2月の章 2月 26・27日 燧ヶ岳ツアー隊上山


2月27日 皆んなの希望が叶った。
すばらしい晴れの朝を迎える。

燧ヶ岳がその雄姿を表した。

待ちきれずに、早起きして
小屋の周りを散策してきた人もいる。

「今日は最高のツアー日和になりました。」

朝食後のツアーリーダーの挨拶に
大きな拍手が起きる。




2.27 ツアーには最適の朝を迎える



 2.27 いよいよ燧ヶ岳ツアー の出発




 2.27 ゆっくりと確実に登ってゆく

最終点検を念入りにして
いよいよ燧ヶ岳ツアー の出発だ。

Topから3番目までは、我々越冬隊が勤める。

この日までに、スノーボードを3カ所に運び上げたり
コース下見を繰り返し準備してきた。


ツアーには女性もいるので、
いつもよりゆっくりと確実に登ってゆく。

それでも、Topになるとついペースが
上がってしまう。

「なかなかさん、もっとゆっくり行こうかぁ〜」
隊長がペースの指示を時々出してくれる。


スキーに付けたシールの威力は驚くほどすごい。
相当な斜面でも平気で登っていく。

我々のシールは越冬生活に適するように
さらに工夫を加えてある。
なんと、2/3に短く切断して
ラッセルの時負担がかからないように
作り替えているのだ。




全員無事にミノブチ岳に到着。
思わず歓声が上がる。
第1目標地点である、

記念撮影を撮る。
もちろん“鯉のぼり”もたてる。


登っているとじわっと汗ばんでくるが
スキーを止めると、一気に寒さが感じられてくる。
風の影響がない所で昼食。





2.27 ミノブチ岳に到着 記念撮影

ここから頂上までは天候が荒れるので、普通なら登れないのだが

この日は天候がとても安定しており風も穏やかである。

「今日は行けそうですね」


スタッフの打ち合わせで

今日は燧ヶ岳の頂上アタックをこころみることになった。

山スキーをはずし、
雪が深く積もっていない岩場付近を
ストックを利用して登っていく。

ついに燧ヶ岳(2346m)頂上に到達。 

360°の大パノラマだ。
日光白根・会津駒ヶ岳・武尊
そして谷川連峰が遠くに広がる。

眼下には真っ白の尾瀬ヶ原から至仏山が
箱庭のように見える。

すばらしい眺めだ。




燧ヶ岳(2346m)頂上に到着






 2.27  いよいよ燧ヶ岳 山スキー大滑降



2.27 雪の尾瀬沼を見ながら滑る

頂上の大パノラマを満喫した後、
ミノブチ岳に引き返し、山スキーを履く。

「皆さーん、滑る準備はいいですか〜」

いよいよこのツアーの醍醐味
燧ヶ岳 山スキー大滑降だ。

「初めは大斜滑降ですよーっ!!」


ダケカンバの大木をよけながら
慎重に滑り下りてゆく。

深い雪の中に転倒して
雪まみれになったりするのも、
また楽しい。


雄大な景色を見ながら、
大自然の中を豪快に滑る
山スキーは実に爽快だ。



天候に恵まれ、
燧ヶ岳の頂上までも
登頂することができた
今回の燧ヶ岳ツアーは

いつまでも心に残る
大自然からの
贈り物だったのだろう。


つづく
(写真提供・・なか子)