四国遍路(ほぼチャリで)

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チャリについて

ビアンキ
瀬戸内海とビアンキ

ビアンキ PASTORE

今回の遍路の相棒はビアンキ(Bianchi)というイタリアのチャリンコ(製造は台湾らしい)です。
僕は自転車について全く詳しくないので、購入した理由はカバンがついていたからです。

鮮やかなエメラルドグリーンはチェレステといってビアンキのシンボルカラーです(「フェラーリと言ったら赤」みたいなもんです)。
イタリアのミラノの空の色が由来だそうで、ビアンキの職人さんが空の色を見て色を調合するので、毎年微妙に違う色になるそうです (イタリア人の色の管理がテキトーなんじゃないか、とも思う)。

PASTOREという2005年モデルで、お値段はカバン(ちゃんと防水です)付きで約75,000円でした。ライトやスタンドなどをつけると8万円ぐらいでしょうか。
本当は前輪側にも小さめのカバンが付いていたのですが、今回はそんなに荷物が無かったので(よく「軽装すぎだろ」と言われましたが)取りました。

チャリ遍路の利点

チャリ遍路の利点について考えてみました。

歩きより早い
一般に「チャリ遍路は歩き遍路の3倍のスピード」といわれます。シャア専用。歩きなら2〜3日かかる長い札所間も半日〜一日で移動できます。 一般に歩き遍路は40日以上かかりますが、チャリなら2〜3週間で結願できます(僕は18日でした)。
野宿せずに宿に宿泊する場合は日数が少ないので、その分費用が安く上がります。仮に全部宿に泊まるとすると、 歩くより日数がかなり少ないので、かからなかった宿泊費でチャリのモトが取れてしまう計算になります。
駐車場不要
お寺の前の駐車場が有料のところもありますが、チャリなら無料です(通行の妨げにならない場所にとめましょう)。 また駐車場のないお店などにも気軽に入れます。
ロープウェイ等に乗車可能
21番太龍寺ロープウェイ・66番雲辺寺ロープウェイ・85番八栗寺ケーブルカーは全部同じ会社が経営しているらしく、 どれもチャリをたたまなくてもそのまま乗車可能です(追加料金不要です!)。
もちろん「乗り物は絶対乗らない」というポリシーで回っていらっしゃるチャリ遍路さんもたくさんおられます。
荷物が積める
歩き遍路は(体力にもよりますが)持てる荷物に限界がありますが、 チャリなら寝袋・マット・テントを積んでも全く問題ありません(僕は寝袋だけでしたが)。
修行になる
歩き遍路には負けますが(勝ち負けじゃないけど)、チャリ遍路は修行になります。上り坂は歩き遍路よりも修行になるかも知れません。 車遍路では味わえない体験ができます。チャリ遍路同士、また歩き遍路さんとも連帯感が生まれます。

