「炉心溶融」発表遅れは官邸の指示のため リークの意図は見え見えだが、どのみち民進の浮かぶ瀬はない

農業情報研究所意見・論評・著書等紹介原子力関係 2016年6月17日

   福島第一原発の「炉心溶融」事故に関する東電の「第三者」検証委員会が、当時の清水正孝社長が「炉心溶融という言葉を使うな」と社内に指示していた、それは首相官邸の指示によるもの「推認」されるなどとする報告書案をまとめた。

 マスコミがそんなニュースを昨日、まことしやかに流した。「政府が原子力緊急事態宣言を出すのに必要な東電からの緊急事態発生の報告が1時間ほど遅れていた可能性があることを東電が社内調査で確認した」という今年3月初めの「リーク(故意の情報漏出)」と同様、こんな話が今時何故「リーク」するのかは全く問うことなくなく、である。

 3月のリークに際し、当所は「炉心溶融を防げなかった理由の究明を遅らせるマスコミ向けの目くらましではないか」と書いた(東電 またも恥さらしの報告遅れをリーク 全電源喪失を防げなかった理由の究明を遅らせる目くらまし?)。

 今度のリークは何ためか。官邸→社長指示を明らかにすること自体、原発事故対策にかかわる意味は何もない。それが炉心溶融事故の原因の解明とその防止に役立つわけでは全くない。何のための「検証」か、全く分らない。

 ただ一つ了解できるのは、このリークのタイミングだ。当時の官邸を牛耳っていたのは現民進党の管直人や枝野幸男だ。参院選を前にした今時のリークの狙いは見え見えではないか(「炉心溶融」の言葉使うなと官邸からの指示、今更、今時になってリークする そりゃおかしいぜ第三章 16.6.16)。

 ただし、これが選挙戦略としてどれほど有効かは定かでない。大方の有権者にとって、原発事故(原発問題)などすっかり忘れている。この問題の影は薄く、投票への大した影響もないだろう(今年の10大ニュース トップは原発再稼働ではないか、というのに)。これは「リーク「指示」者の誤算かもしれない。

 とはいえ、原子力ムラも、こんな重大ニュース―大飯の地震動、再算定を 前委員長代理が規制委に指摘(東京新聞 16.6.17を片隅に追いやった大騒ぎの功績は認めねばならないだろう。

 どのみち、国民の重大な関心事項たるべきもの(原発、安保、沖縄、TPP・・・)に目をつぶる眠寝(みんしん)が浮かぶ瀬はない。

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