdrawal of Australian food supplements,The JakartaPost,5.5
5日、オーストラリア当局の類似の動きに倣い、パン・ファーマソーティカル社製造の100種の医薬品と栄養補助食品の回収を命令。
「未検査」ビタミン・薬品をめぐるオーストラリアのスキャンダル、アジアの拡散

水産物の含有カドミウム カニみそなど高濃度 水産庁調査
日本経済新聞 5.3
同様ニュース
カドミウム含量、イカ内臓など多い/水産庁調査(日本農業新聞 5.3)
水産庁:水産物に含まれるカドミウムの実態調査結果について(15.05.02)

「未検査」ビタミン・薬品をめぐるオーストラリアのスキャンダル、アジアの拡散
Australian scandal over 'untested' vitamins and drugs spreads to Asia,Financial Times,5.1,p.6
オーストラリア保健省の治療製品管理局(TGA)は、オーストラリア最大の非処方薬品企業であり、世界第5のビタミン・栄養補助食品製造会社であるパン・ファーマソーティカル社の600種以上のビタミン剤とハーブ薬品を、安全性未検査の原料が含まれ得ることでリコールした。同社は4,500以上の製品を世界40ヵ国以上に輸出しており、鎮痛剤・坑ヒスタミン剤・インフルエンザ薬も生産している。TGAは、乗り物酔い止め薬・Travacalmで19人が入院、最低80人に副作用があったことから警戒していた。一部の人々の症状は非常に重く、幻覚が起きたかのように飛行機や船から飛び降りようとしたという。マレーシアは同社の全製品をリコール、シンガポールとニュージーランドでも同社製品の販売を停止するように販売店に命じた。
詳細はTGAホームページ:Pan Pharmaceuticals Limited - Regulatory Action and Product Recall Information(4.28)参照のこと(農業情報研究所)。なお、タイ政府も同社の全製品の販売を禁止した(Ban on some imported vitamins,oils,Bangkok Post,5.2

GMO(back)(遺伝子組み換え

イギリス:政府に長期的GM監視の要請
GM crops 'need long-term monitoring',BBCNews,5.27
ロイヤル・ソサイエティーの副会長が、GM作物の商用栽培を許すならば、イギリスもEUも長期的環境影響を監視が不可欠だと語る。政府にGM植物監視をどう計画するかアウト・ラインを描くように政府に要請した。勧告は6月の政府GM科学レビューへのロイヤル・ソサイエティーの提出書に含まれる。また、このレビュー委員会には、今年遅くに公表される予定のGM農場実験の結果を適切に考慮する機会も与えられるべきだと言う。ロイヤル・ソサイエティーは、最近、GM食品を食べることは非GM食品を食べることに比べて一層有害だという証拠はないと報告している。”地球の友”は、環境影響を心配するなら商用栽培に反対すべきだ、長期的監視で引き起こされたダメージは防止できないと言う。

EU、GMO種子・製品のモラトリアム解除を準備
L'UE se prépare à lever le moratoire sur les semences et produits OGM,Le Monde,5.23
新たな表示規則により原則的に保証されるGMOのトレーサビリティーにより、EU15ヵ国は10月からGMOを承認できるであろう。しかし、様々なタイプの耕作の共存とあり得る偶然の汚染の問題は永続する。

フィリピン:農民、米国バイテク企業ボイコットを開始
Farmers launch boycott of biotechnology firm,INQ7.net ,5.21
ビサヤの7千の農民が米国企業により販売される農薬と種子の全国規模のボイコットに参加すると予想される。ボイコット呼びかけは30日間のハンスト終了後に始まった。

フィリピン:ハンガーストライカー、Btコーンへの抗議を終える
Hunger strikers end protest vs Bt corn on Wednesday,INQ7.net ,5.21
21日、Btコーンに抗議する30日間のハンストが終わった。ハンガーストライカーは、農民は既にBtコーンを植え始めているからと、農業省の将来の「責任(ライアビリティー)」を警告した。もはや「モラトリアム」だけではことは済まない。政府はBtコーンの拡散を止める責任がある、農業省はBtコーンを抜き取らねばならないと言う。未だハンストを続けることはできるが、「不要な犠牲は望まない」、「我々は恥じることはない。頭を高く揚げることができる」と語った。

