日本農林水産業:各地の動き:新聞報道から 過去1週間:農業情報研究所 

 

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 2020年4月7日更新

 

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サクラエビ、昨春より小型化顕著 自主規制呼び掛け 静岡新聞 20.4.7

 

新規就農者の助成額を倍増 羽咋市、年15万円を30万円に 北國新聞 20.4.7

    

北海道top

  

<コロナ・ショック 現場は今>道南イカ加工苦境続く 不漁に追い打ち 在庫山積み 土産物需要減、輸入原料高騰懸念も 北海道新聞 20.4.5

【函館、北斗】記録的なイカの不漁で原料高に苦しむ道南の水産加工会社が、新型コロナウイルスの感染拡大でさらなる打撃を受けている。観光客の急減でイカ珍味などの土産物需要が落ち込む一方、原料イカの輸入相手国も感染防止のために冷凍加工場の操業を相次いで抑制。原料の品薄感が世界的に強まりつつあり、需要が戻って在庫がさばけたとしても、その後の原料調達にも暗雲が立ちこめている。

 「新たな販路を急に開拓するのは難しい。在庫は増え続ける一方だ」。道南の加工会社社長は倉庫に山積みされたイカ加工品を見上げ、力なくつぶやいた。・・・

 

東北top

 

新型コロナ拡大...農畜産業に『危機感』 価格下落や売り上げ減 福島民友 20.4.6

 新型コロナウイルスの感染拡大が、県内で生産される農畜産物にも影響を広げている。感染拡大によるイベント自粛や一斉休校、外食需要の減少で花きや牛肉を中心に価格の下落が止まらず、生産者の経営を圧迫する。関係者からは「先行きが見えない」とため息が漏れる。

 「業界全体の取り組み必要」

 【肉用牛】「もう話にならない」。小野町やいわき市など県内外4カ所で計約1800頭の肉用牛を飼育する「伸ちゃん牧場」(小野町)の長谷川栄伸社長(64)は開口一番、食肉の価格下落を嘆いた。

 肉用牛の取引価格は今年に入り、徐々に下落。新型コロナウイルスの感染が国内で広がった3月中旬には「ガクンと落ちた」という。下落の主な要因は感染拡大により輸出が止まっていることや外食控え。同牧場の牛は通常価格の6割程度にまで下がった。長谷川さんは「(需要減で)相場は全体的に下がっている。一牧場の力だけでは牛の価格を回復するのは難しい」と指摘する。

 同牧場では生後7~8カ月の子牛を約1年半育て、出荷している。「売れているうちは、まだまし。もし、値段がつかなくなったら怖い」。牛舎に限りがあるため、価格が下がっているからといって売らないという選択肢はない。「生き物を扱っているので経営は止められない。安く売った分、安く仕入れるくらいしか対策が思い浮かばない。業界全体の取り組みが必要」と力を込める。

 「直売客数も減少傾向」

 【イチゴ園】シーズン真っただ中の観光イチゴ園も苦境に立たされている。相馬市の和田観光苺組合のイチゴ園は例年なら学校関係などの団体を中心にイチゴ狩りでにぎわうが、既にキャンセル数は700件に及ぶ。影響は直売にも出始めており、関係者は不安を口にする。

 イチゴ狩り、販売の売り上げは3月末時点で、組合が母体となる法人会社と組合の7農家合わせ約4700万円と、前年度より1000万円以上減少。シーズン終了までにさらに影響は広がるとみられる。

 団体行動自粛の影響でイチゴ狩りが苦戦する分、これまでは直売でカバーしようと奮闘していたが、その客数も減少する傾向が出てきている。組合は、近隣自治体で新型コロナウイルスの感染が確認された影響が大きいとみている。

 相馬福島道路の開通区間拡大などで震災後は着実に客数が伸びていただけに、斎川一朗組合長(71)は「いつまでこのような状況が続くのか。一刻も早い終息を願うしかない」と話す。

