臨時国会開幕 TPPで徹底抗戦と言う民進党 足もと腐って芽も出ない

農業情報研究所意見・論評・著書等紹介2016年9月26日

   今日から臨時国会が開かれる。今年度第2次補正予算案、消費税増税先送り問題と並ぶ最大の焦点の一つがTPP(環太平洋連携協定)承認案と関連法案という。安倍首相はアベノミクスの第三の矢、成長戦略の成否を左右するTPPと関連法案の国会承認に突き進む。

 「11月8日の米大統領選までに衆院を通過させ、慎重論の根強い米側の承認、批准の後押しを狙っている。訪米中にバイデン米副大統領と会談、あえて『日米主導で早期発効に気運を高めたい』とけん制したのもその背景です。野党があくまで反対するなら、強行採決も辞さずの構えになっている」(「年明け解散に」直結も 「TPP」が最大の争点 波乱含み臨時国会の展望 ズバリ核心 小林吉弥 日本農業新聞 16.9.25 2面)

 米国のTPP批准、従って発効はほとんど絶望視され、EUと米国の間の貿易投資協定(TTIP)、EU‐カナダ自由貿易協定(CETA)も”ほぼ死んだ”と言われている*。二国間・地域自由貿易への強烈な逆風が世界に吹き荒れるなか、この果敢な挑戦は気違い沙汰としか言いようがない。

 *Globalism v populism: America’s trade war,FT.com,16.9.23TTIP talks headed for lengthy delay,FT.com,16.9.24TTIP is (almost) dead, long live CETA!,Deutsche Welle,16.9.24 

 しかし、それに輪をかけてハチャメチャなのが民進党だ。蓮舫民進党(”民心党”ではありません)、「初の国会論戦、執行部の試金石となるだけにこちらも必死だ。どんな戦略で臨のか。同党幹部が次のように語った。『協定の発効は米国が批准しないと発動されないのに、わが国が先んじて議論を進めるのは立法府として時間の浪費だ。それでも強行審議ということなら、国会決議までした農産物重要5品目も守られておらず、交渉過程の不明瞭さを徹底追及せざるを得ない。・・・与党が強行採決で来るなら、審議拒否も辞さずの姿勢で臨む』」(同前)とのことだ。

 それでも衆院で与党単独強行採決をすれば、関連法案は別としても条約は会期中に自然承認となる。これを阻止する手だてはない。しかし、多少の政治的得点は稼げるかもしれない。

 だが、果たしてそこまで抵抗できるか、疑問の種が尽きない。党は民主党結党以来、一貫して二国間・地域貿易協定を支持してきた。

 例外なき自由化を目指す政府経済連携基本方針 成長戦略どころかデフレ続化戦略,10.11.11

 主党選挙公約確定版 日米FTA推進は変えず 農産物国境保護を棄てて農業・農村振興?,09.8.12

 なによりも、蓮舫代表、こともあろうに、四面楚歌の中で現在のTPP交渉への参加を表明(2011年11月13日、第19回APEC サミット)、12年解散衆院選挙では絶大な不人気を露呈した野田佳彦を幹事長に据えてしまった。長けた弁舌で何とかなると思ったのかもしれないが、民意(心)を全く汲み取ろうとしない彼、あるいは彼ら一派の口先に乗せられる国民は、今や一人としていない。TPPに徹底抗戦どころか、党再生の芽を自ら摘み取ってしまった(野田の幹事長で民進党再生の芽はなくなった そりゃおかしいぜ第三章 16.9.17)。

 例えば泉田知事の不出馬で自公推薦・森民夫氏の無投票当選が決まるかと思われた新潟知事選挙、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働について「福島事故の検証なしに議論はできない」と現知事の路線継承を掲げる米山隆一民進党・衆院5区総支部長が土壇場で立候補を表明した。だが、民進党県連の協力が得られないために離党、無所属で出馬し、共産、社民、生活の野党3党から支援を受けるという(米山氏が知事選立候補を正式表明 泉田路線継承を強調 新潟日報 16.9.23)。原発ばかりか、農家が期待するTPPをめぐる与党との論戦のチャンスも取り逃がした(県経済界 活発な論争に期待 新潟日報 16.9.24)。党は「草の根」から腐っている。芽を摘み取るどころか、摘み取る目も出ない。それが今の眠寝党だ。