平尾台−広谷湿原 No.1
(福岡県)2003.6月

平尾台は、秋吉台と並び、日本有数の「カルスト台地」です。

なだらかな山肌の草原の中に白い石灰岩が点在し、
その様子が 羊が群れをなしている様にみえることから、
“羊群原(ようぐんばる)”と言われています。

ちなみに、今年の干支は「羊」でしたので、
年賀状の中にこの風景を使わせてもらいました。


 羊群原(石の羊たち)
平尾台 カルスト台地




目の前に広がっている、たくさんの石の羊たちを見ながら
「広谷湿原」へ向かいます。

草原状になっているため、ここちよい風を感じます。

足もとには、青紫色のウツボグサ、
緑の草原には、ノイバラが真っ白い花を咲かせています。
  ノイバラ ウツボグサ

華やかな黄色が目に飛び込んできます。
ミヤコグサです。 

その脇には逆に、地味な色の花を付けた
ソクシンランも
咲いています。
ランといってもゆり科の植物です。


カノコソウが淡紅色の小さな花を
密に咲かせています。
ほのかに、良い香りがしますよ。
なるほど生薬になるんです。
ミヤコグサ ソクシンラン カノコソウ


中峠を越えると、いよいよ広谷湿原も近くなってきます。

路の脇に、ほそ〜い葉をつけた帰化植物の
ヘラオオバコが宇宙船のような花を咲かせています。

前方遠くに変わった形の岩が現れてきました。
「鬼の唐手岩(からていわ)」です。
瓦を何枚も重ねたような岩を、大きな鬼が
空手で割ったのでしょうね。
そう想像したら、ダイダラボッチ伝説を思い出しました。


木の陰には、少し薄汚れたような色のサイハイラン

がありました。その姿は本当に采配のようです。
ヘラオオバコ サイハイラン 鬼の唐手(からて)岩






さあ、いよいよ広谷湿原が見えてきました。

筆のような形をした、ノハナショウブの蕾
もお出迎えしてくれているようです。

どんな、湿原の植物にあえるのでしょうか。  

尾瀬をこよなく愛する“なかなか”は、
胸をときめかせて

広谷湿原への路を下っていきました。
ノハナショウブの蕾 広谷湿原