 「作付け減らす考えも」

 【ダリア】お祝い事などで好まれるダリアが特産の塙町。「4月は球根の作付けを行う時期だが、今年は昨年の半分程度しか植える予定はない」。そう話すのは生産者の石井とし子さん(62)。例年はビニールハウスと露地で計約20アールを作付けしていたが、感染拡大による価格下落と需要減を受け、今年は作付けを減らすことを考えている。

 JA福島五連などによると、ダリアの販売価格は前年の3~4割。「結婚式などでよく出荷されていたが、自粛の影響もあってかあまり注文がない。イベント自粛が今後も続くと価格が暴落してしまう。先行きが見えない」と不安を口にした。さらに同町では、東京五輪延期も生産者に影響を与える。町地域おこし協力隊として五輪向けに開発したダリアの新品種「メダリスト」生産に関わる岩見麻衣子さん(31)は「今年出せるはずだった分が出せなくなってしまった。冬場はビニールハウス内の暖房器具の確認も必要で、作業が大変になる」と話した。

   

 

関東(top)

 

栃木県「家族経営協定」農家が全国3位 栃木県、昨年3月末3751戸 前年同期比2.3%増加 下野新聞 20.4.6

 家族で取り組む農業経営について、経営方針や就業条件などを取り決める「家族経営協定」の県内締結農家数が、昨年3月31日時点で3751戸だったことが5日までに、農林水産省のまとめで分かった。順位は全国3位で、前年同期と比べると2・3%増加した。県全体で推進を図ってきたことが奏功したとみられる。

 同協定では家族間の十分な話し合いに基づいて、全員が意欲と生きがいをもって農業に取り組めるよう、休日や労働時間、報酬、家事労働も含めた役割分担などを取り決める。

 農水省のホームページによると、農業は家族単位で営む人が多いため各世帯員の役割や労働時間、報酬などが曖昧になりやすく、不満やストレスが生まれやすい。このため協定締結をきっかけに、家族全員が意欲的に働ける環境の整備や農業経営の改善につなげてもらおうと、国は普及推進に取り組んでいる。

 県も2001年に「とちぎの農業・農村男女共同参画ビジョン」を策定し、個々の能力が発揮できる家族経営を推進している。

 県経営技術課によると、市町や農業関係団体が会議の場などで協定の締結を呼び掛けている。こうした結果、締結農家数調査が始まった11年以降、本県の締結農家数は右肩上がりに増えている。

 17年に締結した宇都宮市福岡町、ナシ農家駒場真司(こまばしんじ)さん(35)は協定メリットについて、「家族と話し合いながら休みなどを設けると一つのモチベーションになる」と説明した。「農家は休みなく働くのが当たり前だと思われているが、休みや働く目的を明確にすることで、家族と声を掛け合いながら繁忙期なども乗り越えられる 

 

食料備蓄が激減 宇都宮のフードバンク 新型コロナで寄贈イベント中止 下野新聞 20.4.4

 市民や企業から寄付された食料品を生活困窮者へ提供している宇都宮市塙田2丁目のNPO法人「フードバンクうつのみや」で、食料の備蓄が激減している。需要が多い時期であることに加え、食品を募っていたイベントが新型コロナウイルスの感染拡大で中止されたことが主な要因という。

 同法人によると、年度替わりの3~4月は、失業者の増加などで利用希望者が年間で最も多い季節となる。2019年度は食品を受け取った約360人のうち、4分の1ほどがこの2カ月間に集中していた。

 食品を集めるため、イベントにブースを出して参加者に寄贈してもらう「フードドライブ」を定期的に実施。1回につき100キロほど集まっていたが、新型コロナウイルスの影響で中止が相次いだ。台風19号の被災者への支援を続けていることも、備蓄の減少に影響しているという。

 食料品は原則、消費期限や賞味期限まで1カ月以上残っているものを受け付けている。同法人の徳山篤(とくやまあつし)理事長(54)は「社会全体が苦しい時だが、缶詰やレトルト食品などの寄付をぜひお願いしたい」と呼び掛けた。

