農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2014年12月3日

集団自衛権、原発問題は学生には遠い問題?若者の政治意識はこうも変わったのか?

 今日の東京新聞の「発言」(投稿)欄に、21歳の東京在住大学生(男性)が、「学生に身近な争点設定必要」と題して次のような意見を寄せている。

 「今回の衆院選も学生が身近に感じられる争点が少ない。これも最近の学生の投票率低下の一因であると考えられる。今回の争点はアベノミクス、集団的自衛権など国家安全保障、原発問題など重要な問題は多いが、学生の生活に直接関わってくる問題とは思えない。

 大学予算の充実、奨学金制度の改善、就職活動体制の改善など学生を取り巻く環境で議論すべき問題はたくさんある。選挙に行く第一の動機が、自分たちの生活に関わる争点への興味であっても、参加する以上はそれぞれの政党が掲げる経済や外交政策にも関心を向けるだろう。学生自身が選挙への意欲を高めることも重要だが、学生の投票意欲を高められるよう、政党からの歩み寄りも必用なのではないだろうか」

 60年安保世代のわれわれには隔世の感がある。まともな学生なら、大学予算、奨学金制度、就職活動どころか、本業の学業にさえ背を向けて、理想の天下国家のあり方を論じ、その実現に向けて奔走した。それには乗らないガリ勉派でさえ、多くはそのためにこそ勉強しているのだ思っていた。それは自分の生き方に直接関わる最も「身近」な問題であり、この学生が言う「身近」な問題は最も 「身遠」な問題でさえあった。自分のためというより、世のため人のためにどう生きるかが重要だった。われわれの世代だけではない。恐らく幕末から明治維新の時代に遡っても、若者とはそういうものであったと思われる。

 この学生の言うような学生が今の学生の多数派であるとすれば(これは検証の必要があるが)、いつから、どうして180度変わったのか。ここから先は、政治学者にまじめに研究してもらわなければならない。