チャリ遍路の装備

チャリ遍路する上で必要な装備を考えてみました。

ライト
必須です。トンネル・薄暗い山道・夕方、必ずライトは点けましょう。取り外しできるタイプなら野宿の際の明かりにもなります。
僕のライトは多少の雨なら大丈夫なタイプでしたが、土砂降りの雨で壊れました。
なおライトがあるからといって夜間の走行は危険ですので、日が暮れたら移動は極力停止しましょう。
ドリンクホルダー
あったほうがいいです(付けられるなら2個付けたほうがいいかも)。 専用のボトルを入れるタイプと、ペットボトルを入れるタイプと、どちらも入るように調節できるタイプがあります。 僕は調節できるタイプです(もっぱらペットボトルを入れていましたが)。
自販機やお店でジュースや水を買っていたらキリが無いので、水道水やお寺の名水などを入れてました。 衛生上の限界を考えて数日に一回は新しい水(各地で「四万十川の水」などがペットボトルで売られています)を買ってペットボトルは取り替えていました。
ちなみに、ジュースやスポーツドリンクなど甘いものはガブガブ飲んじゃいます。水ならチビチビ飲めるので、長い旅路は水がオススメ。
ただし、コンビニ(「お遍路さん休憩優先ベンチ」なんてものを置いてくださっているところもあります)や 道の駅などで、適宜冷たいジュースやホット缶コーヒーなどを飲んで休憩は入れましょう。
スタンド
ママチャリなら標準装備ですが、クロスバイクやロードレーサーは後付けです。無いと旅ができません。是非付けましょう。
防水バッグ
僕のビアンキは標準装備で最初から付いてましたが(だから買った)、無い場合は付けましょう(ちゃんと防水のやつを)。
防水であることが重要です。防水ならバッグじゃなくてもポリ袋でも布団圧縮袋でもタッパーでもジュラルミンケースでも何でもいいです(チャリに搭載できるなら)。 長い旅なので絶対どこかで雨は降ります。着替えや寝袋が濡れたら旅どころじゃありません。大切な納経帳が濡れたらどうにもなりません。
サイクルコンピュータ
いわゆるデジタルスピードメーターです。あっても無くてもという趣味の世界かも知れませんが、 あったほうが励みになると思います(「このペースなら、あと○時間で目的地だ」とか、大体の予想が立てられます)。
僕はケイデンス(一分間に何回ペダルを漕いだか)も測れるタイプのを付けてます。余談ですが、クルマのエンジンの回転数は3000rpmとかですが、 ヒトは80rpmぐらい(ケイリン選手でも100rpmぐらい)です。
ちなみに高級なものは心拍数も測れます。メタボなお父さんに。
パンク修理セット
小さめのタッパーぐらいの容器にゴム糊やパッチなどが入って5〜600円ぐらいで売られています。 幸いにして、僕は四国一周しても一回もパンクしませんでしたが、パンクしたら走れないので持って行きました。
工具セット
六角レンチ各サイズや+−ドライバーなどが十得ナイフのようにまとまっている自転車専用工具セットです。1000円以下から各種あります。 あったほうがいいです。
携帯空気入れ
もしパンクしたら、修理したあとに空気を入れないと走れません。あると安心です。 あくまで携帯用なので「どうにか走れる」程度の空気圧しか入れられません。通常の空気圧を入れるには自転車屋さんで普通の空気入れを借りましょう。
潤滑油
専用のチェーンオイルなどもありますが、クレ5-56で大丈夫(だと思う、チャリについて詳しく無さすぎ)。 携帯サイズの缶もありますのでカバンの片隅に入れておいて、チェーンから異音が出てきたら注しましょう(そんなのでいいのか)。

その他の用語集

その他の用語について。

遍路道【へんろみち】
お遍路さんが通る道。
歩き専用の遍路道と、クルマもヒトも通る遍路道と、クルマ専用の遍路道あり。
歩き専用の遍路道は、軽トラがどうにか通れるぐらいの農道やアーケード街を指す場合(通行可)と、 登山道や海岸など本当に歩いてしか通れない道(無論通行不可)を指す場合アリ。
歩き遍路道を行きたい場合は、チャリで通れるかどうかを地元の人に聞いてから進みましょう。
輪行【りんこう】
チャリを分解するか折りたたみ、袋に入れて(正確にいうと「かぶせて」)電車等の公共交通機関に乗ること。
僕に旅先でチャリを分解する技術があれば、やったかもしれない行為。
そんな技術はないし、僕のビアンキは折りたたみ自転車ではないのでやってません。
チート【ちーと】
ズルすること。某巨大掲示板風に表現すると「升」。
このサイトではチャリ遍路のくせに乗り物に乗ることを指します。
頑張った自分へのご褒美(笑)【がんばったじぶんへのごほうびかっこわらい】
隠れ家的お店(笑)。自分らしさを演出(笑)。スイーツ(笑)。
このサイトでは「下り坂」を指します。チャリ遍路した人なら分かる(はず)。
修行【しゅぎょう】
遍路は基本的に修行です。十善戒を守りましょう。
  1. 不殺生【ふせっしょう】殺さない
  2. 不偸盗【ふちゅうとう】盗まない
  3. 不邪淫【ふじゃいん】行きずりの女(男)と寝ない
  4. 不妄語【ふもうご】ウソつかない
  5. 不綺語【ふきご】大げさなことをいわない
  6. 不悪口【ふあっく】悪口をいわない
  7. 不両舌【ふりょうぜつ】アッチとコッチで違うことを言わない
  8. 不慳貪【ふけんどん】よくばらない、むさぼらない
  9. 不瞋恚【ふしんに】怒らない
  10. 不邪見【ふじゃけん】良くない考えをおこさない
このサイトでは、おおむね「上り坂」を指します。

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