 

甲信越(top 

 

丹精込めた牛 初競り厳しく佐渡 新型ウイルスで価格下落 新潟日報 20.4.3

 新潟県内外でブランド牛に育てられる佐渡生まれの子牛の競りが2日、佐渡市北川内の高千家畜市場で今年初めて行われ、104頭が競り落とされた。新型コロナウイルスによる消費低迷のあおりで昨年11月の前回から価格は下落。平均で約11%下がり、57万8378円、最高価格も約7%低い88万1100円だった。
 JA佐渡が毎年4、7、11月に開催。今回は同JAの繁殖支援施設を含む35軒から出品され、岐阜、福島、山形の各県の4業者と県内7業者が参加した。良質な子牛は飛騨牛などのブランド牛として肥育される。
 会場では、成牛5頭を含む牛が次々と出入り。各業者は牛の発育状況や血統を見定め、ボタンで応札していった。
 近年は高値傾向が続いていた中、同JA畜産振興課の菊池敏課長(51)は新型コロナの影響を指摘。「外食や観光・宿泊の低迷で全国的に牛肉の需要が落ちている」と説明する。出品した山登忠男さん(84)=岩谷口=は「購買者が来てくれただけでありがたい。落ち込まずに次に期待したい」と話した。

 

新潟大が暑さに強いコメを新開発開発した教授「超進化したコシヒカリ」 新潟日報 20.4.3

 新潟大学は3日、暑さに強いコメの新品種「コシヒカリ新潟大学NU1号」を開発し、品種登録したと発表した。コシヒカリの突然変異を利用して生み出され、同等の食味を持つ。新大が独自に新品種を開発し品種登録するのは初めて。高温によるコシの品質低下が課題となる中、コシの後継を目指してさらに改良を進める。
 県内では2019年、記録的な猛暑の影響でコシの1等米比率が急落し、農家の収入減につながった。新潟大の三ツ井敏明教授(応用分子細胞生物学)らは01年ごろから高温に強い品種を研究している。
 全国的に1等米比率が低下した10年に鹿児島県で実験。コシは高温障害によって白い未熟粒が多く整粒が2割以下になったが、NU1号は整粒が8割で1等米相当の品質を確保した。19年の猛暑でも県内のほ場で高い品質を保ったという。
 NU1号は、複数の品種を掛け合わせる手法ではなく、コシ(原種)の細胞を培養する過程で起きる変異を利用した。このため「遺伝子は原種のコシと非常に近い」(三ツ井教授)。味や栽培時期なども似ている。
 ことしは刈羽村の農家に20アールで作付けしてもらい、栽培のしやすさなどを検証する。低温にやや弱いなど弱点もあるため、県と連携して改良を図る。
 三ツ井教授は「地球温暖化に対応し、品種の改良が必要だ。県と共同でさらに改良し、『超進化コシヒカリ』を皆さんに食べてもらいたい」と話した。

   

東海(top) 

 