貿易と環境のバランスを見つけ出す(投稿)
Finding a balance between trade and environment(Robert Falkner,Lecturer in International Relations,London School of Economics),Financial Times,5.20
EUの遺伝子組み換え作物(GMO)承認モラトリアムを米国がWTOに訴えたことはドーハ貿易ラウンドと環境外交にダメージを与えるだろう。リスクに対する規制的アプローチと予防との間の紛争は訴訟ではなく、交渉を通じて扱うのが最善である。GMOのケースでは、これは、まさしく3年前に調印された生物多様性に関するカタルヘナ議定書の形で起きたことである。生物多様性条約はGMOに関連した環境リスクに対して予防的貿易措置を取る各国に保護を与えている。GMOからくる不確実で、しかし可能性としては深刻な生物多様性と人間の健康への脅威を考え、国際社会は用心するに超した事はないとし、科学または貿易の専門家の国際パネルではなく、国民がバイオテクノロジーの便益とリスクのバランスを取ることを許す決断をしたのである。最低限、WTOは、貿易の利害だけでなく、社会的価値にかかわるケースで裁決を下すのは難しいと言えよう。
 米国が調印はしたが批准していない生物多様性条約で到達した国際的妥協は、今や
WTOへの提訴という米国政府の決定により脅威にさらされている。貿易専門家はWTOルールと環境条約の正確な関係について、なお意見を異にしている。しかし、政治的には、国連が保証人となる環境条約が環境問題を規制する最善のフォーラムだと認める貿易と環境の微妙なバランスが現われている。米国が国際環境条約のより広大な文脈を無視するWTO貿易原則の狭隘な解釈を推し進めれば、グローバルな環境政策形成にまたも大打撃を与えることになる。ブッシュ大統領の京都議定書拒否は、多国間主義の原則だけでなく、地球環境の持続可能性の原則に対するより広範な攻撃を開始する動きであったという疑いが強まっている。

WTOを新市場を求める衝角として利用するな(投稿)
Do not use WTO as a battering ram for new markets(Cowan Coventry,Chief Executive,Intermediate Technology Development Groupes,Schumacher Center for Technology and Development,UK),Financial Times,5.19,p.12
安全性を深く心配する国に遺伝子組み換え(GM)作物を押し付けるための米国による国際貿易ルールの利用は大変無責任である。途上国にGM技術を押し付けることは、世界の生物多様性と飢えた人々を養う農業システムに深刻な結果をもたらす恐れがある。GM作物が食料生産・健康・環境に損害を与えるのか、利益をもたらすのか、科学界の合意はできていない。このような複雑な問題は慎重で、客観的なアセスを要し、米国とEUの貿易法律家が言い争うべきことではない。貿易交渉者が世界の飢えた人々を真面目に助けようとするならば、WTOをGM技術の市場を開くための衝角として利用するのではなく、飢えた人々の削減と農村の生計の改善における農業科学・技術の役割に関する世銀の国際的アセスメント(世銀:農業科学のリスクと機会を探る国際協議プロセスを始動,02.8.31)を支持すべきである。

イギリス:GM食品禁止は「違法」
GM food ban would be 'illegal',BBCNews,5.19
環境担当相・ミーチャ−がGM作物禁止はそれが人々と環境に有害という科学的証拠がないかぎり「違法」になるとBBCに語った。最近の調査ではイギリス人の14%がGM食品を認めているにすぎないが、ミーチャ−氏は、BBCラジオで、世論の反対だけでは政府の決定は影響されない、法に従って行動せねばならず、現在の法はEU指令で定められており、GM作物に関しての行動基準は人々と環境に有害かどうかだけだと語った。

