農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2014年10月12日

絶望の淵に沈む原発事故福島県外避難者 河北新報紙より

 福島県知事選投票が迫る中、河北新報紙が「国からも、県からも放って置かれた」原発事故福島県外避難者の絶望的な声をシリーズで伝えている。

 馬鹿な政治家や指導者を声高に批判、罵倒することが流行っているようだが、県外避難者の置かれた救いのない状況にも、もう少し関心を向けほしい。

 全国民が、被災地のみならず、彼らの支援に手をさしのべてほしい。そういう思いから、このシリーズの最新記事を紹介しておく。

 見えぬ将来に興味失う/政治が遠い 福島県知事選 県外避難者の声(3) 河北新報 14.10.12
 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201410/20141012_61011.html

 その村は老後を送るため選んだ新天地だった。

 福島県川内村。住んでみると、桃源郷のよう。

 「おいしい水に、きれいな星空。秋はキノコざんまい」

 同村下川内牛渕地区に自宅を構えた川井宣捷(のぶかつ)さん(76)、弘子さん(70)夫妻。宣捷さんの定年退職を機に東京都東村山市から移住した。自宅敷地は約2000坪。「村の人も親切にしてくれた」と弘子さん。

 念願のIターンは15年余で中断した。福島第1原発事故で都内にUターン。武蔵野市での都営アパート暮らしは3年半が過ぎた。

 3カ月に1度、自宅に約1週間滞在する。庭の雑草は伸び放題。イノシシがうろつく。裏山のキノコは眺めるしかない。

 村は2012年1月、「戻れる人から戻ろう」と帰村を宣言した。その後、都内であった復興イベントで佐藤雄平知事から「みんな帰っているよ」と声を掛けられた。除染は終えたが、自宅近くに放射線量の高い地点が残る。宣捷さんは「帰って来いということだろう。しかし、いまのままでは孫を村に呼べない

 都によるアパートの借り上げ措置は16年3月まで。都庁に相談すると「福島県から要請がなければ、延長は難しい」と言われた。「国からも、県からも放って置かれた状態」と弘子さんは嘆く。

 「ついのすみかに選んだから、線量が下がれば帰る」と夫妻は願うが、先行きは見通せない。

 村は4日、関東地方の避難者を集め、都内で懇談会を開いた。夫妻は知事選の不在者投票について説明を受けたが、興味は湧かなかった。

 「アパートの借り上げ延長や自宅周辺の再除染など県に求めたいことは多いけど、知事選は身近に感じられない。今回は棄権しようか」
  
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