サクラエビ、昨春より小型化顕著 自主規制呼び掛け 静岡新聞 20.4.7

 静岡県水産・海洋技術研究所(焼津市)は6日、県桜えび漁業組合が駿河湾内での資源調査で採取した385匹の体長組成分析結果を発表し、不漁が深刻化していた昨年同時期と比較して「0歳エビ」と呼ばれる産卵前の個体が小型化していることを明らかにした。産卵時期の遅れとみられ、資源回復が途上であることから、県は5日解禁した春漁で自主規制を徹底するよう呼び掛けた。
 県水産資源課によると、同組合が昨年3月15日に採取したサンプル661匹の分析では0歳エビの体長は36~38ミリの個体が最も多かった。一方、ことし3月30日に採取したサンプルでは、体長28~30ミリの割合が最も多かった。
 昨年春漁に比べやや狭めたものの、ことしの春漁でも禁漁区とした主産卵場の富士川沖などの湾奥でも0歳エビは小さかった。
 同組合は2018年秋漁を漁史上初めて全面休漁とし、19年春漁以降は1日当たりの操業隻数や投網時間など自主規制を敷いてきた。
 同課の担当者は「原因分析はしていないが、30ミリ以下のエビは昨年の遅れた産卵時期に生まれた個体と思われる」と指摘。ことしの春漁について「小さな個体の割合が多いため、同じ重さのエビを水揚げした場合、通常より多くの匹数を水揚げすることになる」と過度な漁獲を控えるよう呼び掛けた。
 一方、サクラエビ研究で知られる大森信東京海洋大名誉教授は3月上旬の本紙の取材に「現在の駿河湾ではエビの産卵のピークは3カ月程度遅れている」と指摘し、元に戻すためにはより慎重な漁業活動と海洋環境の調査の必要性を訴えていた。

 

サクラエビ漁師と加工業者、新型コロナ感染防止へガイドライン 静岡新聞 20.4.4

 5日に解禁予定の駿河湾産サクラエビの春漁について、サクラエビ漁師でつくる県桜えび漁業組合や、静岡県内のサクラエビ加工組合でつくる「県桜海老加工組合連合会」は3日までに、新型コロナウイルス感染防止策を決めた。関係者が近距離で水揚げや競りを行うため、防止策が必要と判断。発熱があった乗組員らの乗船見合わせと所属船の操業停止、仲買人への検温義務化など具体的な方策を導入する。
 県桜えび漁業組合は乗組員の健康と食品衛生の観点からガイドラインをまとめた。乗組員やその家族に発熱など感染が疑われる症状が出た場合、乗組員は2週間、漁に関わる作業や乗船を見合わせ自宅待機する。ウイルス感染が確認されたら、乗組員と所属船、操業でペアとなる船は2週間、出漁せず自宅待機することなども定めた。
 低温下で鮮度を保つため“密室”の荷さばき場で競りを行う仲買人もウイルス対策を講じる。県桜海老加工組合連合会は、競りが行われる荷さばき場に入場する際、仲買人に検温を義務化し、37・5度以上の発熱がある場合は入場を認めないとした。荷さばき場に入場できる人数を制限し、各社2人までとする。
 新型コロナウイルス感染拡大を受け、サクラエビ料理を提供する由比港漁協の直営店「浜のかきあげや」(静岡市清水区)は5月8日まで臨時休業、大井川港漁協も直営食堂「さくら」(焼津市)を4月中は営業自粛している。

  

サクラエビ春漁5日解禁、操業自主規制を維持 6月5日まで 静岡新聞 20.4.4

 駿河湾産サクラエビの春漁が5日、解禁する。厳しい不漁が続く中、県桜えび漁業組合(実石正則組合長)は資源保護のため、2019年春漁以降続けてきた自主的な操業規制を維持する。漁師や競りを行う仲買人の新型コロナウイルス感染防止の措置も講じる。漁期は6月5日まで。
 主な産卵場とされる湾奥の禁漁区は昨年春漁(沼津~興津沖)に比べ狭めたものの、富士~由比沖について維持した。一方、3月下旬の資源調査で群れが一定量確認された静波沖などでは1日の操業隻数を最大60隻、投網時間を20分とするなど緩和した。
 ウイルス対策では、乗組員らに感染症の症状が出たら自宅待機したり、競りが行われる荷さばき場に入る仲買人に検温を義務付けたりするなど措置を講じる。
 東京方面の市場関係者は3日の取材に「インバウンド客用の高級食材は売りにくくなっている」と話し、価格が高騰中の駿河湾サクラエビが市場でどう受け止められるか心配の声も挙がっている。

   

北陸(top 

 

