ネムノキの花
Albizia julibrissin

あのふわふわした夢のような花を咲かせるネムノキはとっても好きな花です。

ネムノキの花はいつも不思議な花だなぁと思っていました。今回は花のしくみを観察してみました。

  ネムノキの花はアップでみると、
  まるで花火のように綺麗です。 
 
  1つの花にみえるところには、
  なんと10個〜20個もの花が集まっています。
  ピンクの部分は雄しべで、1つの花には
  30本ほどの雄しべがあります。 


  花弁は小さく白っぽくて根元の方にあります。
  そこから30本くらいの雄しべがでて
  花のようになっています。
  ネムノキの花は雄しべが先に花粉を出します。

  雄しべがしおれて、枯れてくると、
  今度は白い1本の雌しべが姿を現してきます。

  雄しべ先熟の花です。


   ネムノキの花の集まりをよく見ると、        
   1個〜3個ほどようすが違っている花があります。


   他の花よりも花冠の部分がとても長くて、
   飛び出している雄しべが 上にも、横にも広がっています。 

  実は他の花には蜜が無いのですが、
  この花にだけ蜜がたっぷりつまっています。 


  ネムノキは、この1〜3個の花の蜜によって
  スズメガなどの昆虫をおびき寄せています。 

  スズメガがこの花の蜜を吸いに来たときに、
  周りにある雄しべにふれて、花粉を体に着けます。


  かってにネーミングをすると、1〜3個の花で昆虫を呼ぶ
  “おとり”タイプとでもいいましょうか・・・

  またこれは花にとっては、少ない蜜で受粉ができますので
  “省エネ・エコ”タイプにもなっています。

  この蜜をもった花は、すでにつぼみの頃から、
  他の蕾と違っているのがわかります。 

  
  同じマメ科の花でも、花粉を昆虫に着けるしくみは
  このネムノキ以外では
  ミヤコグサは”マヨネーズ”タイプ
  コマツナギは”バネじかけ”タイプ など  
  さまざまなタイプがあって面白いですね。

                                                                        (2006.6)


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