日本農業:各地の動き:新聞報道から過去1週間):農業情報研究所 

 

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2019519日更新

 

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<立ち向かう農業>直播米「えみまる」に期待 収量多く 寒さに強い 苗育成不要 負担軽く 北海道新聞 19.5.19

  

青森県、大玉サクランボ初出荷へ 糖度20%高級感前面に 山形も23年新品種投入 河北新報 19.5.19

 

棚田280枚に苗 松崎・石部、出資会員ら400人 静岡新聞 19.5.19

 

農家、用水確保策求める 硫黄山レベル「1」1カ月 宮崎日日 19.5.19

 

宮古島にクジャクが2千羽 農作物被害増え駆除強化 イノシシの食害も 沖縄タイムス 19.5.19
 

北海道top

 

<立ち向かう農業>直播米「えみまる」に期待 収量多く 寒さに強い 苗育成不要 負担軽く 北海道新聞 19.5.19

 種もみを水田に直接まいて育てる直播(ちょくはん)米の新品種「えみまる」の栽培が、今年から道内で本格的に始まった。現在主流の直播品種「ほしまる」より寒さに強く、収量も多いのが最大の特長だ。生産者の高齢化や農地の大規模化が進む中、作業の省力化につながる直播への注目は近年高まっており、えみまるがけん引役となって直播のコメが作付面積を今後さらに伸ばす可能性もある。

 

東北top  

 

青森県、大玉サクランボ初出荷へ 糖度20%高級感前面に 山形も23年新品種投入 河北新報 19.5.19

  青森県は今年、500円玉よりも大きいサクランボの新品種「ジュノハート」を初出荷する。サクランボは贈答品が主力のため高級感をアピールし、果物店だけでなくブライダルや宝飾業界へ売り込む考えだ。国内生産量日本一の山形県も2023年ごろに大玉の新品種を売り出すことにしている。
 ジュノハートの特徴は大きさと、名前の由来にもなったハート形。サクランボは大きさによって6段階に分かれるが、ブランドを保つため一番大きい4Lと3Lのみを選別して市場に出す。糖度も約20%と甘みが強い。
 青森県では南部町などでサクランボ栽培が行われているが、全国的な知名度は低い。県は見栄えの良さと食べ応えを追求し、1998年から大玉の新品種を作ろうと交配を始め、ジュノハートが出来上がった。
 県は4月下旬、大きさが4Lで色づきなども優れたものを「青森ハートビート」のブランドで売り出すと発表。高品質をPRし、県産全体の需要拡大を狙う。
 サクランボのシェア約75%を誇る山形県でも大玉で甘みの強い新品種「C12号」が開発された。実が硬めで日持ちするため、将来的に海外進出も視野に入れているという。担当者は「同じ品種なら大きいほどおいしいとされる」と指摘する。
 山形県によると、大型化は生産者の省力化にもつながるという。中間的なLサイズだと1キロで出荷するために約140個必要なのに対し、C12号は約80個。収穫時期も強みで、主力品種「佐藤錦」と「紅秀峰」の間となる6月下旬から7月上旬がピークだ。作業を分散でき店頭に新鮮で高品質のものを並べられる。
 山形県の担当者は先行するジュノハートに対し「まずは青森の販売ルートに注目したい」と話す。青森県は「山形は横綱。ジュノハートならではの顧客をつかみたい」とライバル心を燃やす。

 

<金山棚田>存続の危機「稲作、今年が最後」所有者高齢、地元団体が後継者募る 河北新報 19.5.17

 岩手県一関市舞川で昔ながらの田園風景を維持してきた金山棚田が、存続の危機にひんしている。土地を所有する金山孝喜さん(81)は高齢で、コメ作りは今年が最後になるという。景観保全に協力してきた地元団体が、後継者を探している。
 カエルが鳴き、周囲をアジサイが彩る棚田は近年、景観スポットとしても知られるようになっていた。地元住民は「金山さんの心意気で農村の原風景を保ってきたが、このままでは今年が見納めになる」と危惧する。
 約42アールの斜面に大小100枚が連なる棚田では、藩制時代後期から150年以上にわたって稲作を行っている。土地は戦前に金山さんの父親が入手し、手作業で維持管理してきた。
 2012年には金山さんと地元有志が「金山棚田を守る会」を結成し、展望台を設けるなど周辺を整備。田植えや稲刈りの体験会を催してきた。
 後継者探しは、少ない収量が障壁となって難航。守る会事務局の小岩浩一さん(63)は「岩手県内外を問わず、担い手を募集したい。棚田の景観を保つため、守る会も支援していく」と呼び掛けている。 
 連絡先は一関市舞川市民センター0191(28)2111。 

 

ドローンで稲の種まき/ごしょつがる農協 東奥日報 19.5.16

 ごしょつがる農協水稲部会は15日、青森県五所川原市の水田で、小型無人機ドローンによる稲の種まきの実演会を開いた。今後、農薬の散布などにもドローンを活用して労働力削減の効果を調べ、農家の導入につなげていく。

 