新規就農者の助成額を倍増 羽咋市、年15万円を30万円に 北國新聞 20.4.7

 羽咋市は今年度から、自然栽培に限定していた新規就農者への助成制度を改定し、自然栽培でなくても助成金を受け取れるようにした。年15万円だった助成金は30万円(最大5年間)に倍増した。創設から丸5年となる同制度は、県外から移住者を呼び込む一助にもなっており、市は助成拡充で農業振興と共に人口減少の抑制や地域活性化につなげたい考えだ。

  市独自の「自然栽培新規就農者助成金」は2015年度に創設。自然栽培の就農者に年15万円(最大5年間)の助成金が支給される制度で、昨年度までに10組14人の農家に支給された。

  市によると、全員が羽咋での自然栽培を志した市外からの移住者で、いずれも国の新規就農者に対する年間最大150万円(最長5年間)の助成金も受け取った。空き家を借りた場合の家賃補助や、環境保全型農業直接支払い助成金なども支出された。

  改定された制度では、新規就農者の研修を行った農家に対し、最大9か月間、毎月2万円を助成することも加わった。空き家家賃補助金も今年度から一部で金額を上乗せし、空き家活用の場合は最大2年間にわたり月2万5千円を支給する。

  市の担当者は「農業の担い手を増やすことで、農村部の活力を維持し、耕作放棄地の減少にもつなげたい」と話した。

 

富山湾の宝石・シロエビ漁解禁 初水揚げ3割増の2833キロ 北日本新聞 20.4.1

 「富山湾の宝石」と呼ばれるシロエビの漁が1日解禁され、射水市八幡町の新湊漁港には昨年より3割多い2833キロが初水揚げされた。透き通った淡いピンク色のシロエビがたっぷりと入った籠が次々運ばれ、春の訪れに港は活気づいた。
 同漁協に所属する小型底引き網漁船5隻が午前4時半ごろから出漁し、沖合約3キロ、水深約200~300メートルの漁場で操業した。体長は7、8センチほどで、例年並み。
 競り落とされたシロエビは県内のスーパーや飲食店に出荷された。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、飲食店の来客が減っているため、同漁協は「今後価格に影響するかもしれない。見守るしかない」としている。
 漁の最盛期は6~8月で、11月末まで続く。
 

    

近畿(top) 

  

耕作放棄地にオリーブ植樹、景観生かし名所へ 京都・天橋立近く 京都新聞 20.4.2

 天橋立のある京都府宮津市府中地区でオリーブを育てて観光振興につなげようと、地域住民らが28日、地元の農地で苗木の植樹を行った。約15人が参加し、1メートル50センチほどの苗木を手際よく植えていった。

 同地区は多くの観光客が訪れる一方で、耕作放棄地も抱える。そこで、他の果樹に比べて手のかからないオリーブで景観を回復し、特産にもしようと住民らが初めて企画した。
 この日は、イタリア産の50本余りの苗木を用意。根をほぐし、計900平方メートルの農地に植えた。肥料には地元料理店などから出たイワガキを砕いて再利用する。
 中心となって活動する同市中野の古橋正美さん(60)は「大きく育てば、オリーブの枝を使ったリース作りや実を使った塩漬けなども考えたい」と話した。

    

中国・四国(top 

   

  

九州・沖縄(top

 

