EU:新たな牛肉表示制度がスタート
農業情報研究所
(WAPIC)
02.1.18
今年(2002年)1月1日、EUレベルでの強制牛肉表示制度がスタートした。これは「牛の識別・登録システムを設立し、また牛肉及び牛肉をベースとする製品の表示に関する2000年7月17日の欧州議会・理事会規則(EC)NO.1760/2000」に基づくものである。
これにより、EU諸国では次の項目を表示するのが義務となる。
(牛の)出生国と肥育が行なわれたすべての国、肉が取られた牛の識別を可能にする番号、屠殺が行なわれた国と屠殺場承認番号、切り分けが行なわれた国と切り分け工場の承認番号。
ただし、同じ国で生まれ・育てられ・屠殺された牛からの肉については、原産国を表示するだけでもよいとされている。
ミンチ肉については、追跡を可能にするコード、屠殺国、調整国、(調整国と異なる場合には)原産国を表示しなければならない。
なお、フランスでは、1997年以来、公権力により効力を与えられた職能団体間協定により、国産牛肉表示(フランス国内で生まれ・育てられ・屠殺されてことを示す表示)、種のタイプ(肉牛か乳牛か)・種類(未経産牛、2歳未満雄牛、去勢牛、経産雌牛、2歳以上の雄牛)の表示が義務づけられてきた。消費者団体の強い要望により、フランス政府はこれらタイプや種類の表示もEUレベルで義務化しようとしてきた。しかし、これはEU15カ国が受けいれるところとならなかった。
ただし、EU規則も、国の承認があれば、上記の義務的表示項目以外の表示を事業者が行なうのは自由としている。フランス国産牛肉については、実質的に従来同様の表示が続くことになる。