米国:GM小麦に関する空白を市場が埋める(社説)
Market fills decision vacuum on GM wheat,Bismarck Tribune(North Dakota) ,5.19
59日、ミネアポリス穀物取引所(MGEX)が非遺伝子組み換え(GM)小麦の購入を明記する売り手と買い手の契約を認めることを決定した。これは、国際機関・州機関・連邦機関が問題をめぐってどんなに長く踊っていようと、GM作物に関する決定は進むことを示している。この場合、GM小麦をめぐる問題への解答を作ったのは市場だ。政府の行動がないために、ルールを決定するのは取引の見えざる手ということになる。GM小麦の栽培が合法化されても、ノース・ダコタの小麦の伝統的バイヤーが購入の意志がないことがはっきりしてきた。決定は、GM小麦が合法化されても、伝統小麦と分別できることも前提としている。農民はGM小麦と伝統小麦の交差汚染を防げるのか、貯蔵・輸送の間の混合を防げるのか。GM小麦がどれだけ混じれば汚染とされるのか。MGEXの決定がハード・ワークだったことは疑い得ない。それでもMGEXは決定した。政府の失敗は市場が埋める。

フィリピン:Btコーン販売リコールを、大統領に要請
Recall Bt corn sale OK, Macapagal urged,INQ7.net ,5.19
ボホール農民の権利ネットワーク(BNFR)が、「現在、サーズ(SARS)が世界的大問題になっているが、将来、Bt作物やGMOの利用と消費が広がれば、新たな世界的規模の流行病の引き金になる」と、大統領と農相に対し、Btコーンの販売承認を直ちに撤回し、BtコーンとGMOの国内でのすべてのフィールド実験と販売のモラトリアムを要請。
関連情報:
フィリピン:広がるBtコーン反対ハンスト 政府は譲歩せず,03.5.16

フィリピン:農民、反Btコーン法案を議会に要請
Farmers urge Congress to rush anti-Bt corn bills,INQ7.net ,5.19
18日、農民活動家がBtコーンのような遺伝子組み換え作物が国に入るのを防止する法の制定を議会に要請。
関連情報:
フィリピン:広がるBtコーン反対ハンスト 政府は譲歩せず,03.5.16

フィリピン:カトリック教会、Btコーンに対する抗議を支持
Cathlic Church backs protest vs Bt corn,INQ7.net ,5.17
フィリピン・カトリック・ビショップ会議が、GMOは「遺伝的尊厳と人間の安全に危険」と、Btコーンをめぐって争っているハンガーストライカーを支持。
関連情報:
フィリピン:広がるBtコーン反対ハンスト 政府は譲歩せず,03.5.16

糖尿病患者 ご飯一杯注射代わり 日本製紙など コメ遺伝子組み換え
日本経済新聞 5.13
日本製紙と農業生物資源研究所、三和化学研究所(名古屋市)が、十二日、血糖値を調節する働きのある遺伝子組み換え米を共同開発したと発表。「茶わん一杯のご飯を食べれば、インスリン注射と同等な効果が期待できるおコメ」として売り出したいという。遺伝子組み換え技術を使い、食後にインスリン分泌を促すホルモンを含むイネを作製した。このホルモンは血糖値が高いときだけにインスリンの分泌を促す。今後、遺伝子の導入法を工夫してホルモンの含有率を三倍以上に高める計画。二−三年かけて動物実験などで安全性を確認していく。二〇〇六年にも商品化する。

オーストラリア:GMカノーラ禁止が広がる
GM canola ban spreads,The Australian Financial Review ,5.9
昨日、ビクトリア州政府がGMカノーラ商用栽培にモラトリアムを課す州の列に加わった。3月の連邦の遺伝子技術規制官事務所(OGTR)による安全確認にもかかわらず、ビクトリア州だけが商用栽培を認めていたにすぎない。州農業省は、小麦輸出業者・AWBと大麦輸出業者・ABBが1シーズンのモラトリアムの間にGMカノーラ栽培の市場への影響の評価するという意見を出したことに応えた。昨日の決定前、バイエル・クロップサイエンス社は、除草剤耐性のGMカノーラ・InVigorのビクトリアでの千haの限定商用栽培を計画していた。ビクトリア農民連盟(VFF)は、州政府の決定にいたく落胆、労働党左派や環境団体を含むこの技術への反対者による圧力を非難した。

