農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2015年8月28日

福島県伊達市民の被ばく線量が平均1㍉Sv以下に なぜ平均値しか伝えない?

 本日付福島民報紙によると、福島県伊達市が27日、「平成26年7月から1年間にわたり測定した市民1万1350人の外部被ばく線量の実測値を発表した。空間放射線量が比較的高い地域(Aエリア)の年間追加被ばく線量の平均値は0・82ミリシーベルトで、国が除染の長期目標とする年間被ばく線量の1ミリシーベルトを下回った」、「特定避難勧奨地点に指定されていた地域を含むAエリアは、年間追加被ばく線量の平均は昨年が1・00ミリシーベルト、2年前が1・59ミリシーベルトだった。B、Cエリアも数値が低下した。仁志田昇司市長は「空間放射線の自然減や、除染の効果が表れている」と評価した。仁志田昇司市長は「空間放射線の自然減や、除染の効果が表れている」と評価した」とのことである

 年間平均0・82ミリシーベルトに低下 比較的高いAエリア被ばく線量住民検査 福島民報 15.8.28

 この報道、何が言いたいのだろう。今やAエリアに住み続けても放射線による健康被害を恐れなくてもよくなった、そう言いたいのだろうか。1ミリシーベルトという基準が妥当とすれば、そういうことになる。しかし、そう言いたいのなら、平均値しか伝えないこの報道の仕方には問題がある。平均値が0・82ミリシーベルトということは1ミリシーベルトを上回る人も相当数いるだろうことを示唆するからである。例えば、一日の大半を屋内に過ごす人と除染もままならぬ農地で働く農業者では、被ばく線量には大きな違いがあるだろう。平均値では市民個々の被ばくの実態は見えてこない。

 なぜこういう報道になるのか、ひょっとして伊達市自体がへ平均値しか発表していないのかと思い伊達市のホームページ(http://www.city.date.fukushima.jp/)を覗いてみたが、平均値どころか、この件に関する情報は全然見当たらなかった(これを書いている時点で)。あるいは特定新聞社に対してだけ明らかにした情報なのだろうか。市にせよ新聞社にせよ、こういう姿勢が改まらないと、いずれ市民の信頼を失うことになるだろう。