スポーツ障害   コンデショニング&リコンデショニング

 スポーツを行う上で好ましい状態に体を調整することをコンデショニングといい、リコンデショニングとは、怪我で衰えた筋肉や硬くなった関節の柔軟性を取り戻すなど、復帰をするための体づくりのことをいいます。
 コンデショニングの具体的な方法は、体を動かす前のウォーミングアップから食事に至るまで日常生活の多岐にわたるが、まず自分の体調に気を配り、練習後、体に痛みや疲れがあれば自分なりのケアをすることが大切です。

 スポーツは、スポーツの種目や個々の体質によって筋肉の疲労部位、体全体の疲労度は異なりますが、どの競技種目においても日頃から体の状態のチェックを怠ってはならず、体調は常に良い状態を保つことが重要です。選手の中でパフォーマンスをながく維持している人達は自分の健康管理を実行努力をしている者で、競技能力向上のコンデショニングはトレーニングと同様、必要不可欠です。

 怪我を起こす原因はさまざまありますが、何度も同じ箇所の障害を経験している人は、なぜ同じ箇所に障害が起こったかなど、トレーニング法やフォームのチェックをする必要があります。原因がそこにあるならそれを改善し積極的に障害の阻止と予防をすることが大事で、競技能力の向上は、自分自身の体の手入れと障害発生をいかになくすかによって進歩するのです。



ウォーミングアップ

 良い状態でスポーツを行えるように体を調整することをウォーミングアップという。スポーツを行う時は、まず体をほぐし体液循環を良くして、本格的に体を動かす準備をすることが基本であり大切なことです。したがって、ウォーミングアップは欠かせないものとなります。一般的に行うウォーミングアップは、ジョキング、ストレッチなどがあり、競技種目によってはその種目独特のアップもあるが、ジョキングとストレッチはほとんどの競技種目で取り入れています。



クーリングダウン

 クーリングダウンは、練習や試合の疲れを効果的に回復させることを目的として行い、競技種目によって多少異なるが、基本的には軽運動、ストレッチ、アイシングなどがあります。アイシングは炎症を抑えたり、疲労しやすい箇所の炎症を未然に予防するなど、特にウイークポイントのある人はアイシングによって炎症や障害を防ぐためにも入念に行うことをすすめます。
 アイシングは、蛇口の流水を使い直接箇所にかける方法や、氷などを使用して部位を冷やす方法があります。軽運動やストレッチチングは体の血液の流れを良くして疲労物質を除去したり、筋肉の緊張をやわらげ筋肉痛の発生を押さえる効果があります。



アイスマッサージ

 アイシングは、氷、冷水浴、冷水シャワーなどで冷やすことをいうが、最近では専用の冷却用パックが市販され使用する人も多い。アイシングは捻挫や打撲などの応急処置として、また慢性的な障害の悪化を防ぐ日常のケアとして行うものであり、アイスマッサージは氷を使って行うマッサージのことです。
 アイスマッサージは氷をマッサージをしたい箇所に当て、撫でるように、またクルクル回すように行う。アイスマッサージは使い過ぎで熱を持っている、あるいは疲労しやすい部位を運動後に冷やすことで筋肉痛などを抑え、より早く疲労を回復する作用が働きます。アイシングをクーリングダウンに組み込む習慣をつけると自己管理の意識を高め、特に関節部に慢性的な障害を抱えている人はアイシングは効果があります。



疲労回復

 疲労を回復させるには、安静、栄養、充分な睡眠が必要だが、より積極的に疲れを除く方法もあります。積極的に疲れを取り除く方法として、練習の動作と同じ様な動作をゆっくりと行う。これは「アクティブレスト」といい、疲労した筋肉にたまる乳酸などの疲労物質を軽い運動をすることによって血流を促進させ除去するのです。このことは実験の検査結果から明らかにされており、スポーツにおける疲労回復の積極的で、かつ効果的な方法といえます。

