農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2014年9月26日

米国農家 「米政府、日本の農家をいじめるな」 「日本政府、日本の農家をいじめるな」とも言って欲しい

  全米家族経営農場連合(NFFC)などのアメリカ農家団体が9月24日、TPP交渉で日本に対して強硬姿勢を取り続ける米通商代表部(USTR)前に集合、「アメリカ政府、日本の農家をいじめるな」と訴えたそうである。

  日本の農家 いじめないで 米農家団体が抗議 東京新聞 14.9.26 2

 日本の農家にとって、とてもありがたいことである。ただ、もう一つ欲をを言えば、この標語に、「日本政府、日本の農家をいじめるな」も付け加えて欲しかった。日本の農家は、いまや、TPPそのものではなく、TPP妥結を睨んだ安倍政府の農政改革によって、虫の息の窮状に追い込まれようとしているからだ。

 筆者は、とりわけコメ政策の改変は、米消費の持続的減少傾向にもかかわらず米価水準を持続可能なレベルに維持してきた諸政策、とりわけ生産調整協力者への主食用米作付面積10アール当たり1万5000円の固定直接支払(米の所得補償)の減額→廃止や生産調整協力に対するメリット措置としての米価変動補填(「岩盤」)の廃止は、歯止めなき米価下落の危機を招くだろうと警告してきた(第二次安倍政権の農政改革を問う―米政策見直し・構造改革と農業・農村・農民― 世界(岩波書店) 2014年4月号 188−197頁)。

 政府・農水省は、飼料用米への助成を現行より大幅に増やすことで主食用米からの転換を促し、5年後をめどに米の需給調整が無用となるような状況が作りだせるかどうかみるという(言っていた)。ところが、5年後どころか改革元年の今年、各地は早速米価大暴落で阿鼻叫喚のありさまだ参照このままでは、先人が食糧増産のためにと営々と造り上げてきた水田、日本人の原風景とも言われる田園が荒れ果てて山林原野に帰る日も近いだろう。”田園まさに荒れなんとす”である。その挙句、日本人が米不足に悩まされる恐れさえある。

 政府はすぐに引き返すべきである。農家はそれを求める抗議行動に立ちあがるべきである。抗議行動はフランス農民だけの特権ではない。

 参照

 コメ概算金暴落 「はえぬき」農家赤字と試算(山形) 河北新報 14.9.25

 14年産米 概算金暴落/東北の農家懸念 減反廃止でさらに下落も/農政激変 東北から 河北新報 14.9.24

 「コメ農家 続けられない」 価格下落、風評に苦悩 福島民友 14.9.23

 14年産米概算金、暴落 東北まとめ 河北新報 14.9.21

 消費拡大望み託す人も/減反廃止、危機感再び/コメと歩む/黄金の大地 秋田・大潟村創立50年 河北新報 14.9.21

 「耕作離れ」の米価格 新河鹿沢通信(秋田) 14.9.19

 14年産米概算金、過去最低 全農青森 河北新報 14.9.17

 あきたこまち概算金、過去最安値8500円(秋田) 朝日新聞 14.9.13

 「平泉米」拡大へ団結 一関地方生産者大会 農業強化策求め決議 岩手日日 14.9.13

 コメ概算金低調、農家から悲鳴 「言葉ない」「離農も」 山形新聞 14.9.13

 はえぬき8500円、過去最低 14年産米概算金、主要銘柄はダウン 山形新聞 14.9.13

 農家悲痛「対策急がなければ」 県産米の概算金下落 岩手日報 14.9.11

 岩手ひとめぼれ最低8400円 全農県本部 河北新報 14.9.11

 ひとめぼれ概算金最低「農家続けられぬ」 河北新報 14.9.9

 ひとめぼれ8400円過去最低・14年産米概算金 河北新報 14.9.9

 栃木県産コシヒカリ、32%下落 2014年概算金 過剰作付け、コメ余り 下野新聞 14.9.18

 県産コシヒカリ15%下げ 14年産米、農家への仮払い金 信濃毎日新聞 14.9.26

 「コシヒカリ」相対価格1万5000円 過去最安に並ぶ 全農にいがた 日本農業新聞 14.9.10

 コメ農家「努力限界」 止まらぬ価格下落(鳥取) 日本海新聞 14.9.25