農業情報研究所>環境>エネルギー>ニュース:2019年10月14日
英国 再生可能エネルギー発電が化石燃料発電を上回る 洋上風力が躍進
新たな研究によると、イギリス(UK)の今年第三四半期の電力供給において再生可能エネルギー源からの電力のシェアが40%に達し、化石燃料からの電力のシェア39を上回った。再生可能エネルギー源からの電力供給が化石燃料からの電力供給を上回るのは、火力発電が始まった1882年以来初めてのことだ。今年建設された一連の洋上風力発電所がこれを助けたという。
化石燃料―ガス・石炭発電が5分の4を占めていた時から10年も経たないが、石炭火力発電は1%にまで減った。ガス燃焼発電が38%、原子力発電が5分の1弱だ。
再生可能エネルギー源からの発電については、最大なのは風力で20%、再生可能バイオマス発電が12%、太陽光が6%という構成になる。
エネルギー・クリーン成長相は、気候変動に関わる2050年最終目標に向かう一里塚、既に温室効果ガス排出を40%減らす一方、経済は1990年以来3分2成長したと言う。
こうした変化を可能にした最大の直接的要因は風力発電コストの大幅低下(らしい)。「新たな洋上風力プロジェクトのコストは低下を続け、陸上・洋上風力を最も低コストの大規模電力源にした。次世代洋上風力の発電コストは、エネルギー卸売市場の平均電力価格を下回る1メガワット時40ポンド(5500円、1キロワット時5.5円。日本で最も安いとされている原発の半分程度<→長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告 平成27年5月 資源エネルギー庁発電コスト検証ワーキンググループ>)になると予測される」という。
Renewable
electricity overtakes fossil fuels in UK for first time,The Guardian,19.10.14
日本が真似るには条件が違いすぎる。風力発電にしても太陽光、バイオマス発電にしても、大規模開発は環境・人の健康に破滅的影響を与える恐れがあるばかりか、特に気候変動に伴う「今までにないような大災害」が頻発する時代には、それ自体が存立不能になるだろう。施設は破壊され、森林破壊は人々の「生息地」さえ奪う恐れがある。第一に考えるべきは省エネ・節電、エネルギー大量消費型「生活様式・インフラ」が変わらねばならない。