カナダ 8例目狂牛病を確認 米加の消費者保護の有効性を確信と米農務長官

農業情報研究所(WAPIC)

06.8.24

 カナダ食品検査局(CFIA)が23日、昨日伝えたカナダの狂牛病(BSE)を疑われた牛の狂牛病が確認されたと発表した。この牛はアルバータ州の肉牛で、この牛の所有者が提供した情報や民間獣医が行った調査から、年齢は8歳から10歳の間と推定される。このことからして、1997年のフィードバン(哺乳動物蛋白質の反芻動物への給餌の禁止)以前か、その実施早期に狂牛病病原体に曝された可能性が高いという。

 BSE CONFIRMED IN ALBERTA,06.8.23
 http://www.inspection.gc.ca/english/corpaffr/newcom/2006/20060823e.shtml

 これで、カナダの狂牛病は全体で8例(米国ワシントン州で発見されたカナダ生まれのケースも含めると9例)となった。今年だけで5例となる。

 この発表を受け、米国農務長官は、「現在利用できる情報からすると、カナダからの牛肉輸入のステータスの変更は考えられない」、「我々はカナダと米国に設けられた連結した防御措置が有効な消費者保護を提供していると確信する」という声明を出した。

 STATEMENT BY AGRICULTURE SECRETARY MIKE JOHANNS REGARDING CANADA'S EIGHTH BSE CASE August 23, 2006
 http://www.usda.gov/wps/portal/!ut/p/_s.7_0_A/7_0_1OB?contentidonly=true&contentid=2006/08/0314.xml

 7例目の場合には、長官は、フィードバン実施後およそ4年半も後に生まれた牛であることは米国とカナダの動物と人間の衛生保護システムに関して答えねばならない問題を提起すると反応した(カナダ 50ヵ月齢の乳牛の狂牛病確認 米国も感染源調査に加わる,06.7.14)。最新の例はフィードバン前後の生まれと見られることからこのような声明となったのであろう。

 しかし、7例目が提起した問題は未だ解決されていない。今問われているはずの「米国とカナダの動物と人間の衛生保護システム」の問題はどこへ行ってしまったのだろうか。

カナダ生まれの牛の狂牛病確認例

 

確認年月

発生地域(出生地域)

畜種

年齢または出生年

1 2003.05

サスカチェワン州・アルバータ州隣接地域

アンガス

8歳

2 2003.12 米国ワシントン州(アルバータ州) ホルスタイン

1997年

3 2005.01  アルバータ州 ホルスタイン

1996年

4 2005.01 アルバータ州 肉用牛・シャロレー

1998年

5 2006.01 アルバータ州 交雑種

6歳

6 2006.04 ブリティッシュ・コロンビア州 乳牛

6歳

7 2006.07 マニトバ州 交雑種

15歳

8 2006.07 アルバータ州 乳牛

50ヵ月齢

9 2006.08 アルバータ州 肉用牛

8-10歳

(このほか、1993年にアルバータ州で英国からの輸入牛に狂牛病が確認されている)