岩手の被災農地復旧 全542ヘクタール 陸前高田で田植え 河北新報 19.5.16

 東日本大震災で被災した陸前高田市の高田沖地区で農地28ヘクタールの再整備が完了して15日、9年ぶりの田植えが始まった。これにより、岩手県内の被災農地計542ヘクタールは全て復旧を終えた。
 この日は自営業石川秀一さん(70)が約40アールにひとめぼれを作付けした。津波で機材が流失したため、田植え機は農機具メーカーに借りたという。
 石川さんは「地盤がでこぼこしていて大変」と悪戦苦闘しながらも「再開を諦めかけたが、自分の田んぼは自分で守りたい。黄金色に実る秋が楽しみ」と語った。
 高田沖地区の農地整備は事業費約11億8700万円。引き渡しは予定より1年遅れた。震災後に離農した地権者も多く、農地の9割は地権者とは別の農業者らが作付けする。
 

 

<いぶりがっこ>農水省GIに登録 伝統守り価値向上目指す 安定した生産体制が急務 河北新報 19.5.16

 薫製にした大根をぬか床に漬け込んだ秋田の名産品「いぶりがっこ」が8日、農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に登録された。秋田県内の関係者はGI登録がブランドの価値を高めると期待を膨らませる。一方で、手間が掛かるいぶりがっこ作りは現在でも生産が需要に追い付いておらず、安定した生産体制の構築が課題となっている。
<ブランド維持>
 「時間をかけて取り組んできたGI登録を果たせた。とうとうやったかという気持ちだ」。農事法人など13者でつくる秋田いぶりがっこ協同組合の理事長で、大仙市の農事法人「おばこ食品」の鈴木辰美代表(71)は声を弾ませる。
 近年、伝統的な製法を守らない県外産いぶりがっこが市場に出回るようになった。品質が劣るなどの問題があるといい、本場の秋田産ブランドの保護が課題となっていた。
 2017年に県や製造業者などが県いぶりがっこ振興協議会を設立。GI登録を申請した。
 いぶりがっこはいぶした大根の香りや風味が特徴。日本酒のつまみなどとして海外でも人気を高めている。鈴木さんは「秋田県産に国のお墨付きをもらった。海外にも積極的に魅力を発信していく」と登録のアピール効果を期待する。
 伝統的な味を守るためには、どうしても生産に時間を要するのが現状だ。
 県などによると17年度の県内の生産本数は17業者で278万本以上だが、生産量の1.2~1.3倍ほどの注文があり活況を呈している。生産者の高齢化など直面する課題もあり、販路拡大に向け、需要に応えられる供給体制づくりは急務だ。
<職人芸も尊重>
 県内有数の産地、大仙市では、昨年6月に大曲商工会議所や市が市いぶりがっこ産地化協議会を発足させた。大量生産に対応する大規模工場の20年度までの整備を計画する。大根の薫製やぬか床に漬け込む作業を自動化し、年100万本の生産を目標に掲げる。
 県総合食品研究センター(秋田市)は15年、需要拡大を見据えて、より短い時間で漬け込む手法などの研究に着手。成果を生産者と共有し、生産の効率化を目指す。
 同センターの渡辺隆幸上席研究員は「いぶりがっこは職人芸。無理に生産性を上げることはできない」と生産者の心情を酌みながら「密に連携して、生産性と品質の両面の向上を図りたい」と話す。

 

鳥海高原菜の花まつり、今年で最後 連作障害、苦渋の決断 秋田魁 19.5.15      

 眼前に広がる残雪の鳥海山と一面の黄色い菜の花を楽しめる「鳥海高原菜の花まつり」が、10回目となる今年を最後に開催を取りやめることが、14日分かった。鳥海高原に春を告げる催しとして定着し、会場の秋田県由利本荘市矢島町の桃野地区に毎年約1万人の観客を集めてきたが、5年ほど前から連作障害が顕著で見応えある花を咲かせられなくなり、苦渋の決断を迫られた格好だ。最後となる今年は今月22~28日(イベント開催日は25、26日)に開かれる。
 菜の花まつりは、菜種油の活用を通じて循環型社会の推進を呼び掛けようと、2008年に秋田市飯島の秋田湾産業新拠点で始まった。連作障害を避けるため、10年からは桃野地区に移転。県立大やNPO法人あきた菜の花ネットワークなどでつくる実行委員会が主催してきた。
 同法人の鈴木秀雄専務理事によると、桃野地区は菜の花の栽培に適していなかったが、堆肥を大量にまいて土壌改良した。鈴木専務理事は「連作障害は予測できたので、2、3年で別の土地へ移ろうと考えていたが、まつりがあまりに人気となり、やめられなくなった」と漏らす。

 

農地貸借1918ヘクタール、最高も目標の41.7%/青森県機構18年度 東奥日報 19.5.14  

 離農者らから農地を借り受け、担い手農家に貸し出す「青森県農地中間管理機構」によると、機構を介した農地の貸し借りの2018年度実績は、前年度を約41ヘクタール上回る1918ヘクタールと、事業がスタートした14年度以降で最高となった。一方、年間目標の4600ヘクタールに対しては前年度並みの41.7%にとどまった。機構側は19年度、既存の制度から農地中間管理事業への切り替えを促すほか、離農を考えている農家を速やかに把握するなど、事業の活用をさらに働きかけていく考え。

