キッコウハグマの閉鎖花
06.10.03

キッコウハグマは閉鎖花を結ぶことが多い植物です。 

ちょっと見ただけでは、どの花が閉鎖花なのか
開放花のつぼみなのか区別がつきません。

そこで、閉鎖花と開放花のつぼみについて観察をしてみました。

10月下旬頃 開放花が見られる 10月上旬頃 まだつぼんだ状態 


   1.開放花のつぼみ

閉鎖花開放花のつぼみは、つぼんでいる状態でもそれぞれ形に特徴があります。
閉鎖花と 開放花のつぼみが並んでいます。 上にある、ずんぐりしたほうが開放花のつぼみです。


上:開放花のつぼみ   下:閉鎖花


開放花のつぼみの総苞片をはがしてみます


総苞片の中には3個の白い小花があります
冠毛はまだ未発達です





3つの小花のうちの、
1つの花冠を開いてみると、

中には真っ白な合着した
雄ずいがあります。

その雄ずいを少し開いてみると
その中には雌しべがあり、
柱頭が前に出ています。

雌しべの柱頭はまだ開いておらず
雄ずいよりも前に出ているのは
自家受粉を防ぐためと思われます。


    2.閉鎖花

次に下側にある閉鎖花の総苞片を、そっとはがして中の様子を観察してみます。


総苞片をはがすと、冠毛が長く伸びていて
前側の半分が色づいています

冠毛の中には、3つの閉鎖花があります


1つの閉鎖花の白い花冠を開いてみると、
中には色づいた雄ずいがあります




その色づいた雄ずいを
少し開いてみると中では、
もうすでに花粉が出ています。

花粉は、雌しべの柱頭に
しっかりついていました。


このように 閉鎖花では、
雌しべの柱頭は、雄ずいの
中におさまっていて、
確実に自家受粉が行なわれて
いました。



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