農業情報研究所意見・論評・著書等紹介農業・農村・食料関係2019年11月20日

中国四国地方 「農業がなくなる」 新聞記事紹介

農政局2030年予測 中四国8割の地域 農家減少止まらず 日本農業新聞 19.11.21

 中山間地が多い中国四国地方で、農家の減少が止まらない。中国四国農政局が10月にまとめた2030年の予測では、15年に比べ旧市町村単位で8割の地域の基幹的農業従事者が減少。徳島県では市内全域で40%以上の減少が見込まれる自治体もあり農業の存続が危ぶまれる状況だ。食料・農業・農村基本計画の見直しが議論される中、専門家は生産基盤の立て直しに十分な対策を求めている。(丸草慶人)

  「農業がなくなる」 徳島県三好市

 「このままだったら、10年後は地域の農業がなくなってしまう」と危機感を持つのは、徳島県三好市東祖谷でソバ40アールなどを栽培する岡本文博さん(77)だ。山に囲まれた集落には住居が並び、隣には草を刈った耕作放棄地が点在している。
 山あいの地域では、ソバやジャガイモが伝統的に作られてきた。市は栽培面積を維持するために独自で助成事業を実施。しかし、18年度のソバの申請面積は約7ヘクタールと5年前に比べて4割減。栽培面積の減少に歯止めがかからない。

 岡本さんは「急傾斜地で機械がほとんど使えない。地域全体で高齢化が進んで、手作業を負担に感じて栽培する人が減った」と説明する。
 農政局の予測で徳島県は中国四国9県で唯一、基幹的農業従事者が増加する地域がなかった。特に山間地の同市は、傾斜15度を超える急傾斜地が9割超に上る。基幹的農業従事者も旧市町村単位の市内の地域全てで、「減少率40%以上」の予測となった。

 市によると、中山間地域等直接支払制度の第4期移行時(15年)に61あった集落協定は、現在43に減った。20年度に控える第5期の移行時にも減る見込みで、「高齢化と担い手不足に歯止めがかからない。特に急傾斜地農業では生計が立てにくく、就農につながりにくい」(市担当者)と指摘する。・・・・・・