 

<下北イチゴ>「やませ」追い風、夏秋に出荷 成長株に 河北新報 19.5.14

 青森県下北地方で生産されるイチゴの年間販売額が1億円に迫る勢いで伸びている。東北地方に吹く冷たい季節風「やませ」が追い風になり、全国的に品薄になる夏場に出荷できる点が最大の武器。需要に供給が追い付いていない状況で、新規就農者も続々と出ている。
 「夏の収穫が楽しみです」。むつ市の農業大室涼さん(25)は4月26日、自分のハウスで初めて苗を植えた。反対する妻を説得し、海上自衛官の仕事を昨年7月に辞めての挑戦だ。
 実家は自営業で農業は全くの素人。国の新規就農支援制度を利用し、イチゴ農家で3カ月間修業して準備を進めてきた。土地は借り、ハウス4棟(計約1320平方メートル)を建てた。今後、様子を見ながら事業を拡大する考えた。
 一般的な国産イチゴは冬から春に出荷されるのに対し、下北のイチゴは夏、秋に出荷する。イチゴは冷涼な気候を好むため、やませが吹き付ける下北は絶好の栽培場所となっている。
 生産者らの話では、複数の量販店などから取引の申し出があるが、供給が追い付かずに断っている状態が続いているという。
 県によると、下北地方のイチゴ出荷額は2005年の750万円から、18年は9600万円に拡大。05年に2人だった生産者は18年には20人に増えた。うち13人が新規就農者で、14年から5年連続で生産現場に飛び込んできている。
 県主要作物の技術・経営指標では、10アール当たりの生産額はコメ(規模3ヘクタール)の2万6320円に対し、イチゴ(規模0.5ヘクタール)は49万1686円で約18倍。高い単価を基に少ない土地で農業を始められることも新規就農を後押ししている。
 県下北地域県民局農業普及振興室の山口紀彦室長は「Iターン、Uターン希望者からの問い合わせも多い。イチゴ作りが下北の新たな産業になりつつある。地域に根差して発展できるよう支援していく」と話す。

 

<下北イチゴ>先駆けて生産の村田さん 異端の挑戦、実を結ぶ 河北新報 19.5.14

 東北に吹く季節風「やませ」の下、逆転の発想で臨んだたった独りの挑戦が実を結んだ。青森県東通村の農業村田睦夫さん(58)は17年前、周囲の反対を押し切ってイチゴ生産を始め、下北地方の出荷額が1億円になる産業に育て上げた立役者だ。
 「最初は周りのみんなが『ばかなまねするな』と反対したり、さげすんだりした。村八分みたいだった」
 村田さんが勤め先を辞めてイチゴ作りを始めた2002年ごろ、下北の農業はコメや白菜、キャベツなどが主流だった。そのコメですら夏に冷たい風が吹く影響で全国平均の6~8割しか収量が上がらなかった。
 農家からはそれまで、やませを恨む声は上がれども、利用しようという声は上がらず、村田さんの存在は異端だった。
 「全国的に暑くなる夏は国産のイチゴが市場に出回らなくなり、米国産が高値で取引される。涼しい下北でイチゴを作ったら面白いと思った」
 就農前、むつ市の市場で競り人を務めていた時の知識と、やませを天然のクーラーのように使う発想で勝負に出た。
 最初は、九州で冬に栽培されるイチゴを育てた。わずかしか収穫できずに失敗。下北の夏でも九州の冬よりは暖かかった。2年目を終えると、赤字は2000万円を超えた。
 助けを求めて行政や農協に補助金や融資の相談に行っても「一銭も出せない」と断られた。おととしに亡くなった父親だけが「家を売って返せる借金なら気にするな」と背中を押してくれた。
 転機は3年目に訪れた。北海道に夏や秋に収穫するイチゴがあることを知り、飛び付いた。収量は一気に20倍になった。以降出荷を続けたことで3年前に大手スーパーの目に留まり、出荷額、量ともに跳ね上がった。
 ハウス3棟で始めた村田さんのイチゴ畑は、今では27棟(計約9000平方メートル)に広がり、従業員16人を雇うようになった。村田さんに倣って下北の生産者は年々増え続け18年に20人、合計生産額9600万円に上った。
 村田さんは「挑戦する前に結果を想像して、文句を言っても意味はない。やってみる価値があるなら、まずは実行することが大事だ」と話した。

 

農耕馬 活用の場探る 県立大、本年度から実証事業 岩手日報 19.5.14

 県立大は本年度から2年間、農耕馬の仕事を探す実証事業に取り組む。13日は滝沢市内の畑で馬耕を実施し、放牧による草原の再生やホーストレッキングなども計画している。農業の機械化で農耕馬の数が減少する中、時代に合った新たな役割を発掘することで頭数の維持や増加を図り、馬事文化の継承につなげる。

