放し飼い卵余話 耕作放棄地で鶏を飼う?

農業情報研究所意見・論評・著書等紹介農業・農村・食料 2016年9月14日

 最近たまたま、オーストラリア、ドイツの”フリーレンジ卵”(放し飼い卵)、”パスチャード卵”"(草地で飼育された鶏の卵)の話を2回にわたり紹介した。

 移動鶏舎オーガニック卵 ドイツ有機農業の新たな有望分野 日本でも試みる農家いませんか?,19.9.10

 オーストラリア フリーレンジ卵改めパスチャード卵 1㌶1万羽の基準決定で放し飼い卵生産者,16.9.9

 それをご覧になられたか、BSE問題を契機に知り合った「北海道根室台地、乳牛の獣医師として、この国の食料の在り方、自然保護、日本の政治、世界政治」を問い続けている岡井健様(ブログ そりゃおかしいぜ第三章 )から、「平飼い有精卵と有機野菜」に取り組んでいる「環の花  わのはな」(茨城県常陸大宮市氷之沢)をご紹介いただいた。

 そのホームページで知るかぎり、この農園で作られる卵は「平飼い」卵を名乗っているものの、真正の放し飼い卵に違いない。「鶏舎の扉を開けると鶏達は元気に外に飛び出し、運動場を駆け回ったり、地面を掘って餌を探したりしています」という。

 しかし、同じように「平飼い卵」を名乗る各地に散在する農園―グーグルで検索すると見つかる小林農園(北海道)、永光農園(同)、八尾農場(千葉県)、信州伊那谷のたまごやさん歩荷(愛知県)、とりのさと農園(同)、マツダファーム(三重県)、タナカファーム(大阪府)、ただまき農園(兵庫県)、牛尾農場(同)、大江ノ郷自然牧場(鳥取県)、秋川牧園(山口県)など―の中には、鶏卵の表示に関する公正競争規約に従い「1平方メートル当たり5羽以下で」飼育」するものの、鶏は鶏舎内に閉じ込めているものも少なくない。北海道ならともかく、土地に恵まれない本州の諸地域では、鶏を放つ草地を確保するが難しいからであろう。日本にはフリーレンジ卵・パスチャード卵普及の条件はないのだろうか。

 ただし、わが国には40万㌶を超える耕作放棄地(という宝の山)がある。そこに鶏を放つのも一案ではないか。牛を放つのは難しくても、鶏なら何とかなる土地はあるかもしれない