農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2012年6月29日

「帰れないなら帰れないで、再出発したい」 ふくしま作業員日誌

 本日付東京新聞の「ふくしま作業員日誌」で、避難先で別れて暮らして いた母親を亡くした32歳の男性作業員が、「帰れないなら帰れないで、再出発したい」と思いを吐露している。原発再稼働と増税以外頭にないドジョウの心に届くはずもないが、東京新聞を見たくても見られない地方の人のために、著作権違反とは知りながら、ここに再掲させていただく。

 ふくしま作業員日誌 32歳男性 長引く避難 気持ち弱る

 東京新聞 2012629日 朝刊 30

 福島県浪江町に一時帰宅した男性が五月末、自ら命を絶ったのを聞き、「家に帰りたいと言い続けて避難先で亡くなった祖母を思い出した。死ぬなら避難先ではなく、地元でと思ったのだろうか。冥福を祈るしかできない。

 事故前は、警戒区域内の家で祖母も一緒に住んでいた。幼い子ども二人の面倒をみてくれていた。元気だったのに、県外に避難して俺ら家族と離れて暮らすようになり、体調を崩した。

 「帰りたい」と毎日泣くので、何とか一時帰宅で連れて行こうとしていたときに亡くなった。

 避難が長くなり、みんな気持ちが弱っている。地元に帰りたい思いが強い人ほど余計に。

亡くなった人は、地元で商売をしていたと聞いた。警戒区域内で店を開いていた父も、地元への愛着が強く気になる。

 俺らは福島第一で作業してるけど、廃炉のためで、復興のための作業ではない。時々、なぜここにいるのか分からなくなる。

 警戒区域見直しも進まず、ずっと仮生活のまま。帰れないなら帰れないで、再出発したい。いつまでもはっきりしないと、高齢の人には本当にきつい。

(聞き手・片山夏子)