「まだ、それほどたいした量じゃないなぁ・・」
『これは早く雪下ろしをしなくては・・』 と言うとばかり「えっ!?」 思っていたのに隊長の返事は意外だった。 「本当に怖いのは、屋根の雪が、 下に積もった雪と くっついたときなんや」 「雪どおしが引っ張り合って、小屋をつぶすんだよ」 「明日からまた寒波が来そうだから、 まあ軽く練習で雪を落としておこうか」 あんなに積もっているのに、軽く練習だなんて・・・ 私たち2人はそうとう驚いた。 |
12.25 初めて雪を下ろす 軽く練習らしい・・ |
12.26 寒波襲来 吹雪の かんばの丘 |
翌日から、第1級の寒波襲来で、 尾瀬は猛吹雪となった。 風はうなり声をあげ、 横殴りの雪が終日続いた。 「かんばの丘」に我々がつけた 山スキーの跡など、 あっという間に かき消されてしまった・・・。 (残念ながら吹雪の写真は あまり撮してないです) |
12月30日、吹雪は収まった。 小屋周辺を点検に廻る。 異常なし。 見回りが終わると、隊長は、雪におおわれた尾瀬沼に向かって進み始めた。 さかんにストックであちこち沼をつついている。 ちゃんと調べるポイントがあるらしい。 「もう大丈夫や!」 「沼の上を渡れるよ」 「おおっ!!」 ついに尾瀬沼の上を山スキーで渡れるようになったのか! |
「今日は三平下の小屋と峠付近も、様子を見にゆこう」 ここ数日間小屋に閉じこめられていたので、 外にでられるのがなんだか嬉しい! 私たちは、携帯無線機を持ち テルモスに熱い飲み物を入れて出発した。 いつもは、ラッセルがあるので縦1列になって 行動するのが常であるが、 初めての尾瀬沼歩きとあって 今日は列を作らず、歩いていく。 『そうだ、記念に1枚』 前をゆく、隊長とウミさんを パチリ! |
12.30 初めて尾瀬沼の上をゆく |
三平峠まで、シールをつけグイグイ登る。 ウミさん先頭を譲らず峠までトップを切った。 先頭で到着のウミさん 峠からの眺めは、最高だった。 真白の尾瀬沼に、我々のトレース 遠く会津駒ヶ岳までがはっきりと見える。 テルモスの熱いミルクティーがやけに美味しい。 12月31日『シロイオゼヨリ』(後編)に続く |
12.30 雪の尾瀬沼から会津駒ヶ岳 |