 入浴は、温熱と適度な水圧によって血行を促進し疲労回復を促し、また浮力によって体の緊張をほぐしリラックスする効果があります。入浴はシャワーだけよりもはるかによいと言われるのはこのためであり、湯船につかりゆったりするのは非常いいことで体の調整に重要な役割を果たします。ただし、体がぐったりするほどの長湯はよくありません。



オーバーワーク&バーンアウト 

 これをもたらす要因は、監督、コーチによる競技者のコンデション無視による過ぎた指導によることが多くある。バーンアウト(燃えつき症候群)に陥ると、最悪、競技の断念にも及び、肉体の疲労は精神疲労に移行し回復するまでには時間を要する。このことは小手先の技術よりも、いかに心をコントロールするか、が重要になります。常に身体の状態に耳を傾けることが大切です。



栄養補給と睡眠

 充分な栄養と深い睡眠は非常に大切なことです。このことを配慮せずして良い結果は出ません。疲れているとよく眠れるが、疲れ過ぎると寝つきが悪くなることがあります、栄養が足りていない時に生じます。口から入れる栄養が理想ですが、不足の時はサプリメント等で補う。また睡眠を妨げるカフェイン入りの飲料は就寝前には避けます。良い睡眠とは、個々によって時間が違います、長い睡眠時間を重視するよりも、「深い」睡眠が大事です。

 

スポーツ障害の発症

 筋肉は、疲労または外傷によって長時間使わないでいると、筋力が低下するばかりか柔軟性を失い硬くなります。柔軟性が低下した筋肉は血液循環が悪くなり伸張性や可動範囲も狭くなってスポーツ障害を引き起こす可能性が高くなります。このことからもわかるように、筋肉の能力と柔軟性は障害を予防するといった意味からも重要なことなのです。柔軟性を高めるということは、それは取りも直さず競技能力の向上につながります。



外傷・RICE処置

 RICE処置は外傷における基本的な初期段階の治療で、安静(rest)冷却(ice)圧迫(compression)高挙(erevation)の頭文字からきた名称で、受傷の直後にこの処置を行うと損傷の回復の早さは確実に違います。障害が発生した時はすみやかにRICE処置を行い、その後、医療機関の診断を受けます。

安静  運動を中止して怪我の部位を休めます。

冷却  氷で冷やし炎症や出血を抑えます(腫れや痛みをくいとめる)。

圧迫 
 怪我の周囲の組織や血管を圧迫して(血液やリンパ液が流れ込まないように)患部が腫れるのを防ぎます。

高挙  心臓よりも患部を高く挙げ血液が強く押し出されないようにします。  







スポーツ整体          
 

 関節の動く範囲を関節可動域といいますが、関節と筋肉の柔軟性の低下は障害につながるので、スポーツを行う者は柔軟性が要求されます。柔軟性が何故必要かというと、体の各関節部位は自動的な運動、あるいは他動的な運動によって負荷を受けるが、柔軟性があるとそのぶん負荷を分散することができ、障害の発生を極力防ぐことができるからです。

 スポーツ整体は筋肉の柔軟性、関節の柔軟性、また痛めた筋肉の回復や疲れをとるなど、コンデショニングに優れた効果を発揮します。スポーツ整体の良さは、偏りがちな体、あるいは偏った体の歪みやひずみを整えることができるということです。



スポーツ整体の注意点 

熱がある時   風邪などで熱がある時は症状を悪化させる可能性があるので避けます。

酒を飲んだ後  アルコールは体内の血管を膨張させる作用があり、飲酒後は体に悪影響を及ぼすので避けます。

怪我の直後  直接障害部位を刺激すると炎症を強める可能性があります。

病気      食中毒や伝染病、またその可能性のある時などです。



障害

捻挫  

 捻挫は靱帯の損傷で、その程度によって痛みかたの度合いや機能障害の、軽度、重度を生じます。捻挫は靱帯の断裂あるいは引き伸ばされた状態だが、その靱帯で支えている関節は靱帯が伸ばされることで関節自体がゆるみ不安定になります。
 捻挫は靱帯損傷の程度によって分類でき、軽度の捻挫は靱帯が少し伸ばされてはいるが、関節の不安定は見られません。中程度の捻挫は靱帯が少し切れ関節は少し不安定だが靱帯は完全に損傷していません。重度の捻挫(骨折を伴うことがある)は二箇所かそれ以上の靱帯が完全に断裂して、関節は完全に不安定な状態となります。



