補助犬や使用者に出会ったら

一般的なマナー

犬に声をかけたり、撫でたりしないでください。

 仕事をしている補助犬の気が散ってしまうと、時には使用者が危険な目にあうこともあります。特に盲導犬の場合は、犬の身体の向きが少し変わっただけで、使用者が方向を失ってしまう可能性もあるのです。
 犬が休んでいる時には、使用者に「犬を撫でてもいいですか」と声をかけて、許可がある場合のみ撫でてください。
 絶対にしてはいけないのが、犬に「おすわり」「ゴー」など命令することです。補助犬を混乱させるだけでなく、使用者に対して失礼な行為です。

犬に食べ物を与えないでください。

 補助犬は使用者がきちんと健康管理をして、それぞれの犬の体質や運動量に応じた食べ物を与えています。それ以外の食べ物を与えることで、犬が体調を崩すこともあります。
 また、他人から食べ物をもらう習慣がつくと、補助犬としてのしつけにも影響します。

使用者が困っているようなら、まず声をかけてください。

 一方的に手を出すと、危険な場合もあります。その使用者が本当に困っているのかを確認するためにも、まず「何かお手伝いしましょうか」と声をかけてください。この時も、「ワンちゃん、がんばって」など犬に声をかけたり、犬を呼んで誘導しようとしたりするのは避けてください。
 また、補助犬が何かの作業をしようとしている時は、静かに見守ってください。

手伝う時は、安全な方法でお願いします。

 障害者の介助には基本的な決まりがいくつかあります。安全のためにも、正しい方法で介助してください。
 下記は一例です。

 補助犬がいる場合に注意することの例としては、下記のようなことがあります。

犬を近づけて欲しくない場合は、使用者に伝えてください。

 犬にアレルギーがある人や、どうしても犬が怖い人は、「○○なので、犬を遠ざけてください」と使用者に声をかけてください。場所を変えたりするなどの配慮をします。声がかけられない状況下では、お店の人などを通して伝えてください。

知っておいて欲しいこと

いろいろな障害の人がいます。

 例えば、盲導犬の使用者は全盲とは限りません。ある程度視力が残っていても盲導犬を必要としている人もいます。介助犬の使用者は車椅子の人とは限りません。また、排泄の機能や身体のバランスを取る機能など、外見に表れない障害を持つ人もいます。そして、それぞれに必要な手助けも、出来ること・出来ないことも違っています。
 外見上分からない障害も、不自由さもあります。一見障害が軽く見えても、手助けを切実に必要としている場合も多いことを理解してください。

介助の方法・必要かどうかは、必ず本人に確認してください。

 それぞれの障害が違うので、適した介助の方法もそれぞれ違います。知識があればある程度は、相手を見て必要な介助や適した方法が分かるようになりますが、本人に確認するのが確実で、介助を受ける側も安心できます。
 例えば、視覚障害者でも、点字を読むことが困難な人もいます。その場合は、点字のメニューを出されるより、「点字のメニューが必要ですか? 読み上げてお手伝いしましょうか?」と聞かれた方がありがたいのです。

雑種犬も働いています。

 聴導犬の多くは雑種犬です。少数ですが雑種の介助犬もいます。「補助犬はラブラドール」のイメージがあるため、雑種犬を連れているとペットと誤解されることも、残念ながらあります。
 聴導犬は体格に関係のない仕事なので、雑種犬や小型愛玩犬種も多く働いています。介助犬の場合も、使用者によっては中型以下の犬や、超大型犬を使用します。犬種に関わらず、補助犬として受け入れてください。

犬も我慢しています。

 報道の影響か、「しっぽを踏まれても平気な犬」だと言われることがあります。補助犬は特別に訓練されていますが、犬であることに変わりはありません。しっぽを踏まれても我慢するけれど、痛くない訳ではないのです。
 我慢強い補助犬に対しても、故意に嫌がるようなことをしないでください。また、お店などでは、出来れば犬がゆっくりと休めるような場所(犬が足を崩して休めるだけの広さがあり、静かな場所)に案内してください。

補助犬がいても越えられないバリアがあります。

 盲導犬に文字を読み上げることは出来ません。聴導犬がアナウンスの内容を伝えることも、介助犬が車椅子を持ち上げることも出来ません。犬に出来ることは限られています。
「手伝ってください」と声をかけられたら、ほんの少し手を貸してください。また、使用者が困っているようなら声をかけてください。


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