農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2012年10月16日

 まだ安全じゃない ふくしま作業員日誌

 本日付東京新聞の「ふくしま作業員日誌」、警戒区域が解除されたとはいえ安全になったわけでもない楢葉町に普段着で来ている住民がいると、42歳男性作業員が述懐している。作業員も、住民か怖がるからと、移動中の車内で防護服を着ないように言われたそうである。私には、福島農業の再興を急かす声に煽られ、詳細な農地汚染マップもないままに農作業に勤しむ農業者の姿が重なる。(こんなことを言うと、私も福島農業の敵ということにされるのだろう)

 東京新聞を見ることができない地方の人のために、以下、全文を紹介しておく。

 福島第一原発にバスで向かう途中、警戒区域が解除された楢葉町に、住民が普段着で来ているのが気になる。

 除染もほとんど進んでいない状態で、解除前と何も変わっていない。それなのに、マスクもせずに草むしりをしている人もいる。窓を開けっ放しで走っている車も、そのまま帰れば、汚染を持ち帰ることにもつながる。

 警戒区域は解除されただけで、安全になったわけじゃない。たとえ空間放射線量が低くても、汚染も低いとは限らない。雨どいや側溝、草むらや土は汚染も高い。口からホコリなどを吸えば内部被ばくもする。発表されている空間線量だって、少し場所が変わるだけで数値はかなり変わる。マスクも防護服も自分を守るためのもの。装備はきちんとした方がいい。

 楢葉町の警戒区域解除の後、作業員も移動中の車内で、防護服を着ないように言われた。「住民が怖がるから」と説明された。本当の解除はまだ先。それなのに、安全より解除に向けた体裁ばかりが整えられている。

 (聞き手・片山夏子)