農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2015年12月30日

農地バンク運用弾力化集積促進、放棄地増加に歯止め 中国地方中山間地

 今日の日本農業新聞によると、中山間地が多い中国地方で、農地の「担い手」への集積を促すために国が設けた農地中間管理機構(農地集積バンク)の制度の運用を地方の実情に合わせて見直す動きが広がってきた。中山間地では、農地の出し手はいても条件不利な農地を引き受ける担い手(受け手)はなかなか見つからない(農地集積が遅滞 政府は経済的強制へ ここでも進む専制国家への道 15.5.19)。そういう現実の中で、「集積」を少しでも進める、というよりも耕作放棄地増加を少しで食い止めようとする試みであろう。

 自力で管理できなくなった地権者の「ただでもいから預かってほしい」といった声に応え、広島県では無料賃借を認めた。これは、米価下落など営農環境が厳しさを増す中で条件不利な土地を引き受ける受け手の負担を軽減することになるが、島根、広島、山口の各県は「経営の先行きが不透明なのに10年も先の責任は持てない」という受け手の声にも応え、原則10年の賃借期間を今秋から10年未満にすることも認めたという。

 中国地方の農地バンク 運用弾力化で集積 日本農業新聞 15.12.30 1

 農地バンクを通じての農地集積・規模拡大→TPP諸国にも負けない農業競争力の強化は、安部政権のお家芸となった「事実の裏付けを欠いた断定や論理の筋道も何もない」農政論(⇒農政論議の土台を匡す)の核心をなしている。事実に裏付けられた論理一貫した農政は、地方からしか生まれない。