 同日は馬耕復活プロジェクトと題し、滝沢市牧野林の畑20アールの土を起こした。馬搬振興会(遠野市)の岩間敬代表理事(41)の指示で、約750キロの農耕馬1頭がすきを引いた。

 今回の畑ではサツマイモのクイックスイートを栽培し、来年はスイカ畑で行う計画。農地を提供した駿河俊也さん(42)は、チャグチャグ馬コを支援するため馬ふん堆肥を活用したスイカ栽培に取り組んでおり「ブランド化や付加価値向上につながればいい」と期待を込めた。

 実証事業は全国競馬・畜産振興会から約800万円の助成を受けて実施。馬耕のほか▽安比高原に農耕馬を放牧し草原を再生▽馬車運行▽山間部の資材運搬-などの可能性を探る。

関東(top) 

 

養蚕の担い手 育成 県蚕糸技術センターで研修 上毛新聞 19.5.18

 養蚕の新たな担い手を育てようと、第4期「ぐんま養蚕学校」が17日、前橋市の県蚕糸技術センターで開講した。養蚕に関心のある県内外の受講生8人が6月中旬まで同センターでの研修に参加し、養蚕に必要な知識や技術を学ぶ。
 初日は、養蚕経営体育成コーディネーターの斎藤敏弘さん(76)を講師に、養蚕の基本技術についての講義や実習を行った。受講生は群馬オリジナル蚕の3品種、計6万頭を飼育する。斎藤さんが「手で蚕に触れた時の反応によって体調が分かる」と説明すると、受講生たちは驚きの声を上げた。

鉾田の市民団体 無農薬、生態系を保全 「ふゆみずたんぼ」5年目 茨城新聞 19.5.16

目を迎えた「ふゆみずたんぼプロジェクト」に参加し、田植え体験を楽しむ児童たち=鉾田市安塚

鉾田市の市民団体などが取り組んでいる「ふゆみずたんぼプロジェクト」が活動開始から5年目を迎えた。冬でも田んぼに水を張り、農薬や化学肥料を使用せず米作りを行う取り組みで、収穫された「ほこほこ米」も好評。活動には市内の小学生も参加し、田植え体験を通して生態系を学ぶ貴重な機会となっている。
ふゆみずたんぼは、冬期湛水(たんすい)と不耕起栽培を組み合わせた米作りで、化学肥料や農薬を使わず生物多様性を高める農法として知られる。
市まちづくり市民会議や環境保護団体「北浦周辺の自然再生を進める会」のメンバーが2015年から、冬期湛水水田でガンと農業の共生を実現している「蕪栗沼・周辺水田」(宮城県大崎市)の事例などを参考に、北浦湖畔に近い鉾田市安塚の約20アールで取り組み始めた。
収穫された「ほこほこ米」は粒が大きく、甘みが強いほか、つやと張りがあるのが特長。サポーター会員向けに2キロ(3000)から販売するほか、市内で開かれるイベントなどでも購入できる。
農薬や化学肥料を使わない農法のため、夏場は雑草との闘いになる。今年のプロジェクトリーダー、小室壮一さん(67)は「夏の草取りは大変だが、買ってくれた人においしいと喜んでもらえれば」と話す。
今年3月で閉校した市立野友小(市立鉾田南小に統合)の児童たちは2017年から参加。今年は野友地区の子ども会の協力を得て12日に田植えを実施した。児童約20人は温かい水や泥の感触を楽しみながら、慣れた手つきで苗を植えた。田植え後は、同プロジェクトメンバーや保護者とともに野友小グラウンドでピザ作りや食事を楽しんだ。
小室さんは「この取り組みを今後も続け、おいしいお米を食べ、生態系の重要性も学んでもらえれば」と語り、今後も活動を続ける方針だ。

 

アスパラぐんぐん 人気も上昇 多摩市、成長早める新栽培法を導入(東京) 東京新聞 19.5.16

 多摩市はアスパラガスを名産化しようと、成長を早める新しい栽培法を導入し、六戸の農家が取り組んでいる。市内のグリーンショップ多摩(JA東京みなみ多摩支店)などで売るだけでなく、港区のレストランへの提供も始めた。 (松村裕子)

 新しい栽培法は明治大の元木悟准教授が開発した「採りっきり栽培」。種をまいてから収穫までに三年かかるのを、苗を植えることで一年に短縮する。三月に畝を約二十センチ掘って植え付け、ビニールで覆って暖かくして成長を早める。種をまけば十年以上収穫できるが、一年で採りきるのが名前の由来。長年栽培すると発生しやすい病害虫を抑え、通常は翌年も収穫できるよう残す茎も採れるため、収量が増える。

 導入しているのは川崎市など少数で、多摩市では二〇一六年、農家らが明治大の講座に参加して知った。一七年から同大との共同研究で四戸が栽培を始め、次第に戸数も株数も増加。苗代はかかるが、アスパラガスのおいしさの決め手は新鮮さのため、地場産はやや高めの百グラム二百五十円で売っても人気という。収穫の始まった三月から都心のレストランで「多摩市産」とメニューに明記して料理を提供してもらい、PRにも力を入れている。

