農業情報研究所


イギリス:圧倒的多数がGM食品強制表示を支持

農業情報研究所(WAPIC)

2002.5.8

 7日、イギリスの市場調査会社・MORIが遺伝子組み換え(GM)食品に関する世論調査の結果を発表した(British Public Supports EU Directive)。これは、今年4月18日から22日までの間にイギリスの15歳以上の1004人を対象に行なわれた面接調査の結果である。

 イギリス国民の多くは欧州委員会の姿勢を支持している。EUは、従来、GM物質を1%以上含む一定のGM食品に表示を義務づけてきたが、欧州委員会は、現在、強制表示をGM成分を含み、またそれから派生するすべての動物飼料と製品に拡張する提案を行い、討議に付している。米国はEUの強制表示制度に対しては、非公式ながら既にWTOに訴えおり、将来、米国とEUの最大の貿易戦争に発展することも予想されているが、この世論調査の結果によれば、イギリス人は欧州委員会の態度を圧倒的に支持していることが明らかである。

 GM食品の利点がリスクを上回ると考える人は18%にすぎず、逆にリスクが利点を上回ると考える人は39%であった。選択が可能ならばGM食品を食べるのを避けるという人は51%、好んで食べるという人は3%しかいない。表示に関しては、76%の多数が消費者はGM成分が含まれる食品であることを知らされるべきだと答えている。米国は、EUのGM食品許可の迅速化も求めているが、50%の人がもっと慎重な許可を望んでおり、米国の主張を支持する人は13%にとどまっている。

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 Trade war fear as public resists GM food ,Guardian Unlimited,5.7

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