農学者・林学者委員ゼロの環境省エコ燃料利用推進会議に驚く

農業情報研究所(WAPIC)

08.7.1

 今日開かれた環境省第6回エコ燃料利用推進会議を傍聴した。”エコ燃料”を巡る内外情勢の最近の変化を受け、06年8月の熱利用エコ燃料の普及拡大について」の一定の見直しを行うというのが会合の趣旨のようだった。論議の対象は、専らバイオエタノールで、事務局がこれをめぐる内外の最近の動向、国内の取組状況、海外の最近の動向を報告、産業界代表も含めた13人の委員が、あまり活発とは言えない質疑を行い、あるいは意見を開陳した。

 今回の会合に関するかぎり、ここで取り立てて紹介せねばならないような中身はない。ただ、驚いたのは、この13人の委員の中に、農学や林学の専門家は一人も含まれていないことだ。これでは、現在のバイオ燃料をめぐる問題の焦点であるその農業・食料生産への影響、あるいは農地・林地生態系への影響など、まともな議論がでできるはずがない。遊休農地、耕作放棄地などの最善の利用方法を考え出せるはずもないし、日本のバイオ燃料政策の目玉となっている稲藁や林地残材などを原料とするエタノールの開発が農地・林地の生態系やその生産性に及ぼす影響など、評価の必要性さえ思い浮かばないだろう。

 この点に関しては、経産省はもとより、農水省も無頓着だ。この会合では、太陽、風力などの再生可能エネルギーの開発と利用における日本の立ち遅れが指摘されていたが、これでは持続可能なバイオ燃料の開発でも決定的に立ち遅れるだろう。洞爺湖サミットを前に、なんともお粗末なことだ。