東北地方太平洋沖地震での地震警報器

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東北地方太平洋沖地震(M9.0)のときの地震警報器の動作や,感じたことなどを書いています。動画もご覧いただけます。

この地震のとき,私は作業中でした。地震警報器が鳴って,反射的に作業を中断して離れ・玄関のドアを開けました。背後にある書棚が倒れると危険な位置関係におり,また大地震ではドアが開かなくなることがあるためです。日頃の地震と同じように行動しました。

警報直後に揺れは,震度3程度になりました。それが10秒以上続き,その後大きく揺れるようになりました。「これは,建物が危ないかも」と思い,スリッパのままで建物を離れました。近所からは,悲鳴が聞こえました。同じ建物に住むおじさんも,「マンションが崩れるかも」と言いながら外に出てきました。近所のおじいさんも出てきて,「こりゃ震度5だな。こんなのは初めてだ」といわれました。私も,震度5だと思いました。
このとき,3階に設置している警報器のブザー音が,1階まで聞こえていました。

いま思えば,警報器が鳴り・震度3の揺れを感じていた間が,P波(プライマリー波)による初期微動だったのだろうと思います。その後S波(セカンダリー波)が到達して,震度5に感じたのだろうと思います。
この地震のあと,地震警報器は1時間鳴り止みませんでした。一度鳴りはじめると40秒間続きますが,再トリガーが1時間かかり続けたのだろうと思います。私は,水を入れた透明な瓶(ジャムの瓶を流用)を見ていましたが,この水面の揺れも止まりませんでした。2日後,気象庁は「地震は5分おきにくらいに,立て続けに何度も発生した」と発表しました。警報器は,それを検知しつづけたのだろうと思います。

この地震警報器は,多くの人が感じないような地震でも検知します。当日の午後6時くらいまでは5分に1回程度の頻度で作動し,翌日には数時間に1回まで低下しました。頻繁な余震による警報音がうるさいので,いまはブザーにビニールテープを貼って音量を下げています。

先に,「今回の地震で,初期微動が震度3」と書きました。以前,調べたのですが「P波の揺れの大きさは,S波の大きさに比例する」そうです。兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)や中越地震などの大きな地震の加速度データを見ると,初期微動は震度3〜4程度だと思われます。
「警報器が鳴って,直後に震度3などの揺れになった場合には,大地震の可能性がある」と考えることができます。逆の発想もでき,「警報器が鳴って,数秒経っても震度1〜2程度であれば,あまり大きな地震にならないだろう」とも読めます。

この揺れの大きさを見るために,水を入れた瓶が活躍します。なにしろ警報器は,水がわずかに揺れる程度で警報を発し,このレベルの揺れを見るためです。個人差があると思いますが、私には感じないほどの小さな揺れです。
この瓶には,蓋つきが良いと思います。蓋によって,風で水面が揺れる事を防ぎ・水がこぼれず・蒸発も防げます。

震度1程度の地震で,「水を入れた瓶と地震警報器の動作」が撮影できました。YouTubeにアップしましたのでご覧ください。

2011年3月13日
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(C) 勝部雅稔 2011