バイテク作物交雑が攻撃目標に
Biotech Crops' Crossbreeding Targeted,AP,5.5
カナダの研究チームが遺伝子組み換え(GM)作物と普通の作物の交雑を防ぐ方法を開発、全米科学アカデミーのProceeding誌のオンライン版に発表した。タバコを利用しての開発だが、研究者は大抵の作物に応用できると言う。最初、植物は正常に育ち、種を生産するが、この植物種子からの発芽を防止する「種子致死性」遺伝子を組み込んだ。次に、この植物に種子致死性遺伝子を抑制する追加遺伝子をもつ別の植物と交雑させた。両者の子は自家受粉により無限に繁殖を続けることができる種子をもつ植物を生産した。しかし、これらの植物が普通のタバコと交雑すると種子致死性遺伝子と抑制遺伝子が分離、生じた種子は成長しない。なお現場での実験が必要という。ケンタッキー大学の研究者は、どうのようにして相次ぐ世代の種子の100%にシステムが維持されるかが説明されておらず、すべての作物で組み換え遺伝子の拡散を防ぐ魔法のシステムとは考えないと言っている。

二つのGMナタネ実験圃場でGM反対デモ
Manifestations cotre les les OGM sur deux parcelles d'essa de colza genetiqument modifie,AP,5.1
デモを支持した農民同盟が発表。

狂牛病

ブラジル:カナダ産牛の輸入を停止
Le Brésil suspend les importations de boeuf en provenance du Canada,Agrisalon.com,5.30
農業省が28日、肉・内臓・胚子・血液派生品・肉骨粉を含む牛副産物などのカナダ産牛製品の輸入を禁止。精液・牛乳・酪農製品は禁止の例外。ブラジルは、1997年以来、320億ドル相当の純系種繁殖牛を輸入した。

中国、カナダ牛製品輸入を禁止
China bans imports of Canadian cattle products,china daily,5.29
29日、カナダの生きた牛と牛肉の輸入を禁止したと農業部が発表。禁止品には加工牛肉製品、カナダの牛の胚子・精子も含まれる。同時に最近カナダから輸入された牛とその子もBSEの兆候を検査しなければならない。中国は,昨年、カナダから生きた牛と冷凍牛肉を1,200億ドル相当輸入している。

米国:カナダの問題―そしてアメリカの問題
Editorials:Canad's Problem--and America's,The New York Times,5.27
米国とカナダの生きた牛・牛肉製品・飼料は比較的自由に行き来している。カナダの狂牛病発見は米国が一層厳格な対策を講じる必要性を浮き彫りにする。まず検査が少なすぎる。一定月齢以上のすべての牛の検査が可能なように、EUで使用されているようなラピッド・テストの使用を義務付けるべきである。第二に、動物蛋白質飼料の使用を全面禁止すべきである。豚と鶏にはその使用が許されており、その中には牛由来のものも含まれる。これを与えられた豚や鶏の廃物が飼料に加工され、これは牛の飼料にも使われて牛に戻ってくる。肉だけにリスクがあるのではない。脳・眼・脊髄などの最も感染性の高い牛の部位が栄養補助食品に含まれている。議会は栄養補助食品が販売前に安全性を証明することを義務付ける必要がある。こうした努力にもかかわらず、病気の発生があり得る。医者や病院に報告義務がないから、米国人のこの種の病気への感染率が高まっているのかどうかを知る手段もない。報告義務を課すべきである。消費者は牛の脳を避けるべきである。ソーセージやホット・ドッグのような一定の加工牛肉製品は利用できるすべての肉を取り出す機械を使用して生産されるから、これを避ける人もいる。ステーキや肉屋が目の前で挽くハンバーガーはリスクが小さい。有機牛肉や草だけで育てられた牛も可だ。最低ラインは政府が食品チェーンの保護に今すぐ行動することだ。遅れれば潜在する問題が悪化するのを許すだけだ。

シンガポール:狂牛病発見後、カナダ牛肉を輸入禁止
Ban on Canada beef after mad cow find,The Straits Times Interactive ,5.23
昨年のカナダからの輸入牛肉は1万5千700トン、シンガポールへの牛肉供給量の5%で影響は小さい。