軽度・中度の捻挫

軽度、中度の捻挫は保存的療法で治療する。安静、冷却、圧迫、高挙など。


重度の捻挫 

時として外科的手術による修復が必要になる。


肉離れ 

 肉離れは筋肉の主要部分や筋や腱など、いずれかの組織の損傷です。肉離れは損傷の程度によって痛みかたの度合いや機能障害の軽度、重度を生じます。肉離れは捻挫と同様、軽度、中度、重度と、障害の程度がわかれる。軽度の肉離れはわずかな筋の損傷であり、中度の肉離れは筋の損傷が著しく大きい。重度の肉離れは筋が完全に損傷分離するもで、重度の場合、その筋肉の腱が付いている関節の筋の機能が失われます。


軽度・中度の肉離れ

軽度、中度の肉離れは保存的療法で治療します。安静、冷却、圧迫、高挙などです。


重度の肉離れ

特別な医学的注意が必要です。


打撲

 打撲は別名挫傷といい、打撃を直接受けることで血管が破裂したり、組織が損傷することで皮下組織に内出血が生じるものです。挫傷の大きさは出血の量によるもので、傷害の程度を現すものではありません。挫傷は筋肉の深い箇所で起こった場合、皮膚の変色が表面上で見られないために見逃されることもあります。挫傷の大きさは様々であるが、ほとんどの場合、挫傷の程度は接触や打撃の種類によって決まります。


脱臼 

 脱臼は関節の正常な位置から骨が一時的に逸脱した状態で、外力や関節の可動域を超えて四肢を動かすことで脱臼は起こります。骨が関節から逸脱すると靱帯と腱が損傷し骨が完全に離される。脱臼は体のいくつかの関節に生じるが、比較的脱臼の多い箇所は肩、肘、手指、膝蓋骨などです。脱臼はその程度に関わりなく骨が正常な位置に戻るまで非常に痛みが強い。


骨折

 骨折には、「疲労骨折」「裂離骨折」「閉鎖骨折」「開放骨折」などがあります。疲労骨折は骨にひび割れがみられるが完全に折れていない状態をいい、疲労骨折は外傷によるものではなく、反復して加わる力によるものです。裂離骨折は、関節を支持している靱帯や腱が付着している骨の部分が引きはがされたものです。閉鎖骨折は、皮膚が折れた骨によって貫かれていない状態の単純骨折。開放骨折は複雑骨折として知られているもので、皮膚を突き破って骨折が生じたものをいいます。


疲労骨折

 疲労骨折は、主にオーバーロードや筋肉の疲労によって骨にストレスを受けることで生じます。繰り返される継続的なストレスがポイントととなる部位に集積することでこの症状は発症します。疲労骨折を事前に発見するのは難しいが、疲労骨折をしやすい箇所に異常を感じたら、この障害を疑う必要があります。MRIなどを撮れば早期に疲労骨折を発見できます。尚、レントゲンでは何の変化を見つけることは出来ません。


裂離骨折

 裂離骨折は、靱帯や腱が付着している骨の部分が引き剥がされたものです。例えば、急激に強く捻ったり、伸ばされた時に生じます。


急性・慢性障害 

 急性の傷害は、今、発生した傷害であったり、数日以内に起こった傷害に限られます。慢性の傷害は数週間~何ヶ月間も問題が残っているもので、特定の症状が続く状態です。使い過ぎは、慢性症状が悪化してそれが急性として現れる。反復性の疲労による骨折はその典型であるといえるでしょう。急性の傷害において重要なことは、その傷害を引き起こす何らかの原因があったと考えられます。


