オオマツバウンラン Nuttallanthus texanus (Scheele) D.A.Sutton |
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2005年の5月のことです、マツバウンランが咲き始めたなぁ・・と思って花を見ていたら、どこか違うような感じの花が咲いてるのに気がつきました。
帰ってから調べてみると マツバウンランとは別種の、オオマツバウンランらしいということがわかりました。
図鑑には 「マツバウンランよりも花が大きく、距がかなり長いものをオオマツバウンランという」程度しか記述がありませんでした。
今年(06年)またオオマツバウンランが咲きましたのでマツバウンランと比較しながら観察してみました。 |
左・・マツバウンラン 右・・オオマツバウンラン | |
マツバウンランは 花の下唇の中央部が 白くなっています。 オオマツバウンランでは 花の下唇に白い部分が無くて 花弁全体に紫色のすじが 入っています。 |
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花冠を比べてみると、オオマツバウンランの方が立体的で、かなり大きいことがわかります。 2倍ほどあるでしょうか・・ 距の長さはずいぶん異なり、マツバウンランは約5mm 、オオマツバウンランは約11mmありました。 |
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この場所での花の咲く時期は |
マツバウンラン・・4月中旬〜 オオマツバウンラン・・4月上旬〜 今年は、オオマツバウンランの方が10日ほど早く咲きました。 (ただ常に早く咲くのかどうかは今後も観察してみないとわかりません。) |
花以外では、 果実が違っています。 マツバウンランの果実は、球形で、萼の中に収まっています。 (萼片がとびだしているように見えます) オオマツバウンランの果実は、楕円形で、萼と同じ長さか、あきらかに果実が萼から出ています。 |
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2種の果実を切ってみました。 マツバウンランの果実は球形で、オオマツバウンランの果実は楕円形をしているのがわかります。 子房は2室あり、中軸胎座です。 胎座の周りに整然と種子がついています。 う〜ん美しい並び方です。 |
マツバウンランの果実 オオマツバウンランの果実 ![]() |
ルーペで拡大して見ました。 種子はどちらも長さ約0.4mmほどでとても小さく、肉眼では違いがわかりません。 ルーペで拡大して比較してみると、マツバウンランの種子は、スッキリした感じで、オオマツバウンランの方が、稜線がゴツゴツしているようでした。 |
マツバウンランの種子 ![]() オオマツバウンランの種子 ![]() (スケールの1目盛りは0.2mm) |
1つの果実には、 種子が何個入っているの? 頑張って数えてみました・・。 |
マツバウンラン221個 オオマツバウンラン248個 (ただし、それぞれの果実たった1個しか数えていませんので、すべての果実にあてはまるわけではありません。) 大まかに言うと、どちらの果実にも 200個以上もの多数の種子が入っていました。 |
2007年も継続して、観察しています。 冬季のロゼットの様子です(2007.1.)
マツバウンラン | オオマツバウンラン |
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![]() 細長く、先は尖った感じ |
![]() 少し肉厚で、丸っぽい幅広な感じ |
この場所での花の咲く時期
2006年は、花の咲く時期は オオマツバウンラン・・4月上旬〜 マツバウンラン・・4月中旬〜で、
オオマツバウンランが早いのではないかと書きました。
2007年では、開花状況を、A場所とB場所の2カ所で、日にちと株の数を確認してみました。
マツバウンラン 開花の状況![]() |
オオマツバウンラン 開花の状況![]() |
3月21日 A場所 2株 B場所 0株 | 3月21日 A場所 3株 B場所 0株 |
4月 7日 A場所 3株 B場所 0株 (画像は A場所です) |
4月 7日 A場所 36株 B場所 6株 (画像は A場所です) |
4月15日 A場所 15株 B場所 2株 | 4月15日 A場所 61株 B場所 16株 |
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