ヤブミョウガ Pollia japonika 


ヤブミョウガはツユクサ科ヤブミョウガ属で、山野の林内に普通に見られます。 花は8〜9月に咲き、1株に両性花と雄花をつけます。

    
両性花・・花柱が雄しべよりも長い            雄 花・・花柱が雄しべよりも短い


   A.両性花と雄花の関係
 
  
両性花と雄花がどの位置にどのくらい咲いているのかを調べてグラフに表してみました。



 06.9.6 
 
 06.9.8  

 結果としては、

 ・両性花は第1番目の位置にとても多く(84.0%)、第2番目では花はかなり少なくなり、第3番目以後は極端に少なくなりました。

 ・雄花は第2番目の位置ですでに両性花よりも多く出現し(61.1%)、第3番目・第4番目ともに両性花よりも多く見られました。

 ・ ただし花の時期が、咲き始めの頃・中頃・終わり頃 なのかによっても、この出現数は変わるのではないかと思います。


     B. 両性花か雄花かわからない花

両性花と雄花を調べていると、花柱の長さが雄しべとほぼ同長で、両性花なのか雄花なのかわからない花が見られます。



両性花? 雄花? どちらなのかわからない花

子房はふくらんでいるので、両性花かもしれません。 いったいどちらなのか調べてみました。


 
 1.雌しべの柱頭に、別の両性花の花粉を着けたら果実ができるかでしょうか。

  花柱が雄しべとほぼ同長の花6個に、
  別の両性花の花粉を着けて
  果実ができるかどうか観察して見ました。


  翌日、その6個の花を見てみると

  すべて結実せずに落花してしまいました。

  どうも、結実しにくいようです。
  (雄花の可能性があります)




 2.次に子房の大きさを比べてみました。




  ーは雌しべの柱頭の位置

  中の3個は花柱の長さが
  雄しべとほぼ同長で、
  どちらかわからない花

  
 雄花        中の3個の花は どちらかわからない花        両性花

両性花の子房の大きさに比べ、
中の3個の花の子房は
かなり小さく

雄花の子房と、ほぼ同じサイズのものもありました





 3.子房の中の胚珠を確かめてみました。



 どちらかわからない花の子房の中は乾燥していて、
 胚珠はとても小さくて貧弱で、
 子房との間にはすきまが見られます。



 両性花の子房の中はみずみずしくて、
 胚珠は大きくて、子房にぎっしりとつまっていました。
 




1.2.3のことから、花柱の長さが雄しべとほぼ同長の花は、雄花と見られそうです



  ただし、今回は調べた個数が少ないので、すべてが雄花だと断定するまではいかないと思いました。

また、胚珠までは見ませんでしたが、子房の大きさがもう少し大きくて両性花かもしれないと思える花もありました。


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