米国 消えた160頭の牛の捜索で1000ドルの懸賞金 あってなきが如しの固体識別システム
09.4.2
ミシガン州のリビングストーン郡保安官事務所が、合わせて15万ドルに相当する160頭の行方不明の牛を探している。牛はウィスコンシンに本拠を置くCattle Production Systems社のために一農民が育てていた。会社の代表は2007年5月に161頭の牛を数えたが、2007年8月に戻ってみると牛は消えていた。牛が自分から立ち去ったとは考えられない。
ミシガン州では、2007年3月、結核・狂牛病に対処するために、牛の耳に電波固体識別装置を付け始めた。牛がこれを付けていれば見つかるだろうが、民間施設でと畜され、肉になって販売されていれば追跡はお手上げだ。牛の居場所の通報者は、もし通報が捕獲につながれば、1000ドルの懸賞金を手にできるということである。
Livingston deputies investigate 160 missing
cattle,Detroit News,4.1
http://www.detnews.com/article/20090401/METRO04/904010355/1409/METRO/Livingston+deputies+investigate+160+missing+cattle
132年前に結成されたテキサスの牛飼養者協会に報告された盗難牛の数は、2007年の2000頭から2008年には8000頭に増え、なお増加中という。
Texas City police arrest accused cattle rustler for eight missing
animals,khou.com,3.19
http://www.khou.com/news/local/crime/stories/khou090319_mp_cattle-rustler.507f465d.html
つい先日も、アラバマの牛盗難事件が報じられたばかりだ。
KLA:
Cattle Reported Stolen South of Alma, KS,Cattle Network,3.30
Alabama:
Sparks Announces Recovery Of Stolen Cattle,Cattle Network,3.29
牛と人間の健康を確保するための固体識別システムも、牛泥棒が横行するアメリカでは無力のようだ。
3月31日に発表された米国通商代表部(USTR)の2009年外国貿易障壁報告は、米国政府は、日本が国際獣疫事務j局(OIE)のガイドラインに従ってすべての年齢の牛に由来する牛肉と牛肉製品の輸入を許すように繰り返し要請してきた、今後も「この重要な貿易 の正常化に精力的に取り組む」と宣言した。
安全確保のための重要手段の一つである固体識別システムはあってもないかのごとく、そのうえ、昨年4月に食品医薬局(FDA)が1年後から実施するとした飼料規制強化案(それも抜け穴だらけだが―米国 BSE飼料規制強化へ それでもなお抜け穴だらけ,08.4.24)でさえ、オバマ新政府は、実施を60日間延期して見直しを進める最中だ。オバマ政府は、外国に要求を突きつける前になすべきことがある。