BSEのカナダ牛肉製品 米国経由も停止要請/農水省
日本農業新聞 5.23
22日、農水省は、狂牛病に感染した牛がカナダで確認されたことを受けて、カナダで生まれた牛を使った肉製品を日本に輸出しないよう米国政府に要請した。BSEの感染源が米国を経由して日本に侵入するのを防ぐのが狙い。

狂牛病は米国の表示法の必要性を示す:牧場主
Mad cow shows need for U.S. labelling law: ranchers,CBC News,5.22
カナダのアルバータ州から50キロ離れたモンタナの8500頭の牛を飼う牧場主、アルバータの牛一頭の狂牛病から自分の牛の感染はまったく心配していないが、肉の原産国を示す表示を求める声が高まるだろうと言う。カナダ牛肉の米国市場でのシェアは8%ほどである。すべての小売牛肉に牛がどこで育てられたかを示す表示を義務付ける計画は20049月に発効する予定だが、多くの米国小売業者・牛肉加工業者はこの計画に反対している。
[農業情報研究所(
WAPIC)注:昨年成立した米国新農業法は、国産品販売促進の思惑から、肉・果実・野菜・魚・ピーナツに原産国表示ルールを導入するとした。当初2年間は自主的、2004年9月から義務化する。米国内で生まれ・育てられ・屠殺され・加工された肉だけが米国原産と表示できる。これは、肥育のために毎年カナダやメキシコから輸入される多数の牛の肉の表示をめぐり、早くもカナダの懸念を生み出した。ベナマン農務長官は「北米産」の表示をほのめかしたが議会の強硬な抗議を受けて撤回した。思わぬところから米国原産表示への追い風が生じたわけであるが、現在はカナダ産と米国産を消費者が区別する手立てはないことに注意を要する。]

インドネシア、カナダからの肉輸入を禁止
RI bans meat imports from Canada,The JakartaPost,5.22
カナダにおける狂牛病の発見を受け、米国・ニュージーランドの決定に続き、農業省がカナダからのすべての肉と肉製品の輸入を禁止。農業省はインドネシアがカナダから肉を輸入しているかどうか、どれほど輸入しているか情報を出さなかった。

フィリピン:カナダ牛肉禁止へ
Philippines to ban beef from Canada,INQ7.net ,5.22
カナダ・アルバータでの狂牛病発見により、カナダからの生きた牛、羊、山羊を含む牛製品を禁じる用意が整った。

カナダでBSE感染牛確認 輸入牛肉先高観 米国産などに代替需要 
日本経済新聞 5.22

日本:国産牛 生産履歴 食肉各社が公開 飼料・農家の顔写真 ネット利用 秋にも施行の法 先取り
日本経済新聞 5.20

イギリス:変異型クロイツフェルトヤコブ病(vCJD)は減少へ
vCJD deaths 'set to fall',BBCNews,5.20
インペリアル・カレッジの研究者(Azra Ghani)が、1995年に発生し、全体で129人に達したイギリスのvCJD死者は、2000年の年間28人をピークに減少に向かい、2080年までに最悪でも540人、最善の場合には40人増加するだけだろうと推定(手術などを通じての二次感染を除く)。今後、潜伏期間中の感染が発見でき、二次感染のリスクを減らせる検査の開発が重要という。海綿状脳症諮問委員会(SEAC)のスポークスマンは、これが決定的というのは時期尚早と言っている。"BioMed Central Infectious Diseases"誌のオンライン版で発表された。

「虚偽報告迫られ自殺」 BSE検査職員の遺族 労災申請
日本経済新聞 5.12
国内4頭目のBSEと確認された乳牛の生体検査を担当した後に自殺した釧路保健所の女性職員の遺族が公務災害(労災)認定を申請、自殺の原因の一つは上司に虚偽の報告を求められた精神的ストレスだと訴えていることが判明。申立補遺書によると、食肉処理場に運ばれた感染牛から完全に隔離された状態で解体処理されたように公表されているが、一部は解体後にほかの牛と一緒に管理されていたと指摘。道庁保健福祉部と職員の文書のやりとりなどから、同部上層部から虚偽の報告を求められていた疑いが濃い。

