ラン科の花 花粉塊




ラン科の花粉は花粉塊になっていて、
すごい接着力で昆虫にくっつきます。 
小さな木の枝を昆虫に見立てて、
シランの花の中に入れてみました。 
みごとに一発で花粉塊が木の枝にくっつきました


ラン科の花粉は、普通の花のように花粉が1つ1つ分離していなくて 大きな塊となって花粉塊をつくっています。
いろいろなランの花について、この花粉塊のようすを観察してみました。

 ラン科の花の
 雄しべとめしべは
 合着していて
 ずい柱となっています
 葯の部分は
 可動式になっています。
 くるりと反転させてみますと、
 中に2室あり
 花粉塊が入っています。
 葯から花粉塊を
 取り出してみました。

 ちょうど柔らかい
 カズノコのような感じです。
 花粉塊は、まとまった形を
 しています。 
 
 針でちょっと開いてみると
 たくさんの花粉が集まって
 できていることがわかります。

 
 シランの花にもぐりこむハナバチ 花から出るときに背中に花粉塊をつけたハナバチ 



花粉塊はそれぞれの属によって一定しているので、重要な分類形質の1つになっています。



ネジバナ

訪問昆虫の口に花粉塊がくっついています


白いタラコのような形の 花粉塊です




ツレサギソウ


花粉塊は長い柄があります。
その長い柄の先っぽが
ものすごく粘着します。

新体操で使うこん棒のような
形をしています。





サギソウ


 花粉塊には長い柄があります。
その長い柄の先が粘着体となっています。






ミヤマウズラ

花粉塊は先が細くとがった形です


黒っぽい部分が粘着体です




サイハイラン


花粉塊は4個でカプセル状をしています




タカネ


花粉塊は8個でカプセル状をしています




キンラン


花粉塊は白くて、2個の長楕円形で2裂しています。 
やわらかくて粉粒質です





ニラバラン


花は数ミリでとても小さいです、
そこに黒い小さな昆虫(クロハバチの仲間)が訪れていました。 
よく見ると頭に白い花粉塊をくっつけていました。



ラン科の花は、細かい花粉を大きな塊(かたまり)としてまとめることによって 昆虫にくっつけて、
ちょうど宅配便のようにひとまとめにして 無駄なく違う花の雌しべに運んでもらう受粉の方式をとっています。

花粉塊を観察し終わった後は、昆虫役になって他の花のめしべにちゃんと運びましたよ。 (07.5.14)




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