中国の鳥 鳥インフルエンザ勃発は疑いない ”テリブルな秘密”と香港専門家

農業情報研究所(WAPIC)

09.2.4

  先般、中国で今年になって1ヵ月も経たないのに6人(現在は8人)ものH5N1鳥インフルエンザ感染が確認され、うち5人までが死亡しているのに、またヒト→ヒト感染型へのウィルスの変異は未確認なのに、鳥の感染、あるいは感染死がまったく報告されていないのはおかしいではないかと書いた(今年の中国H5N1鳥インフルエンザ死者5人に 感染源の鳥はどこに?)。

 しかし、これについては、マスコミも含めて、未だに誰一人問題意識を持たないようだ。感染源をまじめに追求する気など、まったくなさそうだ。不思議なほどに鈍感だ。あるいは、恐るべき怠慢だ。

 しかし、謎はようやく解けそうだ。今日付けのTaipei Timesによると、香港の沿岸で鶏、ガチョウ、アヒル、その他の鳥の死骸が発見されている。今週月曜日だけでもガチョウ1羽、鶏5羽など12羽の死骸が見つかり、3羽に鳥インフルエンザが確認された。香港医学協会の勞永樂氏は”テリブル”な秘密がありそうだと言っているという。

 彼は、「中国政府は認めないが、中国で鳥インフルエンザが勃発しているのは疑いない」、「死んだ鳥が香港からきたのか、本土からきたのか確認せねばならないが、もし本土からだとすると、境界沿いで何か非常にテリブルなことが起きている可能性がある」と言う。

 China bird flu outbreak feared,Taipei Times,2.4
 http://www.taipeitimes.com/News/front/archives/2009/02/04/2003435230

 国連食糧農業機関(FAO)の鳥インフルエンザ上級技術顧問のビンセント・マーチン氏によると、中国は昨年12月以来、鳥のH5N1インフルエンザをまったく報告していない。「報告されなかったケースがあるに違いない。鳥での勃発のいかなる報告も受け取っていないのはノーマルなことではない」と言う。

 また、WHOの報道官であるピーター・コーディングリィ氏は、「広東省の鳥にウィルスが存在する可能性を恐れている。そこには大量の鶏やアヒルが、人間のすぐ近くで飼われているからだ」とe-mailで語る。

 中国政府が鳥のH5N1インフルエンザ勃発を隠している可能性は高い。今度こそは、マスコミの真相追求を期待したい。