農業情報研究所意見・論評・著書等紹介農業・農村・食料関係 2018年4月10日

大阪府 種子法廃止で水稲種子生産関連審査・証明業務停止へ  

 大阪府(と奈良県、和歌山県)が種子法廃止に伴い水稲の種子生産に関する審査や証明業務を停止、代替措置として業務を種子生産の関連団体(大阪府種子協会)に移行する方針だという。理由について(奈良、和歌山は分らないが)、大阪府は「種子法が廃止された以上、同じことはできない」(府農政室推進課)と言っているそうである。

 「国からの上意下達ではなく、地域や個人の創意工夫による社会全体の活性化を図る」ことをモットーとする日本維新の会が率いる大阪府のことだから、地域農業と農家の振興のために国の施策に断固逆らうのかと思ったが大間違いだったようだ。

 松井知事の頭の中には、農業や農家のことなど最初からないのだろう。種子法廃止の言いだしっぺの規制改革推進会議の面々と馬が合いそうだ。代替措置を講じるといっても「種子協会」に助成金を出すわけではない。完全な公的規制撤廃に等しい。

「農業経済に詳しい岐阜大学の荒幡克己教授は『種子生産が少ない近畿の3府県だけに仕方がない部分もある。しかし、この動きが他の都道府県に広がったら大きな問題だ』と言っているそうが、何が「仕方がない部分」のか、私にはさっぱり分らない。これは種子生産の「量」の問題ではなく、「質」の問題だ。「3都府」の農家には良質な種を適正な価格で安定的に供給しなくてもいいといういかなる理屈も成り立たないはずだ。 

種子法廃止で審査証明せず 民間移行不安募る 品質保証どこまで 水稲もみ代に転嫁 大阪、奈良和歌山 日本農業新聞 18.4.10

農業新聞たるものが、こんな農業経済学者の言葉で記事を締めくくったのが悲しい。