農業情報研究所意見・論評・著書等紹介農業・農村・食料関係2019年11月1日

秋田県産米1等米比率が低下 ネオニコチノイド使用抑制の結果とすればむしろ誇りに

 秋田県産米の作況指数(1015日現在)が過去10年で「やや良」の104と発表された。全県平均の10アール当たり収量は600キロで過去10年の同期比で最高になった。「全もみ数が平年に比べやや多く、8月以降の高温多照により登熟も順調に推移したため」という。

19年産米の作況104で変わらず 収量、過去10年で最多 秋田魁 19.11.1

 他方、一等米比率(9月末現在)は前年同期比8ポイント減の89.7%、10年の75.8%、12年の87.8%に次いで過去10年で3番目に低い。夏場の高温によるカメムシの食害で着色粒が多くなったことが要因とみられる、2等級以下に格付けされた理由は、主にカメムシによる着色粒が60.5%(全国では20.1%)で最多という。

県水田総合利用課は「農協からは着色粒が多いという声を聞いていた。地域や品種別などで詳しい原因を分析していきたい」としているそうである。
 本県の1等米比率、89・7% 着色粒増え低水準 秋田魁 19.11.1

とはいえ、1等米比率89.7%は東北全体の84.6%を大きく上回り、岩手の91.0%、山形の90.5%に次ぐ第3位の高さだ。他県の1等米比率低下が「8月の高温で未熟粒や(粒が割れる)胴割れなどが多くなった」ことによるとされているのに対し、「カメムシの食害で着色粒が多くなった」という秋田は特異だ。

秋田県には、カメムシ防除に有効とされる(ミツバチ等授粉昆虫を殺す)ネオニコチノイド殺虫剤の使用を抑制しようとする動きが広がっている(農産物検査法見直しを 秋田7議会で請願・陳情採択 着色コメ混入基準にも言及、カメムシ防除薬抑制へ 河北新報 18,11,12コメ検査の改善 国に要望 環境保護団体と秋田・大潟の農家 河北新報 19.8.24)。それがこのような結果につながっているかどうか、確かなことは今後の県の分析に待つほかないが、もしそうだとすれば、秋田産米は環境に優しく、より安全な米として消費者に売り込むこともできよう。1等米比率の低下はむしろ秋田米の誇りになるかもしれない。

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1等米の下落幅 全国最大に 新潟県19年産米 新潟日報 19.11.1

参考資料

令和元年産水稲の作付面積及び予想収穫量(10月15日現在)(東北) 東北農政局 19.10.31