スポーツ外傷・障害の要因

 スポーツ選手が受けるケガの大半は防止出来るものですが、突発的な外圧やマックスを求めた場合、時として外傷を受ける。それ以外のケガの要因は次のようなものです。①スクリーニング不足②コーチングの不足③コンディショニングの不足④防具・器具の取り扱いの不備⑤選手の精神的な問題⑥不適切はフイールドケア⑦不十分・早すぎる練習や競技の参加など。


障害とテーピング

スポーツテーピング= 主に関節の動きを制限、疾患部を保護する目的で使用します。

スパイラルテープ=筋肉のバランスをとることによって不快な症状を改善する。スパイラルは体の末梢からみて左回り、クロスは縦3本、横4本で格子状に貼るのが基本。
キネシオテーピング法 
1 筋肉の機能を正しくもどす。=  キネシオテックスを貼ることによって、伸びすぎた筋肉、縮みすぎた筋肉をもとに戻す。また、弱っている筋肉を強くする効果があります。

2 血液・リンパ液の循環を良くする。=  血液やリンパ液の流れが悪くなると、うっ血状態となって神経を圧迫するが、テープを貼ることによって皮膚とその下にある組織間のすきまを広げ、局所にたまっている血液やリンパ液の循環をよくする。

3 痛みを抑える。=  痛みを感じた時、痛めた部位に対して無意識に手(キネシオテックスによって、それを効果的に代用する)をあてるが、これは、皮膚や筋肉を刺激することによって神経学的に痛みを消失させる効果があるからです。本来、人間は自分で痛みを抑える機能があり、キネシオテックスを貼ることによって、より活性化され痛みがやわらぎます。

4 関節のズレを正す。= 筋の異常な緊張は関節を構成する骨をひっぱり関節に狂いを生じさせる。そして、その関節のズレの多くはスポーツによって起こる。その場合、キネシオテックスは効果を発揮します。

※キネシオテーピング法の特徴=スポーツテーピングと異なり関節の可動域を制限する貼り方はしません。
※キネシオテーピング法は、伸縮性のテープを持ちいたテーピング法。



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手技法・他・関連用語解説



『あ行

噫(あい)ゲップのこと。いわゆる食臭気で曖気(あいき)ともいう。        

アキシャス
第2頸椎(けいつい)


