1月の章 1月 25日 除雪 追いつかず



1月になって降る雪の量は半端ではなかった。 

「今日で、何日連続の雪だろう・・」
「明日になったら晴れるのだろうか、」
「早く太陽がみたい・・」

正直そう思いつづけた。


我々は、連日、雪下ろしに明け暮れた。

しかし、わずか3人での雪下ろしのスピードでは
とうてい追いつかないほど、
雪は毎日毎日、容赦なく降り続いた。



豪雪で、人の気配を消し去った
厳冬期の尾瀬は
原始の世界を見せつける。

人の力など、とうてい及ぶところではない。

 


1.25 屋根の雪を下ろし、この後遠くに運ぶ
固く締まった雪はどっしりと重い






1.25 屋根との境もなくなってくる 
雪下ろしのつらさは、
雪を屋根から下ろすだけではなく、 

屋根から下ろした雪を、遠くに運んで
小屋の軒にくっつかないように離さないといけない。

雪で足場がしっかりしない中
固く締まった雪はどっしりと重く、腰にこたえる。

足は冷え切って、手はマメだらけとなる。
ほんとうに重労働だ。


毎日続く、雪下ろしと、除雪作業に
我々は体力を奪われ
3人とも、しゃべる元気もなくなっていった。


「もう我々だけでは限界やな・・」
「除雪隊を要請しないと、雪につぶされるおそれが出てくるぞ・・」

ついに隊長は決断をし、除雪隊の要請に踏み切った。





翌朝、すぐに無線で返事が来た。

『・・天候回復を待って・・すぐに・・』
『・・除雪隊が・・入山します・・ピッ 』

『・・どうぞ・・よろしく・・お願いします・・ザザッ』


1.28 積もった雪で1階の屋根、2階の屋根がつながってしまった


うれしい!! 
除雪隊の人たちが応援にきてくれる。
これで、大屋根の雪も下ろせるぞ。

大屋根だけは、大人数でないと雪下ろしができない。


久しぶりに人に会う嬉しさも手伝い、
我々3人は、急に元気が出てきた。




 1.30  大屋根の積雪は3mを超えた!!




1月30日
除雪隊の入山日

吹雪はやみ、
久しぶりの快晴となった。

気温 - 23℃
この日、大屋根の積雪は
3mを超えた。




  つづく