農業情報研究所


イギリス:ロイヤル・ソサイエティ、GM食品に慎重意見

農業情報研究所(WAPIC)

02.2.5

 遺伝子組み換え(GM)の有力な推進派であった英国ロイヤル・ソサイエティの科学者が、慎重派に一転したと思わせるレポートを発表した。4日に発表されたこのレポート(Genetically modified plants for food use and human health - an update,02.2)によると、GM食品の潜在的な健康への影響は、乳幼児食として許可される前、あるいは妊娠中・授乳中の女性や高齢者向けに販売に出される前に厳格に調査されねばならない。また、新世代のGM作物は、特に農民や食品産業の労働者にアレルギーを引き起こす恐れがある。

 レポートは、市場に出たGM食品による健康影響は知られていないが、GM技術は食品の栄養状態に予期せざる有害な変化をもたらす可能性があるという。

 また、GM製品が既存の食品と実質同等であるという理由でテストを免れる方法が米国で多く使われているが、これは知られざる有毒物やアレルゲンの存在を覆い隠す恐れがあり、イギリスや他のヨーロッパ諸国では、この方法を適用すべきでないとも述べている。

 関連情報
 British scientists turn on GM food,Guardian,2.5
 Tests on food safety are 'subjective and unclear',Independent,2.5
 Scientists urge better GM crop and food safety tests,Financial Tiimes,,2.5,p.9
 フランス食品安全機関、遺伝子組み換え食品のリスク評価に関する意見を発表(農業情報研究所、02.1.31)

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