農業情報研究所>農業・農村・食料>欧州>ニュース:18年9月23日 スイス国民投票 小農民保護と健全で環境・動物に優しい食品(生産)を求める提案を拒否
9月23日日曜日に行われたスイス国民投票が、スイス小農民の保護とより健康的で・環境と動物に優しい内外食品の確保を目指した二つの提案を、食品価格の上昇とあり得る国際協定の侵犯を恐れてか、拒絶した。
西部の農民同盟が発した食料主権イニシアティブ('Food
Sovereignty' initiative)は小農民を奨励し・安価な輸入食品から彼らを保護するように要求、左翼政党と開発援助・アニマル・ライトグループがこれを支持したが、政府、議会、中道・右派政党は食品の値上がりと国際貿易協定違反を恐れて反対した。
緑の党が提案したフェア・フード・イニシアティブ('Fair
Food' initiative)と題する提案は、全ての輸入食品にスイスの基準を課すことで持続可能で・動物に優しい生産方法の促進を求めたが、右派政党、政府、議会は行き過ぎた官僚統制を招くと警告、主要農民・消費者団体の意見は分裂した。
投票結果は、食料主権イニシアティブに反対が66.3%、賛成は33.7%、フェア・フード・イニシアティブは反対が60.2%、賛成が39.8%だった。
スイスは食品の品質・食料主権や環境・動物福祉にはうるさいと思っていたので、意外な結果である。倫理も経済には勝てないということか。
ただ、自転車レーン、インフラストラクチャーの改善を求める提案には74.5%が賛成したという。さすがアルプスの国である。 Food
production standards on the menu for Swiss voters.Swissinfo,18.9.23 |