アメリカで6年来初めてのBSE 非常に稀な非定型BSEというが徹底的検証が必要 アメリカ・カリフォルニアの乳牛の狂牛病(BSE)感染が確認された。この乳牛は4月18日、レンダリング前の死亡牛が保管されるBaker Commodities Inc. の施設(カリフォルニア・ハンフォード)に持ち込まれ、ルーチンの検査でBSEが発見された。 アメリカでのBSE発見は6年ぶりのこと、BSEのことなどほとんど忘れかけていたアメリカ人には大変なショックだろう。農務省(USDA)がBSE発見を発表した24日、肥育牛のシカゴ先物相場はストップ安となった。ただし、USDAのジョン・クリフィード獣医主任によると、このBSEは、感染飼料を食べることで感染する典型的BSEとは異なる「非常に稀な非定型BSE(Lタイプ)であって、発見がOIE(国際獣疫事務局)が認めた「管理されたリスク」国としてのアメリカのBSEステータスに影響を与えるものではないと言う。 とはいえ、非定型BSE自体、なお謎に包まれた病気である。その発生のメカニズムも、ひとへの伝達についても解っていないことが多い。「古典的BSEやその人間版である変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)よりも感染性と病原性が強い上に、MM2型と呼ばれる人の稀なCJDに非常に似た症候や脳損傷のパターンを持つことを示唆する」研究さえある。イギリスの伝達性海綿状脳症委員会(SEAC)は、このBSEは自然発生したものらしいと言いながら、他の可能性も排除はできない、経口伝達は確認できていないが、その可能性も排除はできないと言っている。 だが、米国がやめてしまったような(米国 狂牛病サーベイランス計画縮小へ 米国の狂牛病は「歴史」の闇に,06.7.21)アクティブ検査でこのようなBSEの発見は可能、人間の感染の発見はもっと難しいが、このような場合にも、現在の飼料規制や特定危険部位の除去等の対策で動物と人間は護ることが出来だろうとも言う。逆に言えば、古典的BSEが減り、撲滅されたとしても、なお飼料規制や特定危険部位除去やサーベイランスの徹底など、厳重な警戒が必要ということである。 非定型BSE 強病原性で人間の弧発型CJDの稀な型に似る 既に人間に感染している恐れ,08.9.13 なお、2011年にOIEに報告された世界のBSEのケースは、イギリス7例、スペイン6例、ポルトガル5例、フランスとアイルランドが各3例、スイス2例、カナダ・オランダ・ポーランドが各1例の計29例だった。うち、オランダの1例とスイスの2例の計3例が非定型とされている。2012年(今年)はポーランド、スイス、イギリス の各1例が報告されているが、ポーランドとスイスのケースが非定型とされている。今後、非定型BSEへの注意を強める必要がある。 http://www.oie.int/en/animal-health-in-the-world/bse-specific-data/number-of-reported-cases-worldwide-excluding-the-united-kingdom/ 関連報道
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