農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2015年7月11日

新国立競技場 計画は見直すべき94.1% 安倍内閣支持しない52.4% 日経読者アンケート

 神宮の景観を壊すばかりか建設費が未だに調達の目途もつかないほどに巨額な新国立競技場、建築家や多くの一般国民が建設計画の見直しを求めているが、安倍首相は10日、「再設計の可能性は「時間的に間に合わない」とし、計画を容認した」、何でも首相べったりの菅官房長官も「東京での五輪開催を勝ち取る大きな原動力の一つとなった。間に合わせなければ無責任だ」と設計見直しに否定的な考えを示したとのことである(巨額工費「問題」でも「時間的に変更無理」 首相、新国立容認 東京新聞 7.11)。おかしな言い分である。

 再設計については、建築家らが既にはるかに安い費用の代替案を提案している(
新国立競技場:代替案 建築家ら「1625億円以内で 毎日新聞 15.6.6)。代替案は、開閉式屋根と、その荷重を支える「キールアーチ」と呼ばれる2本の弓状の構造物(長さ約370メートル、高さ70メートル)を建設せず、屋根は客席のみを覆う形にし、さらに2万の観客席を仮設とすれば、約1000億円のコスト削減となり、工期も短縮できるという。この案を採用すれば、景観問題も、費用の問題も、完成時期の問題も一気に解決されるはずだ。

 首相も官房長官もこの代替案を知らないはずがない。それでも原案にこだわるのは、新国立競技場は国威を誇示する場と考えているからだろう。貧相な(彼らにはそう見える)代替案など問題外だ。技術的にどんな困難があろうが、金がいくらかかろうが、国民にどんな犠牲を強いようが、これはやってのけねばならない。放棄するのは日本の「無責任」を世界に誇示するようなものだ。資金調達の目途も立たないのに原案に突き進む方が「無責任」とは全く思わない。
 
 異論に全く耳を貸さない傲慢な態度は、安保法案の例を上げるまでもなく、国会で与党が圧倒的多数を占める以上、今の政府は何をしても安泰という驕りから来る。ただし、新国立競技場問題は、安部政権の命を縮める可能性も秘めている。この問題は、安保法制に比べて国民にはるかにわかりやすい。新国立に向かっての暴走はほとんどの国民が受け入れないだろう。ひいては安倍内閣支持率にも影響するだろう。

 日本経済新聞が新国立競技場計画は見直すべきか否かを問う読者アンケートを始めた(http://www.nikkei.com/news/survey/)。「あなたは計画を見直して建設費を縮小すべきだと思いますか」、「東京五輪に向けて日本が最も優先して取り組むべきテーマは何だと思いますか」、「安倍内閣を支持しますか、しませんか」と問う。

 投票結果の途中経過(7月11日6時1分現在)を見ると、「見直した方がいいと思う」が94.1%で圧倒的だ。そして安部内閣を支持するが47.6%で半数に届かず、支持しないが52..4%の過半数を占める。安倍さん、それでも計画容認ですか?

 最終投票結果(15年7月14日):見直した方がいいと思う=94%、安倍内閣を支持する=45.8%、支持しない=54.2%

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