亜急性

短い周期で起こる症状と、ゆっくり起こる症状の中間。相対的な形で使うが、具体的にはひとくちではいいにくい。

アジャストメント
矯正

圧痛
自然のままでは痛みはないが、外部から押さえたりすると痛みを感じる。

アトラス
第1頸椎

亜脱臼
部分的または不完全脱臼

安神(あんしん)
精神を安らかに慰め静めることをいう。自己法と他力法があり、気功法もそのひとつ。

意気
胃の機能を働かせる元気をいう。消化機能を意味することもある。

萎縮(いしゅく)
体の部分的やせ衰えやサイズの減少。

因子
あることの原因となったり他に影響を与えるなどして、ことを成り立たせる。

インピンジメント シンドローム
「衝突」あるいは「まくれ込む」という意味。

インパルス
衝撃

インフォームド・コンセント
医療提供側による説明と患者の同意。

鬱血(うっけつ)
心臓へ血液を戻す静脈血の血流が妨げられ、血液が異常に増えてたまった状態。

暈(うん)
めまい

運動失調
意志に基づく運動がバランスよく行われない状態。小脳障害が原因。

運動麻痺
筋肉が正常に活動せず、意志に基づく運動が出来なかったり、低下した状態。運動中枢から筋肉に信号を伝える神経などの障害による。

運動学
力や質量を考えない物体運動に関する学問。

運動力学
力が作用した場合の物体運動に関する力学。

運動量
質量と速度の積。

壊死(えし)
体の中で一部の細胞や組織が障害を受け、死んだ状態。

壊疽(えそ)
壊死のうち、表面が褐色になったもの。

X線CT(コンピュータ断層撮影検査)
人体の横断面に対して、さまざまな角度からX線をあてて得た情報をコンピュータで解析して断層画像を合成する。

MRI(磁気共鳴映像法)
強力な磁気と高周波で、体内の組織によって異なる水素原子の分布状態を調べ、コンピュータで立体的断面像をつくる。

燕下(えんげ)
物を飲み込めない、また飲み込むのが困難。

炎症
生体の異常に対して防御する反応。炎症の四つの徴候「赤くなる」「腫れる」熱感」「痛い」など。

嘔吐(おうと)
胃の中の内容物が食道をえて口から吐き出された現象。

横隔膜
胸腔と腹腔をわけている大きな筋肉。

悪寒
ぞくぞくした寒気。

オステオパシー
 オステオパシーはアンドリュー・テイラースティルによって1874年発表された徒手療法。オステオパシーはギリシャ語のオステオス(骨)パソス(病気・治療)という二つの言葉の造語。

 スティルは「本来人間には自然治癒力が備わっているが、血液循環や神経支配機能が妨げられると不調となる主な原因」だとして研究しました。そして体の関節に着目し「体の関節の働きが低下すると血液循環や神経支配機能が妨げられて働かなくなり、自然治癒力が低下」するという理論をたてました。それがオステオパシーです。現在では全米に多くのオステオパシー医科大学が設立され専門医が養成されています。

 最初、日本にオステオパシーが紹介されたのは明治の終わり頃といわれ、日本に古来からある手技療法
(療術)に少なからず影響を与えました。オステオパシーが整体の原型だという説もあります。

オーバーユース
使いすぎ

温熱療法(ホットパック・遠赤外線)
収縮している筋肉を温め、血液循環をよくすることによって症状を改善する療法。

お血
血液が何らかの原因でスムーズに流れず、うっ積した状態。

お熱
熱が外へ発散されず身体内部に停滞している。黄疸を伴うこともある。

『か行』
窩(か)くぼんでいる場所。

顆(か)
骨の末端の球状の隆起で関節を形成する部位。

解剖学的基本姿勢
足をそろえて真っ直ぐに立ち、両腕は真っ直ぐ下に垂らして手のひらを正面に向けた姿勢。

仮死
意識がなく、呼吸や心臓の拍動もふつうの方法では認められず、外見上は死んだように見えるが、実際には生存している状態。

外反膝
X脚のことです。X脚は先天性と後天性、外傷によるものとがあります。

鵞足(がそく)
スポーツまたは整形外科領域でいうと、脛骨顆部内側下部(膝の内側の部位)で、縫工筋、薄筋、半腱様筋の付着部が脛骨前面に広がっている箇所。

カイロプラクティック
カイロプラクティックはカナダ生まれのアメリカ人、ダニエル・デビット・パーマー(通称DDパマー)が1895年創始した療法です。磁気療法師だったパーマーは、背骨とと病気の関係を研究、背骨の微妙な狂いがさまざまな病気の要因になっていることを発見、微妙な狂いをサブラクゼーションと名付けました。このサブラクゼーションを正す療法がカイロプラクティックです。カイロはギリシャ語から派生した「手」プラクティックは「術」の意味があります。

起始(各部位における筋肉の始まり)
筋肉の骨への付着部のこと、こちらの関節部の動きは小さいかまったく動かない。もう一方は筋肉の停止、こちらの関節の動きは大きい。

拮抗筋
主動筋群が収縮を起こした時の反対側の筋肉。

下腿

解剖学的には膝から下をさします。

AKA(関節運動学的アプローチ)
関節運動に基づく関節包内運動の治療法。

疳(かん)
幼小児の神経過敏を総称して。

嵌頓(かんとん)
けわしい。苦しむなどの意味。

間欠性跛行(かんけつせいはこう)
間欠性跛行とは、しばらく歩行を続けると痛みや麻痺症状のため歩行が不能となり、短時間休息をとると症状が緩解し、再び歩行が可能となる。

関連痛
実際の痛みの原因となる場所より離れたところに感じる痛み、放散痛とほぼ同じ意味。

器質性
体の臓器、器官、組織になんらかの変化、異常があること。「機能性」心因性」に対比する言葉。

基礎疾患
元になる病気。

基礎代謝
安静時の生命維持に必要な最小エネルギー。

機能性
体の臓器、器官、組織には、はっきりとした異常がないのに、その働きが異常である状態。

キネシオロジー
運動機能学

キネシオテーピング
基本的には疾患部位にそって使用するテープ。スポーツテーピングとの違いは関節の可動域を制限する貼り方はしない。筋肉のサポート、体液循環を促し変調した部位を正常に導く。カイロドクター加瀬健三氏が考案。