 市農業委員の小島豊さん(69)は昨春、六十株の栽培を始め、順調に収穫期を迎えた。長年、従来の栽培法で自家用につくってきたが、うまく育たず、先行する農家の畑を見て「一年でこんなにたくさん出るのか」と驚いたという。

 今回は近隣住民への直売が主体だが、今春は百二十株に増やし「たくさん採れればJAにも出したい」と話す。市内には少量多品種の野菜を栽培する小規模農家が多く「小規模でもできるので勧めたい。市の名産にしたい」と語った。販売は今月末まで。

甲信越(top

姨捨の棚田「農」でつながろう 遊休農地活用 地元農家の試み 信濃毎日新聞 19.5.15

 千曲市の姨捨の棚田でコメ作りを手掛ける農家、森理彰(まさあき)さん(52)が、一帯の遊休農地で、都市住民らとコメや野菜を育てる農業体験の試みを始めた。農家の高齢化で増加した遊休農地を活用し、都市圏などとの結び付きを強める狙い。森さんは、農作業で汗を流しながら、一帯の景観の良さや食の大切さを見直してほしい―と願っている。
 12日に初回の農業体験があり、県内外の親子連れなど約20人が参加した。森さんは、栽培する作物の希望を参加者に聞きながら、ナス、トマト、キュウリなどの苗の植え方を指導。子どもたちは「イチゴも育てたい」とはしゃぎながら、うねに沿って丁寧に苗を植えていった。
 市出身の森さんは、約10年前に会社員を辞め、親が所有する田畑を引き継いだ。当初はわずかな面積だったが、この10年で昔なじみの農家などから「田畑を頼む」と言われ引き受けることが増え、現在は農業を始めた時の約10倍の2・3ヘクタールを管理している。
 先人が苦労して開墾した田畑を守りたい―と、農業体験を通じて交流人口増を図ることを発案。自ら管理する田畑のうち、約37アールを農業体験の場とし、無農薬で育てる。森さんは「都市圏の人たちが農業を体験し、通ってもらうことで、姨捨に愛着を持ってほしい」と話す。
 農業体験は、10月6日まで月1回の計6回を予定。森さんらが用意した昼食を全員で食べながら、午前9時から午後3時まで作業する。収穫したコメは参加1グループ(最大4人)ごとに約30キロを贈る。来年以降も継続して行う考えで、「無農薬でできた野菜のおいしさなどを知ってもらいたい。交流を大事にして棚田を応援する輪を広げたい」と話している。
 参加費は1グループ2万5千円で、あと5、6組が参加できそうだという。問い合わせは森さん(電話080・1086・1454)へ。  
 

北陸(top

 

害獣対策で共同研究 四十万・畑の会 県立大、金沢工大、地元企業 北國新聞 19.5.15

 四十万の里山整備に取り組む住民団体「みんなの畑の会」は14日までに、県立大と金沢工大、地元企業と連携し、害獣対策に向けた本格的な共同研究に乗りだした。監視カメラを設置して野生動物の生態を調べ、畑周辺から害獣を遠ざけるロボットや、害獣が嫌う臭いの開発などを行う。自然豊かなフィールドを学生の研究に生かす試みも進める。

  畑の会は生い茂った竹を使ったビニールハウス作りや市民向けのタケノコ掘り体験などを通じ、持ち主の高齢化で手入れが難しくなった里山の保全に取り組んでいる。一方、イノシシなどによる里山の農作物被害は近年深刻さを増しており、効果的な対策を講じるため、西田敏明代表が各大学と企業に協力を依頼した。

  共同研究には、動物生態学を専門とする県立大の大井徹教授、ロボットシステム専門の土居隆宏准教授が参加し、無人搬送システムの設計などを行う物流運搬設備製造業の「シコウ」(進和町)が技術面でサポートする。 

 現時点では人工知能(AI)を備え、害獣を追い払うロボットや、害獣が忌避反応を示す臭いの開発などを想定している。

  臭い成分については、多くの害獣にとって天敵とみられる、オオカミの尿などが研究対象となっている。西田代表は「アイデアを出し合い、全国でも広く利用できるようなシステムを打ち出したい」と話した。

 

東海(top) 

 

棚田280枚に苗 松崎・石部、出資会員ら400人 静岡新聞 19.5.19

 松崎町石部の棚田「赤根田村百笑の里」で18日、恒例の田植え祭が始まった。県内外から訪れた出資会員や地元住民ら約400人が豊作を祈りながら農業に汗を流した。19日まで。
 棚田の水田は280枚、総面積は約1.6ヘクタール。参加者は長靴やはだしで田んぼに入り、横一列に並んで等間隔で苗を植えた。ぬかるむ足元に苦戦しながらも、腰をかがめて丁寧に植え付けた。
 同棚田では維持管理費の担い手と資金力不足を背景に2012年からオーナー制度を導入している。
 地元住民でつくる棚田保全推進委員会の高橋靖会長(81)は「農業の楽しさを感じてもらい、先人たちが残した棚田をみんなで受け継いでいきたい」と述べた。
 9月下旬ごろ、出資会員らが参加し、稲刈り作業が行われる予定。

