農業情報研究所
イギリス:BSE関係者グループ、羊のBSEで予防措置勧告
農業情報研究所(WAPIC)
02.5.16
イギリスのBSE関係者グループ(科学者、農業・食品産業、消費者の代表で構成される)が食品基準庁(FSA)に対して羊のBSEの理論的リスクに対する新たな予防措置を勧告した。FSAは消費者へのアドバイスは不変としながら、公衆の協議に付するためにこのレポートを公表した(Agency consults on BSE and Sheep report ,02.5.23)。グループが勧告する予防措置とは次のようなものである。
・ソーセージのケーシングの感染性の問題がはっきり解決されるまですべての羊の腸のEUワイドでの除去を求める。
・高齢の羊・山羊の肉を多く食べるコミュニティ(ムスリムとアフリカ・カリブのコミュニティ)に対して、理論的感染リスクが高いことを知らせる。
・羊にBSEが存在すればマトンよりもラムの方がリスクが低いことを含め、消費者全体に理論的リスクについてのアドバイスを続ける。
・幼児・児童への配膳組織にアドバイスと情報を提供する。
・ラムを含むベビーフード産業に自主的原産国表示を導入する協定を求める。
・羊のBSEの迅速診断テストの開発に明確な優先権を与える。
このような勧告に対し、FSAは次のように答えている。
現在までの研究では羊のBSEは発見されていないが、これは科学が進化の途上にある分野であり、不確実である。最初の感染源(肉骨粉)に曝された羊が生き残っている可能性はないが、垂直的伝達(親子感染)によるBSEはあり得るし、スクレイピーの影に隠れている可能性もある。従って、このレポートは慎重に検討するが、当面は、ラムとマトンの消費に反対するアドバイスはしない。
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