日本農林水産業:各地の動き:新聞報道から 過去1週間:農業情報研究所 

 

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 2020年7月14日

      

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青森産リンゴ輸出、3年連続3万トン超 コロナ影響少なく 19年産 河北新報 20.7.14

 

18年農業産出額、横手市が県内1位 農地集積進み5年連続 秋田魁 20.7.13

  

 

作物注意! カメムシ増 上毛新聞 20.7.14

 

カメムシ、大量発生新潟県が農作物への注意喚起 新潟日報 20.7.14

  

朝取り野菜など人気 蓼科農家プレオープン 長野日報 20.7.14

 

耕作放棄地で牛放牧 加藤さん 試験的に3頭 宮崎日日 20.7.14

  

北海道top

   

サツマイモ、真狩の特産に 若手農家集団が本年度から挑戦 北海道新聞 20.7.10

 【真狩】村の若手農家がつくるグループ「真狩ドリームファクターズ」(19人)が本年度から、サツマイモの栽培に取り組んでいる。村光の村有地を借りて、一部にサツマイモの苗を植えた。羊蹄山麓はジャガイモの一大産地だが、サツマイモの生産は珍しい。代表の野村祐介さん(25)は「村の新しい特産品を作るため、手探りで栽培ノウハウを見つけたい」と意気込んでいる。

 サツマイモの苗は5月下旬から6月にかけて村有地の畑0・1ヘクタールに定植した。サツマイモの生育には定植から収穫までの日平均気温の積算温度が2400度必要とされるが、真狩村の6~9月の積算温度は2千度弱で約400度足りない。真狩ドリームファクターズは、熱を外に逃がしにくい不織布で作ったトンネルの中で苗の一部を栽培。露地栽培との積算温度や収量の違いを調べ、よりよい栽培方法を模索する。

  

東北top

   

青森産リンゴ輸出、3年連続3万トン超 コロナ影響少なく 19年産 河北新報 20.7.14

 青森県は県産リンゴ輸出促進に向けた対策会議を青森市内で開き、2019年産リンゴ(19年9月~20年8月)の輸出が3年連続で3万トンを超えたと報告した。新型コロナウイルス感染症の影響は少なかったという。
 財務省が6月に発表した貿易統計によると、5月末時点で、県産リンゴの輸出量は前年同期比2%減の3万1306トン。輸出額は4%減の125億9300万円と、6年連続で100億円台に乗せた。
 全体の7割を占める台湾への輸出量は、食味が高く評価されて前年を上回る一方、大規模デモの影響を受けた香港は落ち込んだ。
 新型コロナについて、県国際経済課の担当者は10日の対策会議で「感染が本格的に拡大したのは、贈答用の需要がピークを迎える春節(旧正月)以降だったため、大きな影響はない」と分析する。
 ただ、20年産リンゴに関しては、海外への渡航制限が続く中、現地に出向いて販促活動ができるかどうか不透明。県と生産・流通関係団体などはオンラインのイベント、会員制交流サイト(SNS)を使ったPRも検討する。

18年農業産出額、横手市が県内1位 農地集積進み5年連続 秋田魁 20.7.13

 農林水産省が発表した2018年の市町村別農業産出額(推計)によると、秋田県内では横手市が295億8千万円で最高だった。同市は14年から5年連続の県内トップ。品目別では野菜、果実、花卉(かき)、畜産で1位となり、複合産地としての強みを発揮した。2位は大仙市の232億7千万円、3位は大潟村の129億9千万円だった。
 横手市の産出額はコメが県内2位の130億4千万円。野菜の49億4千万円、果実の35億4千万円、花卉の7億4千万円、豚肉をはじめとする畜産の68億6千万円がいずれも県内トップだった。
 市内は農地の集積や集約が順調で、基盤整備の高い進捗(しんちょく)率が好調を続ける要因になっている。農業法人化も進み、県内トップクラスの110法人(5月現在)を数える。
 市農林部は「県と一体となった支援、相談の充実を図っており、複合化が進んでいる」と説明。「国や県は新規就農、農地拡大、認定農業者を対象に支援し、市は農地を維持する農家や認定農業者ではない農家にも単独支援事業を実施している」と支援の充実ぶりを強調した。
 2位の大仙市は、コメの産出額153億円と、豆類の2億7千万円がそれぞれ県内トップ。野菜の39億4千万円は横手市に次ぐ2位だった。
 大仙市は農家の所得向上を目指し、5年ほど前から独自の大豆産地化事業を推進。市農業振興課は「大豆の作付面積と品質が一定以上を確保できる農家や法人に助成金を交付している。作付面積は徐々に拡大し、品質も県内トップクラス」とした。
 3位の大潟村はコメの産出額が123億円で、村全体の9割以上を占めた。4位の由利本荘市は肉用牛の産出額が県内最高の15億3千万円に上り、市全体では128億3千万円。5位の大館市は市全体の120億5千万円のうち、鶏肉が県内トップの43億3千万円だった。

