農業情報研究所意見・論評・著書等紹介農業・農村・食料関係 2018年7月24日

経産局長が農水事務次官 農業政策・農水省終焉序曲?

政府が農林水産省事務次官に末松広行・経済産業省産業技術環境局長を充てるという異例の人事を固めたそうである(農水次官に経産省の末松氏 古巣に復帰、異例人事 毎日新聞 18.7.24)。これは何を意味するのだろうか。

 先日も述べたように、安倍政権の下、今や農業政策は独自の政策目標を失っている(安倍政権の農業・農村改革 何のため、誰のため? 18.7.21)。

 農業者(農民)は農村地域においてさえ少数派になり、その生活も都市に同化している。もはや農民票が選挙の結果を左右することはないし、その組織(農民組合→農協)もすっかり「体制下」しているから(持田恵三 『近代日本の知識人と農民』 家の光協会 1997年 7 農地改革と高度成長がもたらしたもの~貧農の戦後~)、政府・与党が農民に気配りする必要もなくなった。

 貿易問題(協定)、食品・生産資材安全、農村開発・土地利用管理、技術開発・研究・普及、農業金融・・・、これら農水省の管轄分野も、とっくの昔に他省庁との共管分野となっている。

 その上、農業自体が限りなく「工業」に近づきつつある(機械化、化学化、IT化・・・)。異例人事は農業生産が経産省の管轄下に置かれる前兆ではないのか。

農水省の存在意義そのものが失われつつある。農業政策・農水省の終焉の序曲が始まった。