農業情報研究所意見・論評・著書等紹介農業・農村・食料関係 2018321

全都道府県が種子関連事業を維持 「なぜ種子法を廃止したのか分からない」

どうせなら昨日のうちに言ってくれれば二度手間を省けたのに(参照:種子法廃止 5道府県が現行種子開発・供給体制を堅持 奢れる国の失政を質す  18.3.20)。

 今日の日本農業新聞によると、同紙の調べで、「種子の安定供給を都道府県に義務付けてきた主要農作物種子法(種子法)が3月末に廃止される中、2018年度は、全都道府県が種子関連事業をおおむね維持し、安定供給の体制を継続する方針であることが」が20日に分った、「種子生産に行政が責任を持つ新たなルール作りに動く県も出始めた」そうである。

 全都道府県に聞き取り調査したところ、「都道府県から共通して「優良品種の維持と供給に行政の関与は不可欠」との声が上がった。この他、「地域の気候に適した独自の品種が求められ、育成者の県が主体的に関わることが不可欠」(東北の県)などと、行政が一定の役割を果たす意向が多数を占めた。「なぜ種子法を廃止したのか分からない」などとして、廃止理由に疑念を示す声もあった」という。

 
 「種子法」廃止受け 都道府県 18年度は体制維持 新ルール作り検討 本紙調べ 日本農業新聞 18.3.21

 減反廃止、農地集積、生産資材価格引き下げの強要、農協改革・・・、安倍政権が打ち出す「強い農業」作りのための農業・農政改革の諸手段は、一部あるいは多くの農業者の反発を受けながらも、地方行政が受け入れるところとなってきた。それが地域農業の衰退抑止と発展に多少なりとも寄与する側面があると認められたからであろう。ところが、種子法廃止は地方には完全に「理解不能」な改革手段となってしまった。総スカンといった態、それも当然だ。

「農水省は同法廃止について17年11月、都道府県に対して通知を発出。「これまで実施してきた業務を直ちに取りやめることを求めていない」としつつ、種子生産について「民間の参入が進むまでの間、行政の知見を維持し、民間への知見提供を促進すること」とし、民間の参入を促す取り組みを求めている」(同上)という。

一方で民間の参入を促すために行政は種子開発・生産・供給から手を引け(種子法廃止法の趣旨)と言いながら、他方で「民間の参入が進むまでの間」、民間の「売れる」、「儲かる」品種の開発をただで(国から助成はない)手伝えと言う。そんな身勝手な要求を地方が受け入れられるはずがない。

昨日も言ったように、これは首相直属の規制改革会議の言うなりにことを進めた国・農水省の完全な失政だ。農政史上に残る世紀の失政と言ってよい。

過ちては則ち改むるに憚ること勿れ

全都道府県と共にそう叫びたい。