 

福島産モモ、細菌病が多発 過去10年で被害最大 河北新報 20.7.10

 今月下旬から本格化するモモの出荷を前に、果実や葉が変色する「せん孔細菌病」が産地の福島県内で多発している。県産モモの9割を占める中通り地方では過去10年で最も被害が大きいといい、農家から収量減や収入減を懸念する声が上がっている。
 皇室に届ける「献上桃の郷(さと)」の桑折町。砂子沢地区でモモを50年以上育てる半沢義次さん(68)は、黒い斑点が付いた緑色の実をもぎ取りながら「もう捨てるしかない。ここまでひどいのは初めてだ」とため息をつく。
 半沢さんが営む果樹園約20アールのうち、例年の2倍以上の約5アールで早生種のはつひめ、主力のあかつきに被害が確認された。雨風によって病原菌が運ばれるため防風林の整備、感染した枝の切断といった対策を講じてきたが、広大な果樹園での作業には限界もある。
 「町内の各地に被害がどんどん拡大している。このままでは来年以降の作付けにも影響しかねない」と産地の将来を危惧する。
 ふくしま未来農協(福島市)の担当者によると、例年なら4月上旬から現れる被害が今年は3月中旬に確認され始めた。昨年秋の台風19号で浸水した果樹に病原菌が入り込み、暖冬のため多くが死滅せずにまん延しているとみられる。
 9日には農林水産省の担当者らが町内や伊達市内のモモ農家を現地視察した。
 

   

気候変動の対策検討 郡山市で会議、気温上昇が農作物にも影響 福島民友 20.7.9

 郡山市は3日、市役所で気候変動の影響による被害軽減への対策を検討する第1回「気候変動適応ワーキンググループ会議」を開き、気候変動に適応できる都市整備について考えた。本年度は4回にわたり会議を開き、同市の課題を探る。

 職員約30人が参加。国立環境研究所福島支部の研究員によるセミナーと会議の2部構成で行われた。同支部の戸川卓哉主任研究員は、県内の気候変動の変化予測について講演。県内でも気温の上昇が進んでいるとして、温暖化対策をしないままでいた場合、約60年後には同市の平均気温は5.3度上昇するとした。

 また、気温上昇による農産物の影響としてモモやコメの生産量が増える一方、現在は県内全域で「適地」とされているリンゴは温暖化対策をしない場合、浜通りを中心に「高温不適地」となるなどと紹介した。

 これを受けた上で、職員が環境、農林産業、健康・国民生活の3班に分かれ、各部局が抱える問題点を提示、対策について検討した。このうち健康・国民生活分野では、気温上昇の影響で水中熱中症の心配があり、プールに入れない児童、生徒がいることなどが報告された。検討内容は「地域気候変動適応計画」として、市が現在策定を進めている地球温暖化対策総合戦略に盛り込む予定。

  

 

関東(top

   

作物注意! カメムシ増 上毛新聞 20.7.14

 果樹や野菜の害虫であるチャバネアオカメムシなどの果樹カメムシ類が増加しているとして、群馬県は13日、県内全域に注意報を出した。ナシやリンゴ、ナス、ダイズなどの生産者に対し、早期発見と駆除を呼び掛けている。
 注意報の発令は6年ぶり。県の調査によると、今年は越冬した成虫が多かった。わなにかかる数も増えており、県内7地点中6地点で平年を上回っている。餌となるスギやヒノキの球果が少ないとみられ、代わりに果樹園などへ移動すると懸念されている。

    

