農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2015年6月8日

 司法取引法案衆院通過 「裁判が消えていく?」 押し付け憲法反対でも司法はアメリカ追随か?

 安保法案の陰に隠れて目立たないが、7日、司法取引を17年にも導入する刑事訴訟法等改正案が衆院を通過した。容疑者や被告が自分と無関係な他の犯罪について供述するなど情報を提供すれば検察が起訴を見送ったり取り消したりできるようになる。取引の対象は財政経済事件や薬物・銃器事件などに限られるが、アメリカ型司法制度に大きく近づくものであることは否定できない。

 五十嵐二葉(弁護士)によれば、アメリカでは「1970年に連邦最高裁が司法取引を合憲とする判決を出してわずか40年ほどで、今や刑事事件の95%が取引で済まされ、公判は5%(陪審裁判1%、裁判官裁判4%)しか行われていない。本来は陪審員や裁判官がするはずの有罪・無罪の判断や、裁判官が量刑を決める権限を、95%の事件で検察官が持つようになった」(日本版司法取引法案の大問題 裁判が消えていく? 東京新聞 15.8.8 夕刊 7面)

 憲法は押し付けと批判しながら、これに関してはアメリカ追随は一向に意に介さないようだ。いずれ日本も、物やサービスや票だけではない、罪や量刑も取引の対象となる世界に類例のないアメリカ型無公判社会となるのだろうか。