農業情報研究所意見・論評・著書等紹介又は農業・農村・食料アジア・太平洋地域2014年8月1日

配合飼料価格安定制度見直し?トウモロコシ・大豆国際価格急落の折に何故?

 昨日は開かれた農水省食料・農業・農村政策審議会畜産部会の会合で、現在の配合飼料価格安定制度では飼料価格の異常な高騰に対応するには限界があるとして、国がより手厚く支援する仕組みに見直すよう求める意見が相次いだとのことである。

 飼料価格安定制度 国の支援手厚く 見直し論相次ぐ 農政審畜産部会 日本農業新聞 14.8.1

 これに異論を唱える用意はないが、今どき何故こういう議論なのか、いささかの「違和感」を覚える。というのも、飼料価格の異常な高騰をもたらした基本要因はトウモロコシや大豆の国際価格の高騰だが、それは2012年秋を境に急速に収束に向かっている(主要穀物・大豆の国際価格の推移)。今や、全般的な供給過剰感から、シカゴ取引所の先物価格は暴落の様相を呈している。2012年秋口にはブッシェル8ドルを超えていたトウモロコシは、今や3.5ドルほどにまで落ち込んでいる。やはり17ドルを超えていた大豆も12ドルを割るまでに下がっている。トン当たり550ドルに達していた大豆滓も400ドルを割った(シカゴ商品取引所小麦・トウモロコシ・大豆先物 相場の推移)。このタイミングでのこの議論に違和感を覚えるのである。もしそういう議論をするなら、もっと早い時期にそうすべきだった。タイミングを失した言ったらいいかもしれない。

 ともあれ、現在も飼料価格の高騰が続いているとすれば、それはトウモロコシや大豆の国際価格の高騰のせいではない。下の図に示すように、トウモロコシ、大豆の米国輸出価格は2012年の秋を境に低下に向かっている。予見できる限りの近い将来の反騰はありそうにない。国内飼料価格は2012年秋を境に急騰、現在も高止まりの様相を呈している。現在の飼料高は、ほぼ100%、アベノミクスによる円安誘導がもたらしたものである。これ以上の円安とならなければ、飼料価格も次第に低下に向かうだろう。議論はどこへ向 かうのだろうか。飼料だけではない、燃料、食品。制度見直しよりアベノミクス見直しの方が先決ではないか。