農産物、ネット販売へ 8月から期間限定サイト 栃木県がコロナ対策で新事業 下野新聞 20.7.10

 県は、県産農畜産物などを販売するインターネットショッピングサイトを来月から期間限定で開設する。新型コロナウイルスの感染拡大で売り上げが減少した県産品の販売促進を図るとともに、新たな販売手法への挑戦を後押しする。

 サイト名は「とちぎsmile(スマイル)マルシェ」。事業を受託する新朝プレス(宇都宮市)が運営するオンラインのアンテナショップ「もんみや通販」内に特設サイトを立ち上げる。販売期間は8月5日~来年2月末の予定。もんみや通販を通し、国内大手のオンラインショッピングモール「楽天」や「ヤフー!ショッピング」に出品できる。

 サイトに載せる商品の写真撮影や紹介文の作成、購入者の対応などは新朝プレスが担う。出品者は販売する商品を決め、注文が入った際に梱包(こんぽう)して発送するほか、販売した商品価格の15%を手数料として負担する。

 全品3割引きとなるクーポンキャンペーンをはじめ、販売促進のために県が割引費用を負担する。事業費は1億1050万円で、3分の2程度は国の補助金を活用する。

 今月9日には県庁昭和館で、生産者や加工食品製造業者らを対象とした研修会を開いた。計約100人が参加した。園芸用花種子などの卸業ウタネ(宇都宮市)の内村隆之(うちむらたかゆき)開発営業部長は「コロナの影響で販売が落ち込んだ店舗もあった。ネット販売を前向きに検討したい」と話した。

 ()同マルシェ事務局028・680・5247。

      

甲信越(top 

  

カメムシ、大量発生新潟県が農作物への注意喚起 新潟日報 20.7.14

 農作物に被害を及ぼすカメムシ類が新潟県内で大量発生している。昨冬の暖冬少雪で、越冬した個体や卵が多かったことなどが原因とみられ、平年同期の約40倍に上った地点もあった。県は気温が高くなると行動範囲が広がって被害が増える恐れがあるとして注意を呼び掛けている。
 県が6月下旬、県内各地の水田計75地点を調べた。大量発生しているのは、水稲のもみの汁を吸う「アカスジカスミカメ」や果樹を好む「チャバネアオカメムシ」、「ツヤアオカメムシ」、家に入り込むこともある「クサギカメムシ」など。
 ツヤアオカメムシは地点によって平年同期比14・3~40・3倍となっているほか、アカスジカスミカメは県全体で平年の2・3倍、クサギカメムシは2・6倍、チャバネアオカメムシは1・7倍だった。
 アカスジカスミカメは平年同期で比べた場合、確認数が過去10年で最も多かった。

      

朝取り野菜など人気 蓼科農家プレオープン 長野日報 20.7.14

道の駅「ビーナスライン蓼科湖」に、地元農産物の直売所「蓼科農家」がプレオープンした。北八ケ岳ロープウェイを運営する北八ケ岳リゾート(茅野市)が開設。広々としたテントの下に、茅野市と原村産の旬の野菜や果物、切り花が並び、近隣県・地域からの観光客や地元住民らでにぎわっている。

レタスやブロッコリーなど朝取り新鮮野菜のほか、アルストロメリアやキャベツの浅漬けも。同市泉野産の夏秋イチゴも人気を集める。

蓼科の温泉旅館に宿泊し、13日に立ち寄った群馬県の女性は「試食しましたが、ミニトマトもイチゴも味が濃い」。周辺住民も利用し、「ここで買えるとありがたい」と喜んだ。

吹田道夫店長や女性スタッフが、チロル風民族衣装をまとって接客。「農産物を通して魅力を発信したい」と笑顔を広げた。

17日から本格オープンに切り替え、品ぞろえをさらに充実。焼きトウモロコシも販売する。午前8時~午後5時。11月まで毎日営業する予定だ。

   