水産(back)(水産

野生鮭資源をめぐる脅威
Fears over wild salmon stocks,BBCNews,5.30
世界自然保護基金(WWF)と大西洋鮭連盟が鮭養殖による環境損傷を防ぐためほとんど何もなされていないと報告。スコットランドの入り江の鮭養殖が主要産業となるほどに拡大した。報告は野生鮭の資源減少は養殖場からの寄生虫と養殖場から逃げ出した鮭と野生鮭の交雑に関連していると言う。養殖鮭の数が爆発的に増え、野生近縁種が激減した。

EU漁業、「ブッシュミート取引を駆り立てる」
EU fishing 'drives bushmeat trade',BBCNews,5.29
イギリスの自然環境研究会議議長のジョン・ロートン教授が、ヨーロッパその他の漁船が西アフリカ海域の魚をさらっているために、セネガルなどの生業的漁民の漁獲がゼロに等しくなり、飢えた人々が蛋白源を求めて海から森に移動、いくつかの希少動物種を絶滅に向かわせるブッシュミート取引に走っていると語る。EUは西アフリカにその過剰漁獲能力を輸出してきたが、森林を破壊するブッシュミート取引を間接的に煽っている。運動団体は、毎年100万トンの肉が熱帯アフリカから輸出されると推定、類人猿その他の絶滅危惧種を圧迫していると言う。欧州委員会は海域アクセス協定から「責任ある漁業に貢献する’パートナーシップ協定’への移行を望んでいる。2002年12月、EUのフィシュラー委員は、委員会は世界漁業の持続可能な発展に寄与し、EU水域を超えた持続可能で責任ある漁業の確保」を望んでいると語った。

食糧問題(back)(食糧問題

干ばつ-飢餓サイクルを終わらせるには「能力建設」が不可欠、専門家
'Capacity building' Key To End of Drought-Famine Cycle, says Expert, allAfrica.com,5.19
世界食糧農業機関(FAO)は南部アフリカの穀物収穫が一般的には改善が見込まれると予想し、短期的には食糧の必要が満たされるかもしれないが、地域、そしてアフリカ大陸の他の部分も、極度の異常気象に翻弄されつづけ、援助への依存が続くのではないか?マラウィで農業開発専門家として働き、現在は国際食糧政策研究所の上級研究員であるSuresh Balu博士は、記者とのインタビューで、サイクルの打破には能力建設に挑戦しなければならないと力説した。彼がマラウィで働いた90年代前半と今の決定的違いは、1991−92の大干ばつに際して建設した問題診断能力、飢餓防止政策を立案を可能にする情報を生み出す能力が、エイズを主因として失われていることだという。彼は400人のマスター・ドクターを養成したが、150人が既に死んだと言う。この能力の欠如のために、政府は、せいぜい4、5日間の日程でブリーフ・ケースを下げてやってくる国際機関や外国の専門家の助言に頼らざるを得ない。彼らは在庫を売り払え、そうすればローンの用意があると言うだけだ。何がおきるのか、飢餓の際にもつべき最適な在庫はどれほどか、じっくり分析する能力も欠く政府は言いなりになるしかない。これは、食糧問題だけでなく、すべての問題で同様だ。援助国は、マスターやドクターを養成しても、どうせすぐに死んでしまうのだから意味がない、彼らは余りに多事にかかわらねばならないから、問題解決には役立たないと、能力建設への投資を渋る。世銀やIMFのチームが4、5日の滞在で得た情報をもとに作り上げるプラン、リオやヨハネスブルグのサミットで宣言された行動計画は、国の行動に翻案されねばならないが、これを行なう能力がない。世銀やIMFは、技術支援と呼ぶものの半分はこうした能力建設に当てるべきだ。政府が金を出してイギリスで養成したドクターは、マンチェスターの街に群をなし、国には帰らない。政府は、国の金でドクターを取ったからには、5年は国で働けと言うべきだ。こうしたことが変わらなければ、10年後に何故また飢餓がやってきたときかと問われても、私は同じことを繰り返すだけと彼は言う。   

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