仰臥位(ぎょうがい)
仰向けに寝る姿勢

狭窄
血管、気管、食道など、管状の器官の内腔が狭くなった状態。

筋の痙攣(けいれん)
骨格筋の不随意的な疼痛を伴う収縮。原因として、塩分やミネラルの喪失、疲労、外傷など。

筋スパズム
異常緊張

クライオセラピー
患部を冷却する療法

原因療法
病気の原因そのものを取り除いたり、なんらかの機能欠陥を埋めたりすることを目的とした治療法。症状や苦痛を軽減する「対処療法」と対比する療法。

頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア
頭頂部を打ったり、物を頭でで持ち上げたり、曲げたり、捻転したりすることで起こる。頸、肩、上腕、前腕に放散する痛み、上肢の筋力の低下、脊髄の圧迫により、四肢不全、また完全麻痺、膀胱直腸障害などが起こることもある。

脛骨内反(けいこつないはん)
O脚のこと。O脚は先天性と後天性、外傷によるものとがある。

硬結(こうけつ)
体の表面から触って、内部に「かたまり」として感じるもの。「結節」とほぼ同じ意味だが、結節はかたいかたまりを指し、硬結は弾力があるものをいう。

拘縮(こうしゅく) 
関節に関係する靱帯など、骨や軟骨以外の組織がちぢみ、関節の働きが制限された状態。

PNF(固有受容器神経筋促通法)
生体組織を動かすことによって体に存在する感覚器を刺激し、神経や筋などの動きを高める身体機能を向上させる方法。

肩息(けんそく)
呼吸困難によって肩で息をすること。

眩暈(げんうん・めまい)
めまいをいう。お血が原因で起こるのを血暈、水分が原因で起こるのを水暈といって区別している。

絞扼(こうやく)
しぼる・しめる・しまる・おさえるなどの意味。

『さ行』
サブラクセイション
背骨のズレによる神経の圧。

自彊術(じきょうじゅつ)
自彊術は1916年(大正15年)中井房五郎が創案。自彊術は他者が行う他動療法と自分で行う自力療法があって、日本で最初の健康体操と云われている。

四肢倦怠(ししけんたい)
四肢(りょうて、りょうあし)が疲労すること。

主動筋
ある動作を引き起こす主な筋肉。

主訴(しゅそ)
もっともつらい症状

ショック
血圧が異常に低下して、血液の循環が非常に悪くなった状態。大出血大やけど、薬、蜂に刺されるなどのアレルギーで起こり、死亡する危険もあります。

腫脹(しゅちょう)
体のある部分がはれること。

腫瘤(しゅりゅう)
病的な組織や細胞が集団となってできた、比較的大きな半球状の盛り上がり(こぶ)を指す。一般には2センチ以上のもの。これより小さいものは結節と呼ばれる。

シンスプリント
ランニングスポーツに多くみられる、下肢前面の障害。

水毒
水分の代謝障害を総称していう。

スタテックパルペーション
静的な触診法

スポーツテーピング
主に関節の動きを制限、疾患部の保護を目的として使用する。

スパイラルテープ
筋肉のバランスをとることによって不快な症状を改善、スパイラルは体の末梢からみて左回り、クロスは縦3本、横4本貼るのが基本。

整膚(せいふ)
整膚は指で皮膚を摘み上げる、軽くひねる、叩いたりする手技法。

 皮膚の下にはリンパや血液などの体液が循環していますが、疲労などによって流れが悪くなると免疫力が落ちます。それにより弊害が起こる、それを改善するのがこの療法です。

 整膚の特徴は刺激が少なく鍼灸などに抵抗のある人に受け入れやすい、また美肌効果があります。これは、新陳代謝がよくなることで肌に栄養が行き渡るからです。肌の老化予防ということで特に女性に注目されています。整膚は比較的新しい手技法で、1992年愛知医科大学の「徐堅」氏が考案しました。