豚熱1年 再建断念 高森の養豚農家 設備投資負担重く 信濃毎日新聞 20.7.11

 昨年7月13日に県内で野生イノシシの豚熱(CSF)感染が判明してまもなく1年。その2カ月後、飼育中の豚への感染が確認され、全112頭が殺処分された下伊那郡高森町の養豚農家が現地での経営再建を断念したことが10日、分かった。経営者の原誠さん(46)は設備投資などの負担が大きいと判断した。現在も野生イノシシの感染確認は続いており「殺処分は二度としたくない」との思いも強い。今夏、キュウリと飯田下伊那特産の市田柿の栽培農家として新たな一歩を踏み出す。
 養豚業は50年ほど前に父親(83)が始めた。小規模ながらも経営を続けてきた父が体調を崩し、原さんは2018年12月、飯田市内の運送会社を退職して引き継いだ。
 その3カ月前、国内で26年ぶりに岐阜市の養豚場で豚熱発生が判明。県内では19年7月13日、木曽郡木曽町の野生イノシシ1頭で初めて感染が確定した。原さんは豚舎に消石灰をまき、出入りの際の消毒を徹底したが、9月19日、豚熱は発生した。
 県が殺処分を行うことになった。当日、いつもなら餌を求める豚の鳴き声が響く豚舎は静かだった。「豚たちも異変に気付いていたのかもしれない」。自身も豚の誘導など殺処分を手伝った。「自分の子ども(のような存在)をなんで自分の手で殺さないといけないのか」。そんな思いを押し殺し、作業をやりきることだけを考えた。
 農林水産省はこの日、豚へのワクチン接種を実施する方針を固めた。それまでは豚肉の輸出入などに影響するとして慎重姿勢を続けてきたが、方針を転換。県内では10月にワクチン接種が始まり、その後、県内養豚場での発生はない。「方針転換があと1カ月早かったら」との思いが込み上げた。
 新型コロナウイルスの感染拡大が社会の関心を集める一方、野生イノシシの豚熱感染も少しずつ広がっている。10日現在、東北中南信の41市町村で計223頭の感染が確認されている。養豚場での感染リスクは残っており、生産者は気が抜けない状況が続く。さらにアジアでは致死率のより高いアフリカ豚熱(ASF)が拡大。有効なワクチンがなく、いったん日本国内への侵入を許せば死活問題となる。
 農水省の疫学調査チームは昨年12月、原さんの養豚場での豚熱発生は、感染イノシシに由来するウイルスが人や小動物、手押し車などによって豚舎に持ち込まれた―と推定する分析結果をまとめた。
 「再び豚を飼いたい思いもあるが、また殺処分するのは耐えられない」。経営再開には、運転資金や設備投資など2億円以上が必要だ。豚熱発生を「仕方なかった」とようやく思えるようになった今春、再建断念を決めた。
 キュウリと市田柿は、もともと父親が高森町内で栽培していた。キュウリは新たに農地20アールを借りて規模を拡大。ビニールハウス4棟を建設中で、25日に定植を始める予定だ。妻(43)も5月、22年間勤めた会社を辞め、一緒に農業を始める。原さんは「養豚を続ける仲間たちも気が抜けない状況の中で頑張っている。自分は方向転換するが、消費者においしい食べ物を届けたいという同じ気持ちで歩んでいきたい」と話している。
  
    

東海(top) 

  