 

豚コレラ根絶へ会合 静岡など5県生産者、ワクチン接種決議 静岡新聞 19.5.18

 岐阜県や愛知県で発生が相次ぐ「豚コレラ」の拡大防止に向け、静岡など5県の養豚生産者らが対策を話し合う緊急検討会が17日、名古屋市で開かれた。感染判明から9カ月が経過しても収束が見通せず、静岡県養豚協会が各県に呼び掛けて実現。出席者からは「養豚業の危機だ」などと切実な声が相次ぎ、県域を越えて連携していくことを確認した。
 静岡、岐阜、愛知、三重、長野各県から業界関係者ら約100人が集まった。飼育する豚が感染した愛知県の生産者は「収束の兆しが見えず、経済的にやっていけるか不安だ」と語った。岐阜県の生産者も「再開に向けてみんなが頑張っている。感染ルートを一刻も早く明らかにしてほしい」と求めた。
 会合では豚へのワクチン接種を地域限定で早期に実施するよう農林水産省に求めることを決議した。ただ、使用すると撲滅状態を示す「清浄国」にはなれず、輸出にも影響が出るなどとして、出席した農水省担当者は慎重姿勢を崩さなかった。
 静岡県養豚協会の中嶋克巳会長は「静岡県への感染も時間の問題。関係者は精神的にも肉体的にも限界にきている」と指摘し、「豚コレラの撲滅に向けて心を一つにしたい」と呼び掛けた。

 

高温に耐性、ミカン新品種 静岡県、22年度にも登録へ 静岡新聞 19.5.15

 静岡県農林技術研究所果樹研究センター(静岡市清水区)は、高温に耐性のある温州(うんしゅう)ミカンの新品種を開発した。生産現場を悩ませている「浮き皮」の症状が発生しにくく、ミカンが品薄になる3~4月に出荷ピークを迎えるため、農家の所得アップや労働力の分散にも寄与する。2022年度の品種登録を目指す。
 新品種は01年度から、理化学研究所と共同で研究を進めてきた。「糖度と酸のバランスに優れ、味が濃い」(同センター)のが特長だ。
 静岡県は全国有数のミカン産地。6割強を占める主力品種「青島」は市場で高い評価を受けている。ただ、近年は秋に雨が増えたり気温が高くなったりして、果皮と果肉が分離する「浮き皮」が目立つようになった。業界では地球温暖化の影響が指摘されている。
 新品種は浮き皮が発生しにくい上、収穫時期が青島より1カ月ほど遅い。常温貯蔵に向いているため、全国的に流通量が少ない3~4月に出荷できる。
 JA静岡経済連によると、18年産の県内ミカンの平均単価は2月が1キロ当たり317円だったが、3月は430円に跳ね上がった。担当者は「近年の温暖化で出荷時期は前倒しになっている。3~4月は市場ニーズも高い」と指摘する。春に高品質のミカンを供給できれば、他産地との差別化につながるとみる。
 19年度に品種登録を出願し、市場に出回るのは早くても26年度ごろになる見通し。同センター果樹生産技術科の中村茂和上席研究員は「ミカンの品種を育てるには20~30年という長い時間がかかるが、消費者のニーズに合ったものを開発していく必要がある」と普及に期待する。
 ■異常気象 警戒感強く
 ミカンは品質が天候条件に左右されやすく、県内の生産現場では異常気象への警戒感が広がっている。
 JA静岡経済連は本年度から、ミカンの品種探索事業に乗り出す。農家から突然変異した枝などを募り、有望品種かどうかを検証する。柑橘(かんきつ)果樹課は「産地を維持していくためにも温暖化に適応した品種育成は不可欠」と指摘する。
 ミカンは甘さや果実の形、実がなる時期が異なる枝が農家によって偶然発見されるケースがある。県果樹研究センターが今回開発した新品種は、青島系統のミカンの木に重イオンビームを照射して人為的に突然変異を起こし、選抜を重ねて育成にこぎ着けた。
 政府は2015年に閣議決定した気候変動適応計画で、将来予測される影響として「既存の主要産地が栽培適地ではなくなる可能性もある」と警鐘を鳴らす。全国各地ではパッションフルーツやライチなど南国系フルーツを育てる試みも始まっている。

 

豚の早期出荷を18農場に説明へ 農水省が方針(岐阜) 中日新聞 19.5.15

 家畜伝染病「豚(とん)コレラ」の感染拡大を防ぐため、養豚場に豚を早期出荷してもらい、豚舎を空にして衛生管理を強める対策を提案している農林水産省が十四日、対象となる生産者に対し、近く個別に説明に乗り出す方針を明らかにした。

 野生イノシシの感染確認地域から半径十キロ圏にある県内十八農場を対象に、対策の概要を説明する。これまでに豚コレラが発生した十一農場に対しても、経営再開に向けた衛生管理面の支援策を説明する。