大分ブランド魚ピンチ 宴席敬遠、都会への物流も縮小 コロナ禍を歩く ルポおおいた 大分合同 20.4.6

 3日午前11時すぎ。大分市佐賀関幸(こう)の浦の富士見水産佐賀関店は、同市都町の飲食店に届ける関アジの注文を取りまとめていた。
 一本釣り漁を終えた小型船が幸の浦漁港に次々と乗り付けてくる。買い入れた関アジはいけすに放たれ、勢いよく尾びれを振った。
 「大漁はうれしいけど」。姫野透社長(57)は言った。「今日の配達は8軒。普段の半分ぐらいや」
 東京、大阪、福岡…。新型コロナウイルスの影響は地元・都町をはじめ、主要な出荷先の大都市圏で外食産業を直撃している。宴席が敬遠され、日本料理店やすし店、ホテルなどで扱われる高級ブランド魚の関アジは苦戦する。
 物流の縮小も痛い。福岡―大阪間の航空便が減り、1日からは関西に商品を送れなくなった。
 魚はだぶつき、市場の相場は下落した。在庫を抱えた姫野さんは1匹2500円の関アジを破格の1000円引きで店内の直売所に並べ、売り切った。
 「名前は知っていても、食べる機会がなかった人は結構いる。うまさを知ってもらえたのでは」
 とはいえ、大衆魚に比べれば値引いても高価だ。「しょっちゅう晩のおかずになるもんではないからね」。直売だけに頼るわけにもいかない。
 「高いモノほど動かない。今だと、県南の養殖ヒラメも厳しい」。県漁業管理課団体流通班の三浦慎一主幹(46)は苦渋の表情を浮かべる。
 近年、力を入れているカボス入り飼料で育てるブランド養殖魚の売り込みにも影響が出た。3月末に県内のスーパーで計画していたブリ、ヒラメに続くヒラマサの本格的なPRイベントは、人の密集を懸念して見送った。
 2011年3月に発生した東日本大震災の際も、首都圏の物流停滞や停電の不安から鮮魚が売れない時期があった。それでも5月の大型連休前には回復の兆しがあったという。今回はまだ、出口が見えない。
 外食が減るなら、自宅での魚食普及を―。「地道なアイデアを出したい」。三浦さんは知恵を絞る。
 都町に向かうトラックは正午に出発した。いけすからすくった9匹はそのまま積み込み、3匹は神経を抜いて活(い)け締めにした。量は通常の週末の3分の1だ。
 姫野さんは出荷作業をわずか15分ほどで片付けた。「まだ悪くなるんやろうか。うちは中小企業でも小の方だから…」
 危機感が漂った。

   

新型コロナ影響の生産者応援 JA熊本経済連直売所で特別販売会 熊本日日 20.4.5

 JA熊本経済連の直売所「you+youくまもと農畜産物市場」(熊本市北区)は4日、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、売り上げが減少している生産者らを応援しようと特別販売会を開いた。

 外出自粛の影響で販売が落ち込んだり、学校の一斉休校で給食がなくなって過剰在庫を抱えたりしている業者がいることから初めて企画した。

 野菜や果物、ドレッシングなどを通常より1割以上安く販売。普段は全国の催事場を回ってうにコロッケを販売しているという熊本市南区の野崎公誌さん(65)は「3月以降、10件以上のイベントが中止になった。販売の機会をもらえてうれしい」と話していた。

 次回は24日に開催予定。 

 

小城市江里山の棚田保全に尽力 生産組合と蕎麦の会が協定 佐賀新聞 20.4.1

 小城市小城町の江里山地区にある棚田の保全に向け、地元の生産組合と市民グループが応援協定を結んだ。農家の減少や高齢化による棚田の荒廃を防ぐ県の協働応援事業の一環。市民グループが除草や農作物の栽培、交流事業で協力する。

 協定を結んだのは、江里山棚田米生産組合(岡本力男組合長、27人)と江里山蕎麦(そば)の会(田中正照代表、約20人)。蕎麦の会は2005年に発足し、休耕田でソバを栽培しながら住民との交流を続けている。

 江里山地区は天山山系の中腹にあり、約600枚の棚田が広がる。約12ヘクタールで棚田米を育て、2018年産の出荷量は約6トン。春は菜の花、秋には彼岸花が咲く景観でも知られるが、鳥獣被害も増え、国が財政面で保全活動を支援する「指定棚田地域」になった。

 3月26日に現地で調印式が開かれ、岡本組合長(82)は「共に力を合わせて棚田の再生に尽くしたい」とあいさつ。牛津町の田中代表(66)は「棚田を長年守ってきた地域に、微力ながら貢献できれば」と述べた。

 県事業の協定締結は7例目で、生産組合と蕎麦の会にはそれぞれ活動の経費が補助される。