サクラエビ漁「乗り子」大量退職へ 船主「漁存続の危機」 静岡新聞 20.7.12

サクラエビ漁船の「乗り子」らがまとめた嘆願書のポイント

サクラエビ漁の乗り子がまとめた処遇改善などを求める嘆願書

 不漁が続く静岡県の駿河湾サクラエビ漁で、6月5日の春漁終了後、「乗り子」と呼ばれるサクラエビ漁船の乗組員が少なくとも50人以上辞める意向を固めたことが11日、関係者への取材で分かった。雇用している船主に慰留され、今後も乗船する意思を示した乗り子からも待遇改善を求める複数の嘆願書が、漁業者組織の県桜えび漁業組合や川勝平太知事宛てに提出されている。今後、辞める乗り子が増えれば、秋漁の操業に支障が出かねないとの見方も広がっている。
 春漁の水揚げが漁史上最低の25トン余りにとどまったことで、サクラエビ漁師を辞め“下船”を決めた乗り子が増えた。「ここまで乗り子が一気にいなくなれば漁の存続にとって緊急事態だ」。由比地区(静岡市清水区)の船主は嘆く。関係者によると、サクラエビ漁師が所属する由比港漁協(同区)と大井川港漁協(焼津市)を合わせて50~80人の乗り子が辞める意思を持っているという。
 「(サクラエビ漁は)拘束時間が長い割に薄給で、辞めた方が別の仕事に専念できる」。すでに春漁後に辞めた男性(41)は不満を吐露する。サクラエビ漁の乗り子は600人以上とされ、「雇用主」の船主と乗り子の雇用関係は曖昧で、給与明細をもらっていない乗り子もいる。
 男性には共働きの妻、小学生と幼稚園の子がいる。春漁の収入は8万9370円。現在はシラス漁や自営業で生計を立てている。男性は組合の操業方針に疑問を呈する。春漁では2日にわたる自主禁漁区内での操業も判明。「資源状況が悪化している中、組合の判断が信用できなくなった」と漁の将来に不安を抱いたことも大きいという。
 一方、用宗港(静岡市駿河区)と吉田港(吉田町)、相良港(牧之原市)でシラス漁を兼業する乗り子たちは処遇改善を訴える嘆願書をつくり、11日までに組合に提出した。船主と乗り子の水揚げ金配分の改定や、別のアルバイトを掛け持ちしている乗り子のために日々の出漁判断を速やかに伝えることなどを盛り込んだ。

  

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大量落果で不安視 今季ミカンの作柄、JA紀南管内 紀伊民報 20.7.12

 秋から収穫が始まる温州ミカンなどのかんきつ類が、6月に大量に落果したため、農家らは今季の作柄を不安視している。和歌山県のJA紀南は適切な摘果など、栽培管理の徹底を呼び掛けている。
 紀南地方でのかんきつ類の収穫は毎年9月中旬、極早生温州ミカンから始まり、早生温州ミカンとバトンタッチし、年明けからポンカンなど晩柑が始まる。
 花は5月上旬に咲き、その後、果実が育つ。果実が大きくなる過程で自然に落ちる「生理落果」があるが、今季は6月中旬にあった2回目の生理落果が例年以上に多かった。「これまで経験したことがない」と嘆く農家もいる。
 JA紀南指導部によると、開花時期から6月上旬にかけて降った雨の量が少なかった影響とみられるが、確かな要因は分からないという。気象庁の気象データ(南紀白浜)によると降雨は4月下旬はほぼなく、5月上旬は少なく、中旬は平年を上回ったが、下旬は大幅に下回った。
 指導部は「実が大量に落ちたからといって、今の段階で不作になるかどうかは分からない」と説明する。今月9日時点での生産予想は、温州ミカンの極早生が平年比92・7%の3044トン、早生が98・2%の6109トンとしている。
 栽培管理の一つ、摘果は例年、適度な大きさの果実に育てるため、7月から始めるが、「大量に落ちている木であれば、摘果の時期を遅らせたり、少なくしたりするなど、栽培管理に工夫する必要がある」として、農家に対策を呼び掛けている。
 JA紀南みかん部会長の前田泰輔さん(47)=上富田町岡=は「いつもの年なら、摘果することで、おいしいミカンにしていくが、今季はそれができにくい。これまでに経験がないことなので、どのように仕上がるか心配だ。今後、様子を見た上で対策を考えたい」と話している。
 梅雨入りしてからは雨が続いており、前田さんは「ある程度の雨はありがたい。今季は多いかもしれないが、空梅雨よりはいい」という。
 甘くなるなど品質については、梅雨明けから秋にかけての日照時間が影響するため、農家の心配はこれからも続く。

     