 農水省はこの日、県養豚協会の役員らに向けて二回目となる早期出荷策の説明会を岐阜市内で開いたが、新たな経営支援策などは提示しなかった。農水省の担当者は記者団に「個別の農家に意見を聞き、論点を整理したい」と話した。

 県養豚協会の吉野毅会長は豚へのワクチン接種を重ねて求めつつ、早期出荷を生産者が受け入れるかは「個人の判断だ」と語った。

 

静岡県産米「にこまる」特A効果 消費拡大の起爆剤に 静岡新聞 19.5.15

 2018年産米の食味ランキングで、県西部産の「にこまる」が県内で初めて最高評価「特A」を獲得し、注目が集まっている。生産量はまだ少ないが、販売店の引き合いが強まり、売れ行きも伸びた。コメ離れが進む中、関係者は「生産者の努力が実った。消費拡大の起爆剤に」とブランド定着に期待する。
 「思わず笑顔になるおいしさです」―。4月下旬、浜松市北区引佐町で行われたにこまるの試食販売会。生産者やJA、県の担当者がおにぎりを配り、買い物客にPRした。近所の女性(71)は「もちもちしていておいしい。普段はコシヒカリを食べているが、試してみたい」と10キロを買い求めた。
 にこまるは九州沖縄農業研究センターが育成した品種で、もちもちとした食感と強い粘りが特徴。生産時期が遅く、コシヒカリと組み合わせれば、作業を分散化できる利点もある。本県では11年度に奨励品種となり、袋井市や磐田市、浜松市などで栽培されている。18年の作付面積は973ヘクタール。5年で2倍以上に増えたが、コシヒカリの7分の1にとどまる。
 転機となったのは、日本穀物検定協会が2月に公表した食味ランキング。JA静岡経済連によると、県内スーパーでは店頭に並べた日に売り切れる店舗もあった。「にこまるを取り扱いたい」などと販路も広がっているという。
 のずえ農園(浜松市北区)は市内のファーマーズマーケットで売れ行きが3~4倍に急増した。野末芳弘社長(48)は「静岡でもおいしいお米ができると証明できた。ぜひ地元のコメを食べてほしい」とPRする。
 高温耐性品種の強みもある。同市浜北区のコメ農家桑原成有さん(54)は「コシヒカリは知名度が高く販売しやすいが、高温でダメージを受けやすい。温暖化対策として、にこまるの生産を増やしたい」と話す。
 ■新銘柄続々、競争は激しく 最高評価、獲得最多
 2018年産米の食味ランキングで特Aを獲得したコメは過去最多の55銘柄に上った。全国の産地はコメの新銘柄を相次ぎ投入し、競争が激しさを増している。
 初めて特Aになったのは静岡(西部)の「にこまる」のほか、岩手(県中)の「銀河のしずく」、山形(最上)の「雪若丸」、徳島(北部)の「あきさかり」など。前年に初めて特Aから転落した新潟県魚沼産コシヒカリも返り咲いた。
 コメの1人当たり年間消費量は減り続け、ピークだった1962年度の118キロから半分ほどに落ち込んだ。本県は消費量の約6割を県外産米が占める「消費県」。県は「にこまるの特A獲得を機に、生産面でも認知度アップにつなげていきたい」(農芸振興課)としている。

 

近畿(top) 

 

温州ミカン収穫量 和歌山県が15年連続1位 紀伊民報 19.5.18

 近畿農政局は16日、2018年度の和歌山県内産温州ミカンの収穫量が15万5600トンで、15年連続で全国トップになったと発表した。ただ、面積の減少や台風被害などで、同じ表年だった16年度産より5500トン(3%)少なかった。
 ミカンは豊作傾向の「表年」と、不作傾向の「裏年」を繰り返す特性がある。
 表年だった16年度の県内産収穫量は16万1100トンで、裏年の17年度は天候の影響で、記録がある1971年度以降最少の14万4200トンとなった。2018年度は17年度に比べると1万1400トン(7・9%)増えたが、16年度よりは減り、ここ10年では3番目の少なさとなった。
 農政局によると、果実数は17年度よりかなり多かったが、夏の高温少雨でやや小玉傾向となった。収穫量が16年度より減った主な理由は、秋に続けて襲来した台風20号、21号による倒木や枝折れ、落果などの被害、収穫を目的にした面積「結果樹面積」の減少など。18年度の結果樹面積は06年度の7640ヘクタール以降、毎年減少し7010ヘクタール。生産者の高齢化による廃園などが理由という。

 

中国・四国(top) 

 

販売目標6億円 JA鳥取中央、らっきょう初出荷 日本海新聞 19.5.18

 

街の農地 税軽減へ 高知市が生産緑地制 中四国初 高知新聞 19.5.16

 高知市は、市街化区域の農地にかかる固定資産税を軽減する「生産緑地制度」を本年度から導入する。人口減少などで市街地の宅地需要が細る中、優良農地は維持する土地利用方針に転換する。住宅街などに残る農地はこれまで「宅地並み」に課税されてきたが、営農を続けるなどの条件を満たせば、農地並みの課税額に下がる。15日から事前申請を受け付け、制度の運用開始は来年1月になる見込み。中四国では高知市が初の導入となる。・・・・・・