整復
元の正常な位置にもどす。

脊柱管
脊柱管では、各椎骨の椎孔が上下に連なって長いトンネルを形成する、これが脊柱管で、脊髄を入れたものです。

線維輪
椎間板を構成している外側の組織。

穿孔(せんこう)
袋状、または管状の臓器の壁に穴が開いた状態。

素因
はじめから備わっている原因。

操体法
体の一部分が動くと他の箇所も動くという運動を利用した療法。医師・橋本敬三氏(1897~1993)が考案。

足医術
足には足診区というのがあり、症状別にその箇所を揉み、揉むことによって体の不快な症状を改善する、それが足医術です。足医術は押し棒を使い施術をしますが、手技で行うフットケアの療法もあります。フットセラピーにはハード法とソフト法、それぞれに特徴があります。

『た行』
体幹(たいかん)
動物体の主要部分。胴

丹田(たんでん)
俗にいうヘソ下三寸。経穴の関元(かんげん)の別称。

トリガーポイント
硬結部位・治療ポイント

特発性
はっきりしない原因で病気が起こることを意味する。

トーヌス
伸長と圧


『な行』
内因
東洋医学でいう、七つの情動。喜・怒・憂・思・悲・怖・驚これらによって怒る病因。

軟骨
強く厚くゴムのような組織。

肉離れ
強い外力によって発生する。準備不足、使い過ぎなどが多くの原因です。

捻髪音(ねんぱつおん)
腸から排出されるガスの雑音。整形外科領域では関節や骨の摩擦音をさす。轢音(れきおん)ともいう。

『は行』
発赤
皮膚の一部が赤くなっている状態。

ハムストリングス
大腿部後面の筋肉

半月板
大腿骨と脛骨(膝関節部位)の間にある軟骨性の組織。内側の半月板は三日月に似た形、外側の半月板は馬のひずめのような形をしています。

腹臥位・伏臥位(ふくがい)
うつ伏せで寝る状態。

浮腫
体の組織の間に水が多量にたまり外部からわかる状態。一般にいう「むくみ」がこれにあたる。全身の浮腫と特定部位だけに生じる局所性浮腫があります。

フーレセラピー
足を使う押圧「足圧」で行う療術。足圧は指と違い力強く行うことが出来る。面積がひろいので圧をかけられても受けての人はソフトさを感じる。フーレセラピーは新陳代謝を高める作用があり美容にも良いと言われています。

本草(ほんぞう)
治療目的の為に用いる、動、植、鉱物の総称をいう。漢方薬がこれにあたる。植物がその主流ななることから本草と称されるようになりました。


『ま行』
マニュピュレーション
徒手矯正・筋肉操作

瞑眩(めんけん・めんげん)
瞑眩とは生体の刺激にたいして起こる運動(めまい・だるさ・眠気・痛みなど)で、揉み返しとは本質的に違います。用例:「もし薬、瞑眩せざればその病はいえず」目がくらみ苦しみ悶えるほどでなければ、その病気は治らないの意味。

モーションパルペーション
動的触診法

モビリゼーション
運動


『や行』
陽明病
病因に対して積極的な反応を示すのをいう。

誘発点
刺激をされると関連のある離れた一部位、または複数の部位に疼痛の反応を引き起こす刺激点。

癒着
本来離れているはずの組織や臓器などが接着すること。


『ら行』
理学療法
リハビリテーションの治療法のひとつで、その中心は運動療法。

裏証(りしょう)
病が裏にあり、それが原因で現れる諸症状を裏証という。腹痛、便秘、下痢など。

裏病
裏に発現する病気を裏病という。一般に裏病は、発病の後期あるいは慢性化したりすると現れる。

ローテーターカフ筋群(肩の腱板)
肩甲下筋・棘上筋(きょくじょうきん)・棘下筋・小円筋

裂隙(れつげき)
すきま等の意味


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