農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2015年6月8日

介護施設が足りなくなるから移住促進 日本創成会議は日本葬送会議に名を変えたら

 「大胆な」提言で日本を騒がせている「日本創成会議」(座長・増田寛也元総務相)が、「後期高齢者」の増加で「東京圏」の介護施設のベッド数が不足するからと、「医療・介護の受け入れ余力地域として北海道や九州などの41カ所を挙げ、東京圏からの移住など大胆な対策を提言した」そうである(「東京圏高齢者は地方に移住を」 2025年 介護ベッド13万床不足 東京新聞 15.6.5)。

 かねがね、この「会議」は「日本葬送会議」とか、名前を変えた方がいいのではないかと思っていたが、そういう思いが一層強まった。自宅を離れ、見ず知らずの遠く離れた土地の医療・介護施設でお迎えを待つのを喜んで受け入れる人は、そうはいないだろう。無理に送られれば、死期が早まるだけかもしれない。受け入れる方も大変だ。下手をすると共倒れになりかねない。

 東京武蔵野市で訪問介護に携わる宮子あずさ氏は今日の東京新聞の「本音のコラム」で言う。

 「私ならどうするだろうか。基本は家で。そのために多少の早死は納得するが、思いがけない施設入所もあるだろう。その場合には、遠方が嫌とは言いません。

 とはいえ、納税してこなかった自治体からサービスを受けるのは心苦しい。実は介護移住の一番の問題はこ点。ならば施設が多い自治体に納税する「介護はよろしく納税」の創設はいかがでしょうか。」 (介護はよろしく納税 宮子あずさ

 「葬送会議」などと言われたくないなら、そこまで考えた提言を行うべきだろう。要するに、この会議の提言は、生きた人への思いやりを欠いている。生き身の人間も、ただのモノの数に還元されるのである。若い女性が産む機械に、農民が「担い手」=単なる生産要素としての「労働力」に還元されるのと同然だ。