 

九州・沖縄(top

 

農家、用水確保策求める 硫黄山レベル「1」1カ月 宮崎日日 19.5.19

 霧島連山・硫黄山(1317メートル)の噴火警戒レベルが「1」に引き下げられて18日で1カ月を迎えた。県内有数の米どころであるえびの市では、田起こしや苗作りの準備が進む。今季から稲作を再開できる農家が喜びを感じる一方、断念する農家は「いつになったらコメが作れるのか」と先行きを不安視する。えびの、小林市の観光関係者からは、県道1号(小林えびの高原牧園線)の早期開通や「足湯の駅えびの高原」の活用などを望む声が聞かれた。

宮古島にクジャクが2千羽 農作物被害増え駆除強化 イノシシの食害も 沖縄タイムス 19.5.19

 沖縄県宮古島市はサトウキビやカボチャなどの農作物に被害を与える外来種のインドクジャクやニホンイノシシなどの駆除に力を入れている。2018年度の駆除件数はインドクジャクが300羽と過去最高となり、イノシシは35頭に上った。市の担当者は「農家から被害の報告も増えており、根絶を目指して取り組みたい」と話す。(宮古支局・知念豊)

 市によると、インドクジャクが宮古島に持ち込まれたのは1980年代後半、観賞用として小学校や施設に贈られたものが逃げだし、繁殖して定着したと考えられている。

 今では伊良部島を含めて市内全域で約2千羽が生息していると推測されている。市城辺保良ではニンジンの葉の食害やソバの茎を踏み倒すなどの被害が出ており、農家にとって深刻な事態だ。ソバは踏み倒されると出荷できず、2~3割ほど収穫が減ったという農家も出ている。

 市は2007年度から駆除に乗り出し、18年度までに1775羽を駆除した。しかし繁殖に追いついておらず生息数は減少していないとみており、本年度から新たに4~7月の卵を産む期間に探索犬を使って卵を駆除する方法に取り組み始めた。成体捕獲と合わせ、50年までの根絶を目指している。

 一方、イノシシも同様に島外から持ち込まれたもので現在、市南東部の海岸沿いに約100頭が生息していると考えられている。市城辺保良では、ベニイモやサトウキビの食害が発生した。16年度から本格的な駆除を始め、17年度は41頭を駆除した。

 市の担当者は「外来種は絶滅危惧種のミヤコカナヘビなどの希少種や固有種の捕食も危惧される。生態系保全も踏まえ、有害鳥獣の根絶に取り組みたい」と話した。

 

稲作再開へ取水開始 6月には自動門稼働 伊佐市菱刈土地改良区 南日本新聞 19.5.18

 川内川の水質改善に伴い稲作用の取水を再開する伊佐市菱刈土地改良区は17日、2カ所ある取水門のうち1カ所の門を開け、水路に水を入れ始めた。本格的な通水は、霧島連山えびの高原・硫黄山の噴火で水質が悪化して以降初めて。2年ぶりの田植えは5月下旬に始まる。
 取水門の1キロほど上流にあるセンサーが水素イオン濃度(pH)などの異常を感知したら自動で門が閉まる。装置は菱刈カヌー競技場に近い荒瀬、川北第1の両取水門に県が整備し、6月10日の引き渡し後に稼働する。事業費は約6000万円。
 

大分県の農林水産業創出額53億円減 17年、初のマイナス 大分合同 19.5.14

 県は、2017年の農林水産業による創出額を発表した。総額2214億円で前年度から53億円の減少。全国的な農産物の価格低迷や災害に見舞われ、14年の算出開始以来初のマイナスとなった。
 農業の産出額は1273億円で、前年から66億円の減少。春先から初夏にかけての全国的な好天の影響で白ネギ、小ネギ、トマトなどが大きく値下がり。野菜類だけで48億円減と大きく下げた。肉用牛についても和牛などの高級牛肉は売れ行きが好調だったものの、交雑種や乳牛など低価格帯の牛肉で14億円のマイナス。福岡・大分豪雨や台風18号により、酪農家や県南地域のニラ農家への被害もあった。
 林業は9億円増加し208億円。高性能林業機械の導入などで作業効率が向上し、素材生産量が123万立方メートルから133万立方メートルに増えた。16年に稼働したバイオマス発電所(豊後大野市)での燃料用木材の需要も依然として高く、価格の下支えになった。
 水産業は16億円減少し371億円。佐伯市を中心としたクロマグロの養殖事業が好調な一方、海面漁業でカタクチイワシなどの不漁が響いた。
 付加価値額は11億円増えて235億円。パック野菜、カット野菜など加工向け野菜の生産が拡大。製材品の価格上昇も追い風になった。
 県は「23年に創出額2500億円という目標に変わりはない。農業者の所得向上に向けしっかりと生産振興を図り、気候条件に左右されない力強い農林水産業を目指す」と話している。
 農林水産業の産出額で大分県は全国24位。農業のみの産出額は全国25位で、九州では15年以来の最下位となった。