南高梅の出荷が平成以降最低 JA紀州、ミツバチの受粉少なく 紀伊民報 20.7.10

 和歌山県のJA紀州は、今季の梅出荷状況をまとめた。着果状況が悪くて不作となり、主力品種の南高梅の出荷量は1335トンで、平成以降で最低だった。
 南高梅の荷受けは5月24日に始まり、7月1日に終了した。ピークは6月7日の約125トン。市場の要望を受けてJA紀州みなべいなみ梅部会は、今年の市場出荷量の目標を約2700トンとしたが大幅に下回った。
 実のサイズは多い順に2L34%、3L31%、L18%、4L13%、M4%だった。
 1キロ当たりの平均市場販売単価(4L~M)は、6月末時点で736円(前年比131%)で高値となったものの、梅農家にとって出荷はしたいが不作で手元にない状況だったという。
 同JAの分析によると、今年は1月の平均気温が8・9度(平年6・4度)と高く推移。みなべ町内の海岸線の満開(八分咲き)は1月30日と前年に比べて3週間ほど早かった。その後は低温や降雨などの影響を受けて、受粉に大きな影響を及ぼすミツバチが活動する期間が少なくなり、着果状況が非常に悪くなった。収穫も平年に比べて1週間以上早かった。
 雨は少なく、特に3月からの積算降水量は6月9日時点で平年の58%。データが残る2005年以降で過去最低となり肥大にも影響したという。
 日高果樹技術者協議会が5月に実施した着果数調査でも、主産地のみなべ町や印南町は過去10年比で実の数は最少との結果が出ていた。
 同JA販売部によると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、漬け梅講習会や店頭販売を自粛したことから、インターネットの動画で梅加工方法を発信するなど消費拡大対策に取り組んだ。しかし、過去最低の出荷量となり十分な供給ができず、市場要望を大幅に下回り満足できる販売ではなかった。
 販売部の岡田壮部長は「今年は大凶作となり、紀州みなべの南高梅のブランドと信用を保つために正念場となった。生協などの契約した数量については、なんとか無事に納めることができた。生産者の皆さんの協力に感謝したい」と話している。
 みなべ町内のある農家は、平年と比べて4割の出来だといい、梅漬け用のタンクは半分が空で収入にも影響が出ると予想。新型コロナの影響で経済の悪い状態が続けば、梅製品の購買が控えられるのではないかと心配している。

   

滋賀 農業用ダムも事前放流 滋賀県など6月から開始、洪水被害を軽減へ 京都新聞20.7.8

 滋賀県などは6月から、県内の農業用ダムなど10ダムに洪水調節可能容量を設定し、基準を超える大雨が予想される場合にあらかじめ貯水位を下げておく「事前放流」の運用を開始している。かんがい期(9~10月)のみ確保可能な容量と合わせ、従来の2・7倍となる最大4335万立方メートルを貯水できるようにし、洪水被害を軽減する。

 既存ダムによる洪水調節機能の強化は、気候変動を背景とする水害の激甚化を踏まえた防災・減災対策の一つで、国土交通省が4月に事前放流ガイドラインを策定。水害リスクが高まる梅雨・台風シーズンに備え、5月29日に県や市町、利水者の土地改良区などが「淀川水系治水協定」を締結し、豪雨前の事前放流やかんがい期の水位低下操作に合意した。
 新たに洪水調節可能容量を設定するのは、いずれも農業用の永源寺ダム(東近江市)、野洲川ダム(甲賀市)、蔵王ダム(日野町)、犬上川ダム(多賀町)。24時間当たりで過去最大の雨量が予想される場合、3日前から各ダムで最大72・5万~3・5万立方メートルを放流して容量を確保する。取水用の既存設備で放流する。
 多目的ダムの青土ダム(甲賀市)、治水ダム(県内5カ所)では、既に設定されている洪水調節容量を使い切る規模の雨量が予想される場合、新たに440万~25万立方メートルを放流して豪雨に備える。
 各ダムの操作規定を変更でき次第、運用する。事前放流後に貯水位が回復せず、渇水が発生した場合は国や県が補償する方向で検討する。

   

中国・四国(top 

  

林業者の雇用創出に6600万円 土佐町議会 高知新聞 20.7.11

 高知県の土佐町議会は10日、臨時議会を開き、一般会計補正予算2億1700万円(累計49億2200万円)、財産取得など3議案を可決し、閉会した。
  主な補正は、新型コロナウイルス対策で林業者の雇用創出に6600万円、プレミアム商品券事業に6278万円。
  雇用創出事業は、町森林組合に林道や電線に掛かる支障木の伐採などを業務委託する。これとは別に、売上減少率が昨年同月比20~50%未満の林業者に上限30万円を給付する。

    

九州・沖縄(top

   

耕作放棄地で牛放牧 加藤さん 試験的に3頭 宮崎日日 20.7.14

 日南市南郷町の和牛繁殖農家、加藤伝(つとむ)さん(38)は、同町脇本の山間地で試験的に牛の放牧を始めた。労力軽減を図り耕作放棄地を有効利用。加藤さんは「将来的に規模を拡大し、若い人たちの参入も促したい」と意気込んでいる。

   

ミツバチで恩納を活性化 養蜂業者養成へ村が説明会 琉球新報 20.7.13

 【恩納】恩納村が取り組むプロジェクト「Honey&Coral Project(ハニー&コーラル プロジェクト)」の説明会が6日、恩納村役場2階会議室で開かれた。
 営農支援として養蜂家と加工業者の育成を目指した「ミツバチを活用したむらづくり」に向けたプロジェクト。観光立村にふさわしい海や景観を維持するため、農地からの赤土流出防止対策の一つでもある。主催者の恩納村赤土等流出防止対策地域協議会の外間毅会長(村副村長)のあいさつで始まり、採蜜体験まで2時間の説明会となった。
 最初に赤土対策講座とプロジェクトの説明を村農業環境コーディネーターの桐野龍さんが行い、農林係・農政係・農業委員会が養蜂業を始めるための各種申請書について説明した。
 村が支援する内容は(1)養蜂群(女王・働き蜂)の助成(予定数10群)と養蜂箱の提供(2)ミツバチ飼育の技術指導(3)蜂蜜販売などの支援(買取予定)など。支援対象者にいくつか条件があるが、初めてでも安心して始められる。申込締め切りは14日で、支援期間は2021年3月末まで。問い合わせは恩納村役場農林水産課内恩納村赤土等流出防止対策地域協議会(電話)098(966)1202(担当・渡久地、桐野)

   

鶏舎倒壊で8千羽死ぬ 農地、施設被害相次ぐ 熊本県内豪雨 熊本日日 20.7.9

 7日深夜から8日未明にかけての大雨で、熊本県北地域では農地や農業施設の被害が相次いだ。

 南関町肥猪[こえい]では、崩落した斜面から土砂が近くの養鶏場に流れ込み、鶏舎2棟が倒壊。肉用鶏(ブロイラー)約8千羽が下敷きになって死んだ。

 鶏は全て、あと10日ほどで出荷予定だったといい、経営者の堀修二さん(70)は「あぜんとして言葉も出ない。この年齢では復旧する気もなか」と肩を落とした。

 産山村では中心部を流れる山鹿川が氾濫し、周辺の田畑が冠水。同村田尻のトマト農家、大塚史誠さん(41)方ではビニールハウス1棟が流木などに押しつぶされ、5棟が水に漬かった。「6月中旬に出荷が始まったばかり。今後の生育に影響が出ないか心配だ」

 一方、県が8日発表したこれまでの豪雨による農業被害状況によると、収穫期を迎えた葉タバコが人吉市や錦町、相良村などで150ヘクタール冠水。水稲は八代市や水俣市、芦北町などの125ヘクタールに土砂流入や冠水があった。

 果樹は芦北町や津奈木町のかんきつ類を中心に、18カ所でビニールハウスの倒壊や土砂流入、樹園地の崩壊などが起きた。畜産は芦北町の養鶏場2カ所が水に漬かり、ブロイラー計1万1千羽が死んだ。

 農道や水路は、八代市や水俣市、芦北町などで78カ所の損傷を確認している。

 県農林水産政策課は「現地確認ができていないケースもあり、被害がさらに膨らむ可能性がある」という。
 

閑静な住宅街に畑登場 宮崎日日 20.7.9

 住宅街を開墾しました。宮崎市まなび野の一画に地元住民グループが「みんなの農園」を開いた=写真。100坪以上の畑でスイカや枝豆など約15品目を育てている。
 隣に住む松尾昭三郎さん(69)の所有地。地域活動に利用してもらおうと仲間たちと5月に耕し始めた。子どもたちとサツマイモを植えるなど世代間の交流拠点にもなっている。
 ここにベンチを置いて、飲み会も開けるといいな」。作物と一緒に松尾さんの構想もどんどん膨らんでいる。つまみはみんなで育てた枝豆と地域の話題がぴったりだろう。

 

水田冠水「諦めるしか…」 稲が倒伏農家悲痛 宮崎日日 20.7.8

 梅雨前線に伴う大雨の影響で、県内の稲作農家が冠水被害に見舞われている。串間市では、収穫間近の早期水稲の水田に決壊した水路の水や土砂が流れ込み、稲が倒伏。米どころのえびの市でも、田植えを終えたばかりの普通期水稲が泥水に漬かった。「順調に育っていたのに」「今季は諦めるしかない」。7日の県内は一部で激しい雨が降り、農家は被害が拡大しないか今後の天候に気をもんだ。

養鰻池に土砂、水田浸食…大雨で農林水産業被害相次ぐ 鹿児島県 南日本新聞 20.7.9

 3日からの大雨で、鹿児島県内の水田や果樹園、ウナギの養殖池などでも、崖崩れや土砂流入などの被害が相次いだ。
 鹿屋市祓川町の肝属川周辺では堤防が決壊して水田に川の水が流れ込み、約300平方メートルがえぐり取られた。田植えが済んだばかりの駒路弘志さん(60)は「(河川管理者に)せめて土のうを積んでもらわないと、残った田も崩れてしまう」と一刻も早い復旧を訴えた。

 さつま町中津川の花卉(かき)農家の今村耕一さん(70)は、葉物のアイビーを育てるビニールハウスが土砂崩れで一部押しつぶされた。泥水が入り込み、3分の1程度は出荷できない見込みだ。
 コロナで出荷量が落ち込んだところに、水害が追い打ちをかけた。「秋には需要が戻るかもしれないと頑張ってきたのに。復旧させたいが、先が見通せず頭が痛い」と話す。

 志布志市有明の楠田淡水では、崖崩れで24カ所ある養鰻(ようまん)池の半分以上に土砂が流入し、水を入れ替えるポンプ室も倒壊した。土用の丑(うし)の日向けに約12トンを出荷予定だったが「餌を与えられず、十分に育つかどうか」と楠田和也社長(31)。「コロナが一時収まり、出荷態勢も整った矢先だけに残念」と肩を落とす。
 県によると、8日午後3時現在、伊佐市、薩摩川内市、出水市などの水田54.4ヘクタールに土砂が流入するなどし、伊佐市のカボチャと根深ネギの計12.6ヘクタール、南さつま市の葉タバコ1ヘクタールが冠水。出水市では甘夏の果樹園計50アールに土砂が流入し倒木したほか、鶏舎が浸水しブロイラーのひな1800羽が死んだ。
 伊佐市とさつま町ではハウス計4棟に土砂が流入。長島町では林道ののり面・路肩崩壊が17件、南九州市、鹿児島市、薩摩川内市などでは林地計8カ所が崩壊、出水市の治山施設4カ所が被害を受けた。
 水産業では、薩摩川内市の手打漁港で背後の斜面が崩れ、土砂除去に110万円を見込む。被害額は調査中で、今後も増える可能性がある。

    

豚熱で1万2千頭殺処分されたのに…手当金の支払いゼロ 発生から半年 評価額の算定が難航 沖縄タイムス 20.7.8

 1月8日に沖縄県内で33年ぶりに豚熱(CSF)が発生してから、8日で半年になる。豚熱が発生した計10農場で計1万2381頭の豚が殺処分された。県は、発生農家や移動、搬出制限で経営に影響を受けた農場に対する国からの手当金支給の作業を進めているが、評価額の算定に時間がかかっており、同日までに支払われた農家は一戸もない。

豚の評価額の算定から支払いまで

 国から農家に手当金が支払われるには(1)県と農家が評価額を算定(2)県と国が算定額の妥当性をチェック(3)農家が国に申請書を提出-の3段階の手順を踏む必要がある。この流れがスムーズにいくと申請から早くて3カ月で支給されるが、作業は長期化している。

 出荷時の記録や飼料を購入した際の伝票が残っていないなど算定作業が難航している農家もある。アグー豚についても明確な評価基準がないため、農家との折り合いを付けるのが難しい課題がある。

 豚が殺処分された全10農家は7日までに、県との話し合いで評価算定額を決定している。ただ、このうち6農家は県と国が算定額の妥当性を審査中。残りの4農家は評価算定は終了し、国に申請している段階だ。

 半径10キロ圏内の68農家は県と評価算定を調整中で、手当金を受け取るめどは立っていない。

 県畜産課は4月に「豚熱に係る手当金等評価チーム」を発足させ、14人体制で手当金